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生理じゃないのに下腹部が痛い!原因として考えられるのはどんな病気?

2017.08.24

生理じゃないのに下腹部が痛い!原因として考えられるのはどんな病気?


生理中でも生理前でもないのにおなかが痛い。でも、下痢や便秘の痛みとはちょっと違う気がするし、何が原因かわからない……。そうなると、悪い想像が膨らんでどんどん不安になってしまいますよね。不調を感じたときは、もちろんすぐに医者に診てもらうのが一番ですが、痛みが治まると一時的なものだったんだろうと思い込んだり、仕事を優先して診察の時間を捻出しなかったりという人もいるのでは……?


今回は、産婦人科専門医兼医学博士としてご活躍の遠藤周一郎先生に、下腹部痛の原因として考えられる病気について教えてもらいました。

取材協力・監修


遠藤周一郎医師


臨床研修医時代、緊急帝王切開によって母児ともに助かったお産を目の当たりにしたことで産婦人科の分野に強い興味を覚え、2008年、産婦人科の門を叩く。大学院では、特に現在臨床的に明らかとなっていない男性不妊症について研究をおこない博士号を取得。順天堂大学附属浦安病院で10年間の臨床経験を積んだ後、自らの育った我孫子で開業。また、大学院時代から続けているブログ「産婦人科医きゅーさんが本当に伝えたい事」でアメブロ公式トップブロガーに認定され、2016年には、『産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと』(KADOKAWA)を上梓している。


遠藤レディースクリニック

http://endoclinic.mamacaremail.info/index.html


産婦人科医きゅーさんが伝えたい事

http://ameblo.jp/kyusan0225/

■下腹部痛の原因って?


―生理中または生理前後じゃないのにおへそより下の下腹部が痛い場合、どこに病巣がある可能性がありますか?


遠藤先生 子宮、卵巣といった女性生殖器に病巣があることが考えられます。特に恥骨付近の、下腹部でも下方が痛む場合は婦人科関連の疾患の可能性が高いです。また、大腸、小腸といった外科領域も可能性として考えられます。


―痛む場所や症状からどこが悪いか自己判断できない場合、まず受診すべきは何科ですか?


遠藤先生 一概には言えませんが、婦人科を受診すれば、「経腟超音波」という腟から挿入するタイプの超音波検査によって子宮・卵巣の異常はほとんど判別できますし、膀胱や腸管も一部確認可能です。さらに、腹腔内に水が溜まる腹水や腹腔内の出血なども診断できるので、多くの情報を得ることが可能です。


―特に女性の場合、疑ったほうがいい病気はどんな病気でしょうか? 病名と、特徴的な症状について教えてください。


遠藤先生 婦人科疾患で月経に関連しない痛みの場合、多いのは「卵巣のう腫」(=なんらかの原因で卵巣が大きく腫大する病気)に関連する疾患です。のう腫が破裂して中身が腹腔内に漏れてしまう卵巣のう破裂や、のう腫がおなかの中で捻れてしまう「卵巣のう腫茎捻転(けいねんてん)」という病気では、強い腹痛を認めます。


これらの病気は、あまり我慢しすぎて治療が遅れると、最悪の場合、卵巣を摘出しないといけなくなる可能性もあるため早めに病院を受診してください。また、排卵前後や性交渉後に、卵巣の一部が避けて腹腔内に出血が溜まる「卵巣出血」という疾患もあります。さらに、子宮や卵巣に感染を起こしてしまう「骨盤内炎症性疾患(PID)」という病気も、女性なら誰でも発症する可能性があります。いずれも、「腹膜刺激症状」と呼ばれる強い痛みが出現してかがまないと耐えられなかったり、歩くたびにおなかに響くような痛みを認めたりしますので、早めに受診しましょう。

■どんなことに気をつければいい?


―婦人科系の病気を経験すると不妊が心配になる女性は多いと思いますが、病気を治療したあと気を付けるべきこと、もしくは再発予防や発病予防のためにどんなことを心掛ければいいか教えてください。


遠藤先生 子宮内膜症や子宮筋腫などは、将来的に不妊症に関連する可能性もある病気です。しかし、ご本人の年齢や妊娠希望の時期、病気の状況によって対応は様々です。まずはかかりつけ医を見つけて、自分のライフスタイルと病気の治療方法についてしっかりと相談することが大切です。


もちろん、定期的な経過観察や術後の再発チェックも継続してください。再発予防・発病予防については絶対的なものは無いのですが、少なくとも生活習慣を改善することは、将来の妊娠にも有利に働きます。体重の急激な増減や生活サイクルの崩れは月経不順につながりますし、喫煙は種々の婦人科疾患を増悪させますし、妊娠率の低下と流産率の上昇にも関連しています。


また、最近は女性の社会進出や食生活の欧米化により、栄養バランスのよい食事を摂れている女性がかなり少なくなっています。サプリメントを併用しながらでもよいので、栄養バランスを整えることも有効です。


―そのほかに、下腹部痛について女性が知っておいたほうがいいことがあれば教えてください。


遠藤先生 婦人科関連の疾患による下腹部痛は、月経痛以外は上記で説明した比較的緊急性が高いものが多いですが、逆に子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)や卵巣がんでは下腹部痛が出現することは非常に稀です。これらの病気を早期発見するためには、定期的に子宮がん検診を受診することが大切です。


―ありがとうございました。


痛みが出てから病院に駆けつけるだけでなく、定期的に検診を受けることやバランスのよい食生活を心掛けることもとても大切。日ごろからきちんと自分の身体と向き合うことで、将来かかるかもしれない疾患を防ぐこともできるので、たとえ今は元気だとしても、健康に対する意識をしっかり持ってくださいね。


(取材・文 松本玲子)

●排卵痛かも?と思ったら基礎体温をチェック!



生理ではないのに下腹部が痛い場合、排卵痛や卵巣出血の可能性もあります。これを判断するには「排卵日」を知ることが大切なのですが、生理周期はわかっていても排卵日はあまり意識していない……、なんて女性も多いかもしれませんね。


排卵日は、基礎体温から調べられます。ぜひ基礎体温チェックを、毎日の習慣にしましょう。(マイカラット編集部)

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●生理直前の痛みには?



生理前後の腹痛やお腹が張る…といった症状には、漢方などの市販薬が用いられることもあります。


小林製薬の『【第2類医薬品】命の母ホワイト 180錠』は、「女性の生理の不調を改善し、女性のからだを正しい状態にする医薬品」とのこと。医療機関を受診するほどではないけど、生理前後の腹痛が気になる……、なんて方は試してみてはいかがでしょうか。(マイカラット編集部)

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