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こまめに耳そうじをする必要はない!?「耳がかゆい」原因って?

2017.07.20

こまめに耳そうじをする必要はない!?「耳がかゆい」原因って?


「耳そうじが好き!」という人はいませんか?カリカリと耳の中をそうじするのはとても気持ちいいものですが、あまりやり過ぎるのは耳に良くないともいいますよね。


今回は、耳に関するトラブルやその原因などを、『宮前平トレイン耳鼻咽喉科』の伊東祐永院長に聞いてみました!

取材協力・監修


伊東祐永院長


日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医。日本耳鼻咽喉科学会、日本小児耳鼻咽喉科学会に所属。


▼宮前平トレイン耳鼻咽喉科

http://miyamaedaira-jibika.com/

■耳そうじのやり過ぎはNG!!

そもそもの話として「日本人は耳そうじをし過ぎている」と伊東院長は指摘します。「耳垢」というのは、耳の中の分泌物とはがれた皮膚が混じり合ったもの。この耳垢は、耳の入り口から鼓膜までつながる「外耳道」を保護したり、細菌が繁殖しないようにするなど、耳にとって非常に大事な働きをしているのです。決してゴミではありません。そのため、耳そうじで耳垢を取り過ぎることは、耳にとっては良くないことなのです。


「取らないでいたら今度は耳垢がたまっちゃうのでは?」と思うかもしれませんが、耳には自浄作用があるので、耳垢は外耳道から自然に外に出るようになっています。なので、耳垢を何度も何度もそうじする必要はないのです。伊東院長によれば、「耳そうじは2~3カ月に1回程度で十分」とのことでした。


もし耳そうじをするとしても、耳垢ができる外耳道の部分だけ。鼓膜に近い骨部には耳垢はできないので、そこをガリガリするのも意味はないとのことです。何度も頻繁に耳そうじをしたり、骨部をガリガリと引っかくことは、耳のトラブルにもつながります。

■耳そうじのやり過ぎでどんなことが起こる?

「耳そうじのし過ぎでどんなことが起こるのか」を伊東院長に聞いてみたところ、まず「耳に必要な成分を取り過ぎることによってかゆみや痛みを引き起こすこと」が挙げられるそうです。前述のように、耳垢は耳の中を保護する役目があるため、それを取り除くことで充血するなど悪い影響が出てしまいます。また、毎日のようにやる人は内部を傷つけて炎症や化膿(かのう)を起こすこともあります。炎症があると耳垢も多くできるため、それを取り除こうとまたしつこく耳そうじをするなど、悪循環に陥ってしまいます。


頻繁に耳そうじをすることで、かえって奥のほうに耳垢を押し込んでしまい、耳の奥をふさいでしまう耳垢栓塞(じこうせんそく)になることもあります。「綿棒」を用いる人もいますが、これも耳垢栓塞を起こすものです。


さらに怖いのが「真菌感染」です。これは耳の中にできた傷に真菌、つまりカビが繁殖してしまうもの。細菌感染の場合は抗生物質で治りますが、真菌感染の場合は有効な薬が少ないため、治療には時間がかかることが多く、なかには数カ月もかかることもあるとのことです。

■「かゆみ」の原因は耳垢だけじゃない?

「耳の中のかゆみ」については、耳そうじのし過ぎだけでなく、アトピーによるものや、アレルギーなど体質によるものである可能性もあります。たとえば「花粉症」がひどい人の中には、耳がかゆくなることもあるのだとか。


また、「耳のかゆみは風邪の前兆」といわれたりしますが、伊東院長によれば「風邪のときには耳がかゆみというよりは痛くなることが多い」そうです。この「風邪の前兆」に関してはあまり正しいとは言えないようです。



頻繁に耳そうじをすることは、こうした多くのトラブルを引き起こすことにもつながります。そのため、「耳そうじをこまめにする必要はない」のです。しかし伊東院長によると、そのことを知ってもしつこく耳そうじがやめられず、耳にトラブルを起こす人は非常に多いそうです。耳そうじは確かに気持ちがいいものですが、耳を大切にしたいのなら、あまりいじらないほうがいいですね。


(中田ボンベ@dcp)