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年齢肌に有効な「大豆イソフラボン」配合の化粧水を選ぶには「豆乳発酵液」に注目

2018.12.21

年齢肌に有効な「大豆イソフラボン」配合の化粧水を選ぶには「豆乳発酵液」に注目


美容・健康のために「大豆イソフラボン」を積極的に取るようにしている人もいらっしゃるでしょう。大豆イソフラボンは「エストロゲン」に似た作用を持つとされ、俗に「植物性エストロゲン」なんて呼ばれたりします。この大豆イソフラボンを配合した化粧水も出ていますが、より有効性の高い商品を選ぶための「大事なポイント」があるのです。それは、成分が必要な細胞組織に届くものを選ぶということです。

■「イソフラボン」の作用って?

「大豆イソフラボン」はポリフェノールの一種。女性ホルモン「エストロゲン」に似た分子構造があるため「エストロゲン様作用」があるとされています。「エストロゲン様作用」というのは、エストロゲンに似た働きをするという意味です。


「エストロゲン」には、妊娠・出産を可能とするよう女性の体の発育を促し、生理サイクルをつくるなど性的な役割があります。ほかにも、骨・筋肉・毛髪の成長に関わり、また脂質系の代謝をコントロールするなど、女性の体を健康に保つためのキーになるホルモンといっても過言ではありません。


そのため、閉経前後10年といわれる「更年期」(日本人女性の場合は平均45-55歳といわれています)を迎え、エストロゲンの分泌が急に減少すると、「ホットフラッシュ」などの更年期障害の症状が現れるのです。


大豆イソフラボンを摂取すると、更年期障害の症状を緩和する効果があることが認められています。これが前記の「エストロゲン様作用」のひとつの例です。このようなエストロゲン様作用が得られるよう、大豆イソフラボンは健康食品や化粧品に多く使われています。


たとえば化粧水では、肌の「抗酸化作用」を高め、アンチエイジングに役立つよう大豆イソフラボンが配合されています。ただし、効果を発揮するためには大豆イソフラボンが皮膚細胞にまで届かなければなりません。


実は、この「薬効成分を皮膚に浸透させる」というのは、私たちが考えるよりずっと難しいことなのです。

■薬効成分を皮膚への浸透させようとすると……

化粧品だけでなく塗り薬などもそうですが、含まれる有効成分を細胞に届けるには皮膚のバリアーを突破しなければなりません。


一般に「肌」といわれる人間の皮膚組織は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。この「表皮」の最上層にあるのが「角層」です。角層はレンガをしっくいで固めたような頑丈さで、その下のやわらかな細胞組織を守っています。


薬効成分は、この角層を突破して入り込み、さらに下の細胞組織にまで行き渡らなければならないのです。角層の細胞はターンオーバーを行うため、表層から順番に剥がれ落ちていきます。薬効成分が角層にとどまっていたら、やがて細胞とともに落ちてしまい、無駄になってしまうのです。


今回のテーマである「大豆イソフラボン」も同じで、どんなに有効な成分でも角層を越えて下の組織に届かなければ意味はないのです。


角層は、角質細胞(「レンガ」にたとえられます)と細胞間脂質(「しっくい」にたとえられます)からできていますが、角層から下の組織へ入るために、薬効成分が利用できるルートは3つあります。

1. 角質細胞同士の隙間を縫って通るルート(しっくい部分を抜けていくルート)

2. 角質細胞も細胞間脂質も通過するルート(レンガもしっくいも通過するルート)

3. 皮膚組織を縦方向に貫く「汗腺」「毛」の通り道を通るルート


しかし、「3」のルートは皮膚全体に占める割合が「0.1%程度」しかないため(記事末URL参考文献より引用)、非効率的です。薬効成分を皮膚に塗布して、角層より下に届けるためには「1」か「2」のルートを使わなければなりません。


ここで大きな壁が立ちふさがります。「500ダルトン※限界説」です。分子量が500ダルトン以上の大きな物質は「皮膚に浸透・透過できない」のです。大豆イソフラボンはこの壁をギリギリで通過できるのですが、分子量が大きくなるにつれ浸透・透過できる率が下がります。


そこで「アグリコン型の大豆イソフラボン」(「大豆イソフラボンアグリコン」といいます)の登場です。


通常の大豆イソフラボンでは、「糖」が結び付いた分子構造になっています(これを「配糖体といいます)。ここから「糖」が取れると、分子量がぐっと減るのです。


・ダイゼイン型イソフラボン:416.38ダルトン

・グリシテイン型イソフラボン:446.4ダルトン

・ゲニステイン型イソフラボン:432.38ダルトン



上記だと「500ダルトン」にギリギリですが、糖がとれてアグリコン型のイソフラボンになると、


・ダイゼイン:254.24ダルトン

・グリシテイン:284.26ダルトン

・ゲニステイン:270.24ダルトン



となります。「500ダルトン限界説」を楽々クリアできる分子量ですね。


また、角層に深く浸透するためには、脂溶性の高い物質のほうが有利です。これは角層が親油性の高いものであるためです。大豆イソフラボンを含む化粧品でも、皮膚組織にしみ込んで拡散できるように適切な油分(そして水分も)が含まれているはずです。



※「ダルトン」は原子や分子などの質量を表すための単位です。数字が大きくなるほど質量が大きくなります。

データ出典

『e-Gov』「食品中の大豆イソフラボンアグリコン(アグリコン当量)の試験方法」

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000011380

■「アグリコン型の大豆イソフラボン」ががおすすめ

というわけで、同じ「大豆イソフラボン配合」とうたっていても、アグリコン型の大豆イソフラボンが配合されているもののほうが皮膚へ浸透しやすく、効果が高いと考えられます。しかし、「アグリコン型の大豆イソフラボン」が配合されている製品がどれなのか分からないことが多いですね。当然、成分表などを見ても分子量などは記載されていません。


ひとつの目安になるのは「豆乳発酵液の使用」を記載しているかどうかです。発酵という過程を経ることによって大豆イソフラボンはアグリコン型の大豆イソフラボンに変化します。そのため豆乳発酵液を使用した製品については、より皮膚に浸透しやすいアグリコン型の大豆イソフラボンが入っていると考えられるのです。

■まとめ

大豆イソフラボンに「エストロゲン様作用」があることは多くの実験によって確認されています。しかし、化粧水など肌につける製品の場合には、成分が皮膚組織に浸透するように工夫されたものでないと効率が悪いと考えられます。分子量が小さく、肌にしみ込みやすい「アグリコン型の大豆イソフラボン」が配合された製品を選ぶとよいでしょう。「アグリコン型の大豆イソフラボン」と明記されていないことも多いですが、「豆乳発酵液」の使用を記載しているかどうかをひとつの目安にしてみてください。


参考文献・引用元

『YAKUGAKU ZASSHI 132』「ナノ粒子の皮膚浸透性と安全性」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/132/3/132_3_319/_pdf/-char/ja

(柏ケミカル@dcp)