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美白効果のある「ハイドロキノン」は医療用を選ぶべき。その理由とは?

2019.01.21

美白効果のある「ハイドロキノン」は医療用を選ぶべき。その理由とは?


肌のケア、とりわけ美白に気を使っている女性なら「ハイドロキノン」という名前を聞いたことがあるでしょう。最近では、美白効果が高いとしてハイドロキノンを配合した化粧品が注目されていますね。このハイドロキノンとはどのような物質で、どんな働きをするのかご存知ですか? 今回は、ハイドロキノン配合の化粧品や、医療用のものとの違いについてご説明します。

記事監修

桑原香織 先生



皮膚科医。東京医科大学卒業。同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積み、その後は都内皮膚科クリニックに勤務。現在は、一般財団法人中小企業衛生管理協会霞ヶ関診療所の産業医として就労者の健康管理に携わっている。


女医+(じょいぷらす)所属。



▼霞ヶ関診療所

http://www.kasumigaseki.tokyo/

■そもそも「ハイドロキノン」って?

「ハイドロキノン」は実際に美容外科の世界で使われている物質です。日焼けで肌が褐色になったり、しみができたりするのはメラニン色素のせいですが、ハイドロキノンには「メラニン色素を作る細胞(産生細胞)」を減らし、しみなどを漂白する作用があります。


美容外科では、「しみ」だけでなく「肝斑」治療用の外用薬として、「ビタミンC」「トレチノイン」と一緒に用いられることもあります。


ただ、ハイドロキノンがメラニン色素を作る細胞を壊せるのは、その強い毒性によってのことなのです(細胞毒性といいます)。また、このハイドロキノンを長期にわたって使うと「白斑」が生じてしまうことがあります。


美白効果がある半面、細胞毒性が強いため、どのくらいの量・期間使用するのかは専門家による管理と判断が必要です。

■市販の化粧品は「ハイドロキノン」の配合量が少ない

ハイドロキノンの化粧品への配合は、2001年の『薬事法』(現在は『薬機法』)の規制緩和によって行えるようになりました。ハイドロキノンの配合量について『厚生労働省』の「医薬品審査管理課」に問い合わせたところ、「厚生労働省では○mgまでといった形では上限を定めていない」とのこと。つまり、法律上は何mgでも「企業責任」で配合することが可能なのです。


とはいえ、上記のとおりハイドロキノンは副作用のある物質です。化粧品で肌トラブルが起こっては困りますから、化粧品会社は高濃度でハイドロキノンを配合していないのが現状です。その結果、しみを消すほどの効果は市販の化粧品では得られません。美容外科の先生方が「化粧品ではしみが消えたりはしない」と口をそろえておっしゃるのは、


・化粧品に含まれる低濃度のハイドロキノンでは効果がない

・ハイドロキノンの効果を引き出すためにほかの措置が必要


というのが理由です。美容外科で使用される医療用ハイドロキノン配合のクリームは濃度が4-5%以上になっており、これは十分に美白効果があるとされている数値です。また効果を高めるためにたいてい「トレチノイン」という物質と一緒に使用されます。トレチノインがメラニン色素をスムーズに排出し、ハイドロキノンがメラニン色素の産生細胞を抑制するという働きをします。

■真剣に美白効果を狙うなら美容外科?……

30代以上の女性にとって、ハイドロキノンが配合されたクリームは美白用の定番商品でしょう。ただ上記のとおり、市販品の場合にはハイドロキノンの含有比率が低いため、効果がそれほど高いとは考えられません。また、上記のとおり「トレチノイン」を併用するなどして高い効果が期待されるのは美容外科による治療です。「しみ」の場合にも、ハイドロキノンを塗布するよりも、レーザー治療のほうが早くきれいに治せることがあります。


市販のクリームがひとつ1万円以上だとして、それをいくつも購入することを考えると、最初から美容外科の診察を受けたほうが安価に済むというケースもあるでしょう。たとえ高濃度のハイドロキノン配合化粧品を使用しても、「肌がぴりぴりする」「赤くかぶれる」といった副作用が出る可能性があります。このようなケースでも、やはり専門医の診断が必要になります。


繰り返しになりますが、ハイドロキノンは強い漂白効果のある物質です。だからこそ、副作用もあり、化粧品では低い濃度で使われています。しみを消したい、また美白効果を長続きさせたいというのであれば、化粧品に頼るのではなく美容外科を受診し、専門医の指導のもとで医療用の製品について相談したほうがいいかもしれません。


(柏ケミカル@dcp)