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ヨーグルトやバナナって効果あるの?便秘の原因と対策

2017.03.05

ヨーグルトやバナナって効果あるの?便秘の原因と対策


厚生労働省が行った有訴者(病気や怪我の自覚症状のある者)率調査(平成25年度) によると男性の26%、女性の49%もの人が「便秘」で悩んでいるそう。(※記事末のURLを参照)「たかが便秘」と放置してしまいがちですが、おいしくご飯が食べられなかったり、急な腹痛に襲われたり、オナラの回数が多くなってしまったり……。できることならスッキリ出したいものですよね。


そこで今回は、『クリントエグゼクリニック』の近藤慎太郎医師にお話を伺いました。

取材協力・監修

近藤慎太郎医師。


医療法人穆心会 クリントエグゼクリニック医師。東京大学医学部大学院卒業。日赤医療センター、東京大学病院、山王メディカルセンター内視鏡室長を経て、現職。専門は消化器内科、消化管内視鏡、予防医学。講演とブログを通じて医療、特にがん検診についての解説、普及する活動を行なっている。


▼クリントエグゼクリニック http://www.clintexe.org/

▼医療のX丁目Y番地 http://blog.medicalxandy.com/

■そもそも、便秘とは?

――「3日間、出なかったら便秘」とか「毎日、快便が望ましい」と言いますが、便秘に定義はあるのでしょうか?



近藤医師 「何日出ないと便秘」といった定義はありません。出ない期間が長い場合はもちろんですが、「定期的に出しているけどスッキリしない、残便感がある」場合も便秘といえます。「3日」も、ひとつの目安程度にとらえるといいでしょう。


むしろ、「毎日、出さなきゃダメなんだ」と考えるほうがストレスになり、便秘につながってしまうかもしれません。


……と、いうのも大腸は自律神経が支配しているからです。もちろん便秘には、運動不足や栄養バランスの乱れ、腸内細菌の問題なども関与しますが、自律神経がうまくはたらかないことも大きな要因の一つです。気持ちがダイレクトに影響してしまうんです。


「過敏性腸症候群」といった病気もありますが、これはストレスで腸の動きがおかしくなり、下痢や便秘になるものです。最近は本当に、この症状で病院にいらっしゃる患者さんが多いですね。


――そうなんですね。私自身は3日で出ればかなり快便なほうでして、子供の頃から便秘に悩まされています。この場合は、体質的なものでしょうか?


近藤医師 子供の便秘というのは実は結構多いです。いきむ力が弱いことが理由のひとつでしょう。力が弱くて押し出せず、便秘になる。そうすると排便の際に強い痛みが伴います。子供は特に痛い思いをするのを怖がりますから、排便が怖くてガマンしてしまい、また便秘を引き起こす。こういった悪循環になることもあります。


また、長年、便秘を繰り返していると次第に腸が長く、太くなるため、さらに便秘になりやすくなる可能性もあります。


大人の場合には単純な便秘だけではなく、糖尿病や甲状腺機能低下症、大腸がん、神経系の病気が隠れていることもあります。「便秘」は、ありふれた症状ではありますが、放置していいものではありません。本当に便秘がひどい人は、一度、医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

■女性に便秘で悩む人が多いのはなぜ?

――女性の多くが「生理前に便秘になった」経験があると思うのですが、子宮と腸は何か関係があるのでしょうか?


近藤医師 おそらく子宮そのものというよりは、ホルモンのバランスの影響でしょう。ただしこれには個人差があって、便秘する人もいれば、下痢する人も結構いるようです。


――なるほど。生理痛で腹筋に力が入れられないことが理由なのかと思っていました。


近藤医師 それもあるかもしれませんね。そもそも、女性は男性に比べて腹筋が弱いので、月経前に限らず排便がしづらいのではないでしょうか。


ただ、注意してほしいのは「便秘による腹痛かと思っていたら、子宮や卵巣といった婦人科系の疾患による痛みだった」という可能性もあるということ。便秘の痛みであれば、排便すればスッキリするはずですから、もし排便しても下腹部の痛みが続くようであれば、婦人科で相談してみるといいでしょう。


――確かに、胃と腸は痛みの違いが分かりやすいですが、子宮や卵巣と腸は位置も似ているので区別しづらい気がします。


近藤医師 そうですね。とはいえ、便秘で胃のあたりが痛くなることもありますよ。腸はお腹のなかをぐるっと回っているので、どこが痛くなってもおかしくないんです。どちらにせよ、排便があれば便秘の痛みはなくなるはずですが。

■便秘の解消法とは?

――その「排便がなかなかできない」からツラいんですよね。便秘のときは「牛乳を飲むといい」と聞きますが、これって本当に効くのでしょうか?


近藤医師 体質による個人差もありますが、牛乳やヨーグルトは腸内環境を整えてくれるもの。「ふだんから摂取すること」に意味があります。お通じもスムーズにしてくれる可能性はありますが、直接的に「便秘解消につながる」とはいえないのではないかと思います。


なかには「乳糖不耐症」といって、乳製品がうまく分解できずに下痢を引き起こしてしまう人もいるので、そういう人にとっては効果的といえるのかもしれませんが。


同じく「便秘に良い」とされる代表的なものに、バナナなどの果物がありますね。腸まで水分を保持する食物繊維が豊富なので、こちらもふだんから摂取するようにするといいでしょう。


――では、便秘でお腹が痛いときはどうしたらいいのでしょう。


近藤医師 いわゆる「のの字マッサージ」、お腹をさするようにするマッサージですね、これはいいと思いますよ。特に、S字結腸と呼ばれる部分(左下腹部、脚の付け根に近いあたり)は、ヘアピンカーブのようになっていて便が詰まりやすいので、揉み解すように押してあげるといいでしょう。日常的に押してあげると、より良いと思います。


また、ツラいときは市販の便秘薬を上手に取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか。


――下剤を飲みすぎるとクセになる、と聞くので頼るのは少し怖いのですが……。


近藤医師 それは薬がクセになるというよりは、便秘がクセになってしまっている状態なんだと思いますよ。あとは精神的に頼りすぎているとか。副作用など、体への影響はほとんど気にしなくていいと思います。


便秘薬は大きく分けて、腸のぜんどう運動を促して排便させるものと、酸化マグネシウムなど便を柔らかくし排便を促すものの2種類があります。特に体に害を与えるものではありませんので、あまり気にしすぎる必要はないのではないでしょうか。もちろん、必要最小限にしたほうがいいとは思いますが。


あとは、排便を促すのであれば洋式より和式トイレのほうがおすすめです。角度的に、前かがみのほうがいいんですよ。洋式トイレを使うにしても、少し前かがみになったり、足を台に乗せたりすると出しやすいと思います。


――そうなんですか!あまりに出なくて、トイレで前かがみになって祈ることはよくありますが、あれって意外と効果的だったんですね。


ちなみに、子供の頃「下痢ツボ!」と言って頭の頂点を押すのが流行ったんですが、ここを押すと本当に下痢になるんですか?「2回押すと下痢が治る説」もありました。


近藤医師 それはまぁ……、どうでしょう。試してみてはいかがでしょうか。とりあえず、2回押しても治らないとは思いますけど。


――ですよね……。100人の下痢ツボを押して何人が下痢になるのか、要調査ですね。教えていただきありがとうございました!


***


「たかが便秘」ですが「されど便秘」です。気にしすぎるのも悪影響かもしれませんが、あまりにひどい便秘が続いている人は、一度きちんと医療機関で相談してみるといいのではないでしょうか。思わぬ病気が隠れていたり、意外な解決策が見つかったりするかもしれませんよ。



(取材・文 うさぎ)


※参考

平成25年 国民生活基礎調査の概況

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html

↑近藤医師の著作『がんで助かる人、助からない人』(旬報社)

●便秘薬を上手に取り入れる

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