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放置するとどうなる?子宮筋腫の治療法

2017.08.29

放置するとどうなる?子宮筋腫の治療法


あまり大きな自覚症状がなく、健康診断などの婦人科検診の際に見つかることも多いという子宮筋腫。気づかずに放置してしまった場合、いったいどうなるのでしょうか?今回は子宮筋腫の診断・治療法について産婦人科医の山下守先生に伺いました。

取材協力・監修

山下守先生


医学博士。医療法人葵鐘会理事長。名古屋大学医学部を卒業後、稲沢市民病院産婦人科、名古屋大学病院産婦人科に勤務。2007年、医療法人葵鐘会を設立し、理事長に就任。周産期、婦人科腫瘍、麻酔科を専門とし、日本産婦人科学会認定専門医、母体保護指定医、麻酔認定医として国内外で広く活躍。


http://www.kishokai.or.jp

■子宮筋腫があると診断されたら…?

子宮筋腫は30歳以上の女性では2〜3割程度の割合で見られる良性腫瘍です。女性ホルモンに影響しているため、閉経後には小さくなっていきます。場所や年齢によっては様子を見る場合も。大きさや位置、年齢などを考慮して、医師と相談して治療方針を決めましょう。


子宮筋腫自体は命に関わる病気ではありませんが、まれに「子宮肉腫」という悪性腫瘍がある場合があります。子宮筋腫ともよく似ているため、筋腫が見つかった場合には、その疑いをまず排除してから、治療方針を決めましょう。

■具体的な治療法は?

経過観察(無症状)ということも多いのですが、子宮筋腫を切除する手術と、薬の投与で対処します。


まず大きな筋腫の場合には手術では子宮を取ってしまう「子宮全摘術」と、筋腫だけ取る手術「筋腫核出術」があります。将来子供がほしい人や子宮を残す希望の強い人は筋腫だけ取る手術を実施します。最近ではこれらの手術に腹腔鏡を使って行う施設も増えてきました。


筋腫は女性ホルモンに依存しますので、薬の治療では閉経状態にしてしまう「偽閉経療法」が行われます。


治療薬に点鼻薬、注射薬がありますが、この治療では女性ホルモンの分泌が少なくなるので更年期様の症状が出たり、治療初期には不規則な出血を認めたりすることもあります。ただし、治療を中止するとすぐに元の大きさに戻ってしまいます。したがって手術前に一時的に筋腫を小さくするために使用するか、閉経に至るまでの一時的治療として行われます。


また、ピル(経口避妊薬)の使用も有効です。現在のピルは女性ホルモン量が少ないので筋腫が大きくならず、月経に関する症状が楽になり、更年期様の症状もありません。ただし、いつまで続けるのかが問題となります。


そのほかに子宮を栄養する血管を塞いで小さくする治療法「子宮動脈塞栓術」もあります。


これらの選択肢の中から、年齢、症状の程度、妊娠の希望の有無など、さまざまな条件を考慮して治療の必要性や方法を決めます。

■予防することはできる?

子宮筋腫にこれといった予防方法はありません。産婦人科医からのアドバイスとしては、子宮筋腫の場合は無症状なケースも多いので、年1回の定期的な子宮がん検診を受けるようにしましょう(たいてい市町村の補助があります)。筋腫が小さければ治療の負担も少なくなる可能性があり、反対に放置すれば筋腫以外の病気も合併することもあります。


症状が何もなくても、定期的に受診することをおすすめします。

(取材・文 マイルスタッフ)