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リウマチの治療法。服薬していても妊娠・出産は可能?リウマチの薬に副作用はある?

2018.11.16

リウマチの治療法。服薬していても妊娠・出産は可能?リウマチの薬に副作用はある?


30代~40代の若い女性に発症することが多いと言われているリウマチ。もし患ったらどんな治療をするの?悪化防止のために日常生活でできることはある? 数多くのリウマチ患者の治療に携わってきた、みらいクリニック院長・今井一彰先生に教えてもらいました。

取材協力・監修



みらいクリニック 院長

今井一彰先生


平成7年、山口大学医学部卒業、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て、平成18年、福岡市博多区にみらいクリニックを開業。関節リウマチ治療の際に口呼吸問題に気付き、口呼吸防止の啓発のため、診療の傍ら全国で講演をおこなう。


▼プロフィール詳細はこちら

https://mycarat.jp/experts/313


▼みらいクリニック 

http://mirai-iryou.com

リウマチは進行を遅らせることが可能。適度な運動も大切

―リウマチを発症したらどんな治療をおこなうのですか?


今井先生:初期には、非ステロイド性鎮痛薬や従来から使われている抗リウマチ薬などが使用されます。現在では様々な治療薬が開発されています。免疫抑制剤が使われることもあります。また、ステロイド剤に加えて生物学的製剤も使われます。生物学的製剤を使う治療は高額になりますが、初期でも進行が早い場合などは、積極的に生物学的製剤が使用されます。


―一度発症したら治らないと言われていますが、進行を遅らせることはできますか?


今井先生:薬や食生活、リハビリなどで進行を遅らせることは可能です。生物学的製剤は、関節変形を改善できることで知られています。また、食事や運動、ストレスマネジメントなど日常生活改善で治癒に至る場合もあります。食事、特に糖質が多い食事だと血液中の炎症反応が上がってしまい、リウマチが悪化することがあります。そのため、血糖値を上げにくい食生活が求められます。


―悪化させないために日常生活においてできることを教えてください。


今井先生:オーラルケア、禁煙、ストレス無理の無い日常生活に加えて、痛みなどで運動不足、筋力不足になりがちなため、運動習慣(スクワットなどの関節にあまり負担のかからないもの)をつけてください。また、風邪など感染症や急な身体ストレス、災害などで悪化することがあるので、よく風邪を引く人、副鼻腔炎、扁桃炎を引き起こしがちな人は予防に努めること。定期的に歯科を受診してオーラルケアに努めることも大切です。


なぜかというと、関節リウマチは「病巣疾患」と言って病気のもととなる喉や口の病気(原病巣と言います)が関節に飛び火してしまったものともとらえることができるので、歯周病治療やオーラルケアがリウマチ治療につながるのです。たとえば歯周病菌は、歯肉のタンパク質を変性させることでリウマチ因子を生み出しますし、リウマチ患者さんの関節の中に歯周病菌の痕跡が見つかることもあります。


また、リウマチと似た状態に「反応性関節炎」がありますが、これはなんらかの関節症がきっかけとなり、関節炎を引き起こしたものなので、扁桃摘出、副鼻腔炎治療で関節リウマチも寛解することがあります。リウマチ発症前から喉や口の病気にかかりやすかった人は、その部位の治療もしっかりとおこなったほうがいいです。


それと、リウマチ患者には糖代謝が悪い人が多いのも特徴です。空腹時の血糖値は正常ですが、精密な糖負荷試験をおこなうとスパイク状の高血糖を示す若年女性がいます。そのような人はGI(グリセミックインデックス)の低い食事を摂ることをおすすめします。


―リウマチの薬を服用中でも妊娠・出産は可能ですか?


今井先生:多くの場合、可能です。免疫抑制剤など、薬によっては妊娠中に飲めないことがありますから主治医と相談して下さい。授乳中には控えるべき薬もあります。また、妊娠中に少し症状が軽くなり、薬を減らせることもあります。


―リウマチの薬にはどんな副作用がありますか?

今井先生:一般的な抗リウマチ薬の副作用は嘔気、嘔吐肝障害など降圧薬などの副作用と大きく変わりません。

「メソトレキセート」には、薬剤性間質性肺炎、白血球減少、リンパ節腫脹などがあります。リウマチ治療薬として画期的なのは生物学的製剤ですが、その反面、副作用の心配もあります。感染症を引き起こしやすくなったり、薬のアレルギーでアナフィラキシーショックを起こしたりすることがあります。


―家族や同僚にリウマチ患者がいる場合、どんなサポートをしてあげるといいですか?


今井先生:関節痛がひどいと「ドアノブを回せない」「ペットボトルの蓋が開けられない」などちょっとした日常動作ができずに不便なことがあります。なかなか本人から言い出せないこともありますから、気をつかってあげられるといいですね。天候などによって体調が大きく左右されることがありますので、見守ってあげることも必要です。出産後の発症であれば、子育てをしながらの治療になりますから、体力・精神的にも大変なので、より周囲の理解や協力が不可欠になります。また、原因がはっきりしない病気である以上、どんな人でもなる可能性があるので、ご自身の予防にも努めてください。食べすぎ、喫煙、運動不足などに当てはまる人は、まずはそこを改善していきましょう。


―ありがとうございました。


症状を悪化させないためには、適切な治療をおこない、生活習慣を正すことがとても大事。自分自身が発症した場合に気を付けるのはもちろん、周囲にリウマチ患者がいる場合にも、しっかりとサポートして一緒に悪化を防いであげてくださいね。


(取材・文/松本玲子)