トレーニングをして脚をスリムに美しくしたいと思っても、普段から運動をしない人が急に始めるのは大変です。体に負担が少なく効率的な方法はないものでしょうか。理学療法士でプロトレーナー、アース鍼灸整骨院(千葉県市川市)の仲川豊基(なかがわとよき)院長は、「日ごろ体を動かさない人が脚を美しく引き締めたいなら、『筋膜リリース』を行ってみるといいでしょう」と話します。詳しく聞いてみました。 

取材協力・監修

仲川豊基氏


理学療法士。パーソナルトレーナー。鍼灸師。アース鍼灸整骨院院長。

アース鍼灸整骨院: 千葉県市川市1-24-3パークテラス市川1F

http://earth-seikotsuin.com/

■「筋膜リリース」で体のゆがみを正す

最近よく耳にする『筋膜リリース』という方法について、仲川さんはまず、こう説明します。


「エクササイズは動作が大きいほど運動効率が高くなります。ところが運動不足だと、大きな動作がしづらくなります。その原因のひとつに『筋膜』の状態が考えられます。


筋膜とは、皮膚の下にある筋肉や内臓を包む薄い膜のことです。筋肉の動きに合わせて伸縮するのですが、運動不足や同じ姿勢でいる時間が長いなどだと、縮んだり固まったりして、サランラップのしわのようによれができ、くっつくこともあります。


骨盤やけんこう骨など、普段は動かすことが少ない関節や筋肉の周りは特にその現象が起こりやすくなります。するとそれらの部位の可動域が制限されるため、体のゆがみにつながります。


そこで、筋膜をほぐして伸縮を正常に戻す『筋膜リリース』というストレッチを行います。体のゆがみを正してさらにエクササイズの効率を高めるので、運動が苦手な人が脚を細くして美脚ラインを目指す場合に適した方法と言えるでしょう」

■ふとももの外、裏、内側の筋肉を引き締める

筋膜の役割が分かったところで、次に仲川さんに、「筋膜リリース美脚エクササイズ」を教えてもらいましょう。


「ご紹介する3つの筋膜リリースのポイントは、美脚づくりにはかかせないふとももの筋肉3か所に集中して働きかけることです。筋肉への作用を効率化するために、息を吐きながら行ってください。全部で2・3分でできるので、1日に2・3セットを実践しましょう」



(1) 体側バランス伸ばし‥‥‥ふとももの外側の筋肉を引き締める


床に立ち、左右の脚が直線状になるように右脚を体の前に出し、幅40~60㎝ほどの間隔で左脚を後ろに引きます。右の膝(ひざ)は軽く曲げましょう。


次に、右に上半身を倒し、左腕を頭上から右側に曲げて全身のバランスをとって15~30秒キープ。左ふとももの外側の筋膜リリースと右脚の筋肉に働きかけます。


慣れてくると、後ろ脚を置く位置を、さらに内側に寄せると負荷が強くなります。反対側も同様に行いましょう。


(2) 前方上体倒し‥‥‥ふとももの裏とおしりの筋肉を引き締め、背中を伸ばす


床に四つん這(ば)いになり、そこから手を着いたままで両方の脚の膝を伸ばし、腰を上げます。おしりを頂点に体で三角形を作るイメージです。


この体勢で15~30秒ほどキープ。慣れるまでは少し膝を曲げてもよいでしょう。


顔は自分のふとももを見るように内側に向けると、筋肉への刺激が強くなります。ふとももの裏側、ふくらはぎの筋膜に働きかけ、同時に、背中の筋肉を美しく伸ばすエクササイズです。

(3) 開脚前方上体倒し‥‥‥内ももの筋肉と腹筋を強くする


四つん這いのポーズから、脚だけを開きます。膝をまっすぐに伸ばすのが理想ですが、難しければ膝を曲げたままでもかまいません。この体勢で10~15秒キープ。


慣れてきたら、体勢を変えずに腕の力を使って手で3~5歩進み、次に元の位置に戻って10~15秒キープしましょう。


内ももと腹筋の筋膜は相互に作用します。こうして両方の筋膜に働きかけることで、内ももの筋膜リリースが効率化します。


最後に仲川さんは、この筋膜リリースを継続するコツについて、次のようにアドバイスを加えます。


「まずは、筋肉がスムーズに動くようになったと体感することを目標にしてください。体を動かすことが苦手な人も、関節や筋肉の変化を実感するとやりがいを覚えるようになり、続けようという気持ちに変化していくでしょう」


筆者は1日3セットを1週間続けたところ、確かに歩幅が少し広くなり、ふとももの裏の筋肉が伸びるようになりました。日常の歩行時でも、筋肉への刺激で脚が引き締まりそうで、継続へのモチベーションにもなりました。一度試してみてください。



(取材・文 小山田遥/ユンブル)