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ニキビや赤みに聞くって本当?「グリチルリチン酸ジカリウム」とは

2018.11.26

ニキビや赤みに聞くって本当?「グリチルリチン酸ジカリウム」とは


「グリチルリチン酸ジカリウム」と聞いてピンとくる方がいるとしたら、化粧品成分に相当詳しい方、もしくは既に配合された化粧品を使ったことのある方でしょう。ニキビケア用品やヘアケア用品などに使われている成分なのですが、一体どんな働きをしてくれるのでしょうか。

今回は「グリチルリチン酸ジカリウム」についてご説明します。

<成分がわかりにくい時は分解してみる>

化粧品成分はたくさん種類があって、長いカタカナだらけの名前もよく目にしますよね。今回の成分もそのひとつでしょう。注目すべき効果を持つのは、長い名前の前半部分だったりします。


今回の「グリチルリチン酸ジカリウム」は、「グリチルリチン酸」に「カリウム」がくっついているものです。

どうして「カリウム」がくっついているのか?それは「カリウム」がくっつくことで、本当は水には溶けにくい性質を持っている「グリチルリチン酸」を溶けやすくするためなのです。水に溶けやすくなってくれれば、化粧水などにも配合しやすくなります。


「カリウム」は「グリチルリチン酸」が水へ対応するためのサポート役といえるでしょう。

<グリチルリチン酸はどんな効果があるの?>

「グリチルリチン酸」は漢方にも使われる「甘草(カンゾウ)」の根や茎に含まれている有効成分のひとつです。

「甘草(カンゾウ)」はマメ科の植物で、その根や茎から抽出されたものは古くから生薬として使用されてきました。その歴史はとても古く、日本へは平安時代に中国から持ち込まれたといわれています。

この「甘草」は、解毒作用や刺激を和らげるものとして生薬に用いられてきたようです。昔の人たちがどのようにこの効果を見つけたのかが気になるところですが、平安時代に中国から伝わってきたときには「甘草」は効果のある薬としてかなり有名だったのかもしれませんね。


「甘草」の抗炎症作用は現在でも有名で、「グリチルリチン」として医療現場でも喉の腫れを抑える薬や鼻炎薬などに配合されるなど、治療薬として世界中で使用されています。

化粧品として使われるときには、「抗炎症作用」を目的に使用されることが多い「グリチルリチン酸」ですが、ほかにも大きな特徴があります。

それは“甘さ”です。実は「グリチルリチン酸」は砂糖の約50倍の甘さを持っていて、甘味料としても使用されているのです!



*抗炎症剤って何?

抗炎症とは文字の通り、炎症を防ぐ働きのことです。刺激を受けて炎症を起こしている箇所などに使用することで、炎症を抑える効果が期待できるものです。

皮膚科などで処方される「薬」では「ステロイド」というものが抗炎症剤として有名ですが、化粧品ではこの「グリチルリチン酸」が炎症を抑える力が強いとして配合されています。

<「グリチルリチン酸ジカリウム」が使われている化粧品>

最初にも書きましたが、「カリウム」は「グリチルリチン酸」を水に溶けやすくするためについているものなので、実際の作用は「グリチルリチン酸(甘草)」の効果とほぼ同じといえます。


「グリチルリチン酸ジカリウム」に期待できる作用には

・抗炎症作用

・抗アレルギー作用

などがあります。


抗炎症の力が強いので、あざになる前の炎症を抑えるための商品や、赤いニキビの炎症を抑えるためのケア商品によく配合されています。

ほかにも、肌荒れを防ぎ綺麗な肌を保つための化粧品や、ヘアケア化粧品としてフケや痒みを予防するアイテムにも使用されています。

<毒性はあるの?>

「グリチルリチン酸ジカリウム」を使った場合、肌トラブルが起こることはあるのでしょうか?

肌表面に使用する化粧品の場合、毒性は低く、安心して使うことができるとされています。しかし、もちろん全ての人に安心というわけではなく、一時的に皮膚が赤くなってしまったという報告もあります。使い始めは自分の肌の様子をしっかりと観察しておくと良いでしょう。


また、生薬として飲まれてきた経緯があるように「口から飲む(摂取する)」場合には副作用がありますので注意が必要です。そのため、1日あたりに摂取していい分量が決まっています。あくまで毒性がほぼないのは「肌に対して」ということをしっかり覚えておきましょう。

<終わりに>

大人ニキビに悩む方にとっては、安心して使える化粧品成分「グリチルリチン酸ジカリウム」。肌荒れ予防になる化粧品として、肌のコンディションを整えてくれるのはとても嬉しいことですよね。

ちなみに水に溶けやすくなったものは今回ご紹介した「グリチルリチン酸ジカリウム」ですが、同じような効果で「グリチルレチン酸ステアリル」という、油に溶けやすく作られているものもあります。似た名前を見つけた際に今回ご紹介した効果を思い出していただけたら嬉しく思います。

ぜひ、自分の肌コンディションにあった化粧品選びにお役立てくださいね!

参考文献

化粧品成分用語辞典 2012/ 中央書院

第6版 化粧品成分ガイド/フレグランスジャーナル社

<(社)日本爪肌美容検定協会 講師 / 安藤 道子>