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肌の再生力を高める!美容成分「グロスファクター」配合の化粧品を選ぶときのポイント

2019.01.27

肌の再生力を高める!美容成分「グロスファクター」配合の化粧品を選ぶときのポイント


近年、「グロスファクター配合」という化粧品が増えています。この「グロスファクター」はそもそも細胞の成長を促す物質なのですが、医療に使われるだけでなく、アンチエイジング医学の世界でも大きな可能性があるとして注目されているのです。

今回は、「グロスファクター」と呼ばれる成分についてご紹介します。

記事監修


鈴木稚子


東京慈恵会医科大学医学部卒業。

同大学皮膚科学教室、国立大蔵病院皮膚科 臨床研究部を経て、2017年に六本木スキンクリニックを開院。

医学博士 日本医師会スポーツ認定医 日本温泉気候物理医学会 温泉療法医 日本旅行医学会認定医

女医+(じょいぷらす)所属


 

六本木スキンクリニック

https://roppongi-skin.com/

■グロース・ファクターは「成長因子」

化粧品業界では「グロスファクター」と縮めて呼ばれますが、英語では「Growth Factor(グロース・ファクター)」で「成長因子」という意味。略称は「GF」です。


美容業界で最も有名なGFは、「Epidermal Growth Factor(エピダーマル・グロース・ファクター)」で、日本語では「上皮細胞成長因子」と訳されます。また普通は「Epidermal Growth Factor」を略して「EGF」と呼びます。

■「EGF」は美容外科にも用いられる!

「EGF」(上皮細胞成長因子)はタンパク質の一種です。EGFが皮膚細胞(上皮細胞)の表面にある受容体(EGFR)と結びつくと、細胞に対してシグナルが送られ、増殖・成長が起こります。つまりEGFは、細胞に増殖・成長を促すためのカギとなるのです。


興味深いことに、EGFは加齢とともに減っていきます。肌の再生能力が落ち、肌が老化するひとつの要因は、EGFが減少し細胞の増殖が起こりにくくなることにもあると考えられます。そこで、人工的にEGFを補って細胞の増殖・成長を促せば皮膚細胞の再生が起こり、みずみずしい肌を取り戻すことができる……。これがEGFを用いたアンチエイジングの基本的な考え方です。


このEGFは美容外科の世界でも使われています。化粧品のように皮膚に塗布するのではなく、(皮膚に穴を開けるなどして)角層の下の細胞組織にまでEGFを送り込み、上皮細胞の増殖・成長を促すのです。


厚生労働省では「EGF」について、「EGFは糖尿病性足部潰瘍の治療に効果があり、他の医薬品と同様の作用(血管新生促進作用、組織修復作用等により、直接的に皮膚潰瘍の治癒を促進する)を持つと考えられる」としています。


つまり、厚生労働省も「EGFには医療に用いられるような『血管新生促進作用』『組織修復作用』がある」と認めているというわけです。

⇒引用元:『厚生労働省』「2012年7月20日 平成24年度 第1回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ 議事概要」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002kjhr.html

■「FGF」はコラーゲンの増進を狙える

EGFが最も有名ですが、実は美容系アイテムに使われているGF(グロース・ファクター)には非常にたくさんの種類があります。一説によれば「主なものだけでも約30種ある」そうです。その中でも、たとえば「FGF」(Fibroblast Growth Factor:ファイブロブラスト・グロース・ファクター)は、日本でもよく知られており、美容外科でも使われています。FGFは、日本語では「線維芽細胞成長因子」と訳されます。


この「FGF」は、真皮を支える「コラーゲン(膠原線維)」「エラスチン(弾性線維)」などの線維組織の増殖・成長を促す働きをします。これらの線維組織は肌のハリを保つという重要な働きをしていますが、加齢とともに徐々に減少します。年を取ると肌がたるんでくる理由のひとつに、コラーゲンなどの線維組織が若いときと比べて減ってしまうから、という点もあるのですね。


「肌のハリを取り戻すためにコラーゲンを食べよう」という話をよく聞きますが、残念ながらコラーゲンを食べて、必要な部分にコラーゲン組織が増えたという科学的なエビデンスはありません。しかし、FGFを真皮組織に注入すれば細胞の増殖・成長が促されます。そのため「食べる」ことよりも、よほど成果に期待ができるのです。

■科学の進歩で量産が可能に。でも化粧品には注意!

GFはもともと人間の体で働いている物質です。機能も明確ですし、ヒト由来のGFと同じものが作れたら副作用もあまりないと考えられます。そのため、たとえば「EGFと同じものを人工的に作れないか」と研究されてきました。


かつてはヒトの体内に存在するEGFと同じものを作り出すのは困難でした。しかし、バイオテクロノジーの進歩によって、ヒト由来のEGFと同質のものが作れるようになり、化粧品などにも配合されるようになったのです。


最近は「グロスファクター配合」をうたった製品をたくさん見かけるようになりました。ただし気をつけなければいけないのは、どんなGFが配合されているのか、また有効成分であるGFがどのくらい含まれているかです。


たとえば最も有名なEGFの場合でも、ほとんどの化粧品で含有量は分かりません。ですから、EGFが入っているからといってすぐに購入を決めてしまってはいけません。何がどのくらい入っているのかを慎重に見極めることが重要なのです。


(高橋モータース@dcp)