年を取っても豊かなセックスライフを送りたい、と考える女性はどれほどいらっしゃるでしょうか? セックス面で充実していると「若く見える」なんて話もありますね。ただ、更年期になると「性交痛」を感じる女性が増えてくるのです。
記事監修
加藤智子先生
産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)、食生活アドバイザー。女医+(じょいぷらす)所属。
▼詳細プロフィール
■更年期に起こりがちな「性交痛」
更年期になるとセックス時に「性交痛」を感じる女性が増えます。これは、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減少するからと考えられます。
加齢によって卵巣の機能が低下してエストロゲンが減ると、膣が萎縮し、膣粘膜が薄くなります。薄くなることを医学的には菲薄化(ひはくか)といいますが、膣粘膜の菲薄化に伴い、膣分泌液も減少します。外陰部、膣内が乾燥するため、男性器が挿入されると痛みが生じるようになるのです。
■性交痛を解消する方法がある!
性交痛のため、パートナーとのセックスを拒む女性もいらっしゃいます。男性には分からない痛みのため、パートナーに理解されにくい面があります。しかし、それでセックスライフを諦めてしまうのはもったいないかもしれません。
膣分泌液の代わりになる潤滑ゼリーを使用することで痛みがなくなる可能性もありますし、膣に潤いを取り戻すためのエストロゲンの膣座薬といったものもあります。
これは産婦人科医の診察を受けた上で処方されますが、性交痛を解消するためのひとつの方法です。
更年期障害に対する最も有効な手段「HRT(ホルモン補充療法)」もあります。これらによって再びパートナーとのセックスを楽しめるようになるかもしれません。
もし更年期の性生活で性交痛が問題になるようでしたら、産婦人科など専門医に相談して、痛みを解消する方法を見つけましょう。
(高橋モータース@dcp)