巷にあふれる「潤い保湿」の文字。使ってみたけどそうでもないし、どれを使ったら本当に肌が潤うの?と悩む人も多いはず。
「そもそも、肌に合う成分や合わない成分ってどうやって見分けるの?肌にいい成分、肌に優しい成分……、一体どれが一番いいのー?!」
そんな断末魔の叫びが聞こえたような聞こえないような。
このシリーズは、肌育成スペシャリストの筆者が実際に使ったコスメを元に
「どの成分が気になったのか?」「何をいいと感じたのか?」というポイントも交えつつ、綺麗な肌をつくるために必要な知識や化粧品成分の豆知識をみんなで学んでいこう!というもの。
たくさんある美容についての疑問。その答えを見つけ出せるようなシリーズです。
「ファンデーションは何を使っていますか?」「いいファンデーションってありますか?」
など、よく質問されるのはファンデーションのこと。
ファンデーションは肌全体に大きく塗るものだし、崩れるとコンシーラーもチークもつられて崩れていくような気がするので、「しっかりと自分に合ったファンデーションを使いたい」と多くの女性が思っているはず。
◇メイクを直せない日は「崩れない」を優先
自分に合うファンデーションを探すときに一番大切なのが、「肌のコンディション」を知ること。乾燥している日は水分や油分多めのファンデーションを使ってもいいような気がしますが、睡眠不足でなんだか脂っぽい日に油たっぷりのファンデーションは使いたくないような……。筆者は「簡単使い分け」を実践しています。メイク直しの時間が取れなさそうな日は、しっかりつくクリームファンデーション。
乾燥を感じる日や軽めのメイクにしたい肌状態の日は水系のリキッドファンデーション。
外に出ないけれど、自宅内での紫外線A波だけ防ぎたい日はBBクリームタイプやクッションファンデーションと、肌状態やその日のスケジュールによってファンデーションを選んでいます。
◇水系リキッドファンデーションとクリームファンデーションの違い
ファンデーションは、大きく分けて【油】【水】【粉】を組み合わせて作られる商品です。
粉が多ければパウダーファンデーションになり、水が多ければリキッドファンデーションになるわけですが、メイク下地は油のみで作られているものも多く「ファンデーションの密着」や「ファンデーションの定着」については、勝手に組み合わせるよりも同メーカーで揃えた方が崩れが少なく済む傾向にあります。
◇水系ファンデーションを選ぶなら?
崩れないメイクやヨレないメイクは、常日頃から研究している方も多いはず。
家に帰るまでメイクを崩したくないというのは、女性の願いですよね。
そのため、今回はあまり使い分けを意識しないであろう「簡単メイク」「サラッとメイク」に役立ちそうな水系ファンデーションをご紹介します。
「今日は紫外線だけ予防して早めにクレンジングしよう」と、肌をいたわりたい日に試してみてくださいね。
【MAC スタジオウォーターウェイト SPF30 ファンデーション 】 30ml ¥5,184(税込み)
【配合成分】※主要成分のみ※
・水
・メチルトリメチコン
ベタつかず、つやっとした仕上がりを感じさせる油です
・フェニルトリルメチコン
水を弾きつつ、滑らかな使用感を目指した油です
・サリチル酸ブチルオクチル
紫外線吸収剤です
・メトキシケイ酸エチルヘキシル
肌を赤くする紫外線B波を吸収してくれる、紫外線吸収剤です
【おすすめポイント】
ヒアルロン酸Naや大豆たんぱくも配合された「セカンドスキン」を目指すファンデーション。セカンドスキンを目指すというだけに、肌へのフィット感は素晴らしいです。「つけている感じがしない」というのはまさにこれ。
個人的には「スイカ果実エキス」が配合されていたのも購入したポイントです。
スイカ果実エキスは最近よく見かける成分で、成熟する前の間引きされた実から抽出されることが多いです。
このファンデーションの説明書には、間引き種なのか成熟種なのかは記載されていませんでしたが、間引き種であれば成熟種よりも抗炎症効果が高いといわれていますし、
そもそもスイカ果実エキスは抗酸化や抗糖化効果が高いとされている成分なので、
「普段使いのファンデーションに入っていたら嬉しいな」と思える存在です。
実際に使用すると、肌に薄いベールをまとったような感覚になります。
とても薄いベールなのにSPF30。普段使いにはぴったりのSPFですよね。
重ね塗りしても厚塗り感はありませんし、見た目も自然な艶感が出ます。
家の中にいても浴びてしまう生活紫外線「紫外線A波」も防ぎつつ、肌を真っ赤にする紫外線B波の影響を防ぐ成分も入っています。
【注意点】
サラッと軽くて薄いベール感や、ムラになりにくく毛穴を目立たなくさせる高いフォーカス効果もありますが、シミやニキビ跡を隠せるようなカバー力にはあまり期待できません。
とはいえ、ベースが水だけにクレンジングにもさっとなじみやすくて、自宅にいる日のナチュラルメイクにはぴったりの一品です。
肌をいたわりたい日は「メイクオフしやすいこと」が重視されるので、軽やかな肌感で過ごせるファンデーションをひとつは持っていたいですね。
(社)日本爪肌美容検定協会代表理事/川上愛子