皆さんは「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という病気を知っていますか?女性に多いとされている病気のひとつで、脚がむくんだり、疲れやすかったりといった「よくある」症状も、下肢静脈瘤が原因となって引き起こされている可能性もあります。


今回は、下肢静脈瘤について、足の病気の専門クリニックである『両国あしのクリニック』に取材しました。

取材協力・監修


両国あしのクリニック


東京・墨田区にある、日本初の下肢静脈瘤に特化したクリニック。日帰りによる保険適用のストリッピング手術を日本で初めて導入。年間1,000件以上の手術実績を誇る。クリニック監修書籍「図解 よくわかる下肢静脈瘤 きれいな足がよみがえる!! 最新治療と正しい知識」が発売中。


両国あしのクリニックのHP

http://www.asi.or.jp/


両国あしのクリニック下肢静脈瘤専門HP

http://www.asinocare.com/

■下肢静脈瘤の原因とは?

下肢静脈瘤は、主に膝から下(下腿(かたい))の部分の静脈に血液がたまってしまう病気。ふくらはぎ周辺の血管が浮き上がって、ボコボコとしたコブのように見えるのが名前の由来です。


なぜ下肢静脈瘤になってしまうのかというと、それは脚の「逆流防止弁」が壊れてしまうから。


人間の脚の静脈は、脚から心臓、つまり下から上へと重力に逆らって血を送っています。重力に負けて血が逆流してしまわないように、静脈にはカタカナの「ハ」の字形をした逆流防止弁が取り付けられているのです。この逆流防止弁を閉じることで、血が逆流しないようにしています。


しかし運動不足、座りっ放し、立ちっ放しなどが多くなり、ふくらはぎの筋肉をあまり動かさないでいると、心臓に戻るべき血液が逆戻りして、静脈内にたまったままになってしまうことになります。こうして血液がたまり過ぎると、静脈の内側が広がり、逆流防止弁が重ならなくなって逆流が起こります。


逆流防止弁のトラブルが長く続くと、弁自体が壊れてしまいます。そうなると、血液は下へ流れてしまい、下の弁でまたしばらくたまり、その逆流防止弁も壊れることに……。これが続くと、血液が逆流していき、血管にたまって静脈が膨らみ屈曲してボコボコとしたコブのようになるのです。


これが静脈瘤発生のメカニズムです。

■下肢静脈瘤になるとどうなる?

下肢静脈瘤になると、血管のコブ以外に、

  • 脚がむくむ

  • 脚が重い、だるい

  • 疲れやすい

  • 脚がつる(こむら返りが起こる)

といった症状が起こります。


本来なら心臓に戻るべき血液やリンパ液が脚に滞ってしまうため、脚がむくみます。老廃物のたまった血が脚に滞ることで脚の不快感、また重さやだるさを感じ、疲れやすさにもつながります。他にも血液の停滞は脚の酸素不足も招きます。これが脚をつってしまう原因です。


ほかにも下肢静脈瘤が悪化することで、以下のような合併症を起こすことがあります。


  • 血栓性静脈炎

静脈瘤の中の血液が固まってしまい、血栓を作って炎症を起こすもので、強い痛みを伴います。固まった血栓は、放置しておいても1~2カ月で炎症が和らぎ、痛みも治まりますが、静脈瘤の根本治療を行わないと再発することが多いといわれています。この血栓性静脈炎は表在静脈(体表付近の静脈)にできるもので、肺塞栓症などの原因となり突然死を招くこともある深部静脈にできた血栓とは異なります。


  • うっ滞性皮膚炎

足首の内側辺りの皮膚が赤くなってかゆみを生じるものです。皮膚に炎症を起こしたり、湿疹のように赤くなったり、かゆみを生じたりするのは、老廃物を含んだ静脈血が滞っていることが原因です。このような症状が出た場合は、皮膚科で診察を受け、通常の湿疹用塗り薬を使用し続けても完治することはありません。改善しない皮膚湿疹に悩まされている方は、下肢静脈瘤を疑い、血管外科を受診してみることをおすすめします。


  • 色素沈着

うっ滞性皮膚炎が進行した状態で、黒ずんだ部分の皮膚が硬くなったり厚くなったりしてしまいます。治療をすると皮膚の黒ずんだ色は元に戻り、硬かった皮膚も軟らかくなるケースがほとんどです。


  • うっ滞性皮膚潰瘍

足首の内側辺りの皮膚がえぐれ、赤黒い潰瘍になってしまうもの。下肢静脈瘤の最も重症な合併症です。出血したり、細菌感染のために嫌な臭いがすることもあります。ここまで悪化した場合は、できるだけ早く下肢静脈瘤の根本治療が必要です。


このような合併症は、明らかに下肢静脈瘤と診断がつく患者の約10%に見られるとのことです。

■下肢静脈瘤を治すには?

下肢静脈瘤の治療法は、次の5通りがあります。

1.血管内治療(血管内焼灼術):原因となっている血管をレーザーや高周波で焼く

2.ストリッピング手術:原因となっている静脈を引き抜く

3.高位結紮術(こういけっさつじゅつ):原因となっている血管を縛る

4.硬化療法:枝葉の血管を薬で固める

5.圧迫療法:弾性ストッキングを着用する

血管を焼く、引き抜く、縛る、固める……、何やら怖いイメージを持たれるかもしれませんが、どの治療法も痛みが少なく安全なものです。治療法は単独で行う場合もありますが、組み合わせることも。患者の状態によっては、適応にならない治療法もあるそうです。

■下肢静脈瘤の予防法とは?

下肢静脈瘤にならないための方法として、圧迫療法で用いる弾性ストッキングを着用することが挙げられるそうです。弾性ストッキングで段階的に脚を圧迫すると、静脈が押し縮められて圧迫されるので、血液の逆流が防げます。


加えて、筋肉を引き締めることで滞っていた血液が押し上げられるため、脚から心臓へ戻りやすくなり、静脈血の流れが改善されます。弾性ストッキングを着用して歩くことで、ふくらはぎや足首、土踏まずなどが歩くたびに刺激され静脈血の流れが改善。静脈瘤が進行しにくくなることが期待されるとのことでした。



脚のむくみやだるさ、脚がつるなどでなく、さまざまな合併症を引き起こす可能性のある下肢静脈瘤。若い女性でもなる場合がある病気ですから、普段から運動不足、座りっ放し、立ちっ放しなどに気を付けたり、弾性ストッキングを着用するなどして、予防しましょう。


(中田ボンベ@dcp)

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(マイカラット編集部)