子宮内膜症は、生理のある女性の10%が患っているとされています。不妊につながる可能性もあるため、なるべく早期発見、治療することが大切です。


そこで今回は、子宮内膜症のセルフチェックポイントについて、近畿大学医学部附属病院臨床研究センターにて講師を務める病理専門医の榎木英介先生に伺いました。

取材協力・監修

榎木英介医師


東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業後、大学院博士課程まで進学するも、進路の方向転換を決意して神戸大学医学部に学士編入学。卒業後は病理医となり、兵庫県内の病院に勤務した後、現在は近畿大学医学部附属病院臨床研究センターで講師を務める傍ら、若手研究者のキャリア問題や医療のあり方を考える活動をおこなっている。「博士漂流時代」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)にて科学ジャーナリスト賞2011受賞。近著は『医者ムラの真実』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『嘘と絶望の生命科学』(文春新書)など。


科学政策ニュースクリップ(official site)

http://d.hatena.ne.jp/scicom/

■子宮内膜症のセルフチェックポイント

・月経にともなう激しい痛みがある

・月経時、痛み以外に吐き気や頭痛などの症状が現れることがある

・生理痛が以前よりひどい

・経血量が多く、月経期間が長い

・月経前後、おなかに膨張感がある

・月経時以外にも下腹部に痛みがある

・下腹部の痛みが1週間以上続いている

・下腹部に違和感がある

・排便時、肛門より少し奥まった箇所が痛い

・性交時、膣の奥に突き上げるような痛みがある

ひとつでも当てはまるものがあれば、すぐに受診してください。


また、「【医師に聞いた】子宮内膜症を発病すると、どんな症状が現れる?」内のグラフも併せて参照するとよいでしょう。

■子宮内膜症を防ぐには?

―子宮内膜症を防ぐコツはありますか?


榎木先生 原因不明なので防ぐのは難しいです。悪化させないためには、月経周期を乱さない規則正しい食生活、適度な運動、などを心掛けるといいでしょう。


―婦人科検診などはどのくらいの間隔で受けたほうがよいか教えてください。


榎木先生 具体的な症状があるときに受診したほうがいいのはもちろんですが、職場の検診などの機会は積極的に利用して、気になることを相談してみるのがいいと思います。

■再発の可能性はある?

―検診の結果、子宮内膜症が見つかった場合は治療を受けることになると思うのですが、手術によって取り除いてしまえば再発する恐れはありませんか?


榎木先生 身体中に子宮内膜症の病巣があるなら、たとえば片方の卵巣のチョコレートのう胞を取り除いても、もう一方の卵巣に再発してしまう場合があります。再発を繰り返してしまう場合、ホルモン療法をおこなうことになります。


また、子宮内膜症は再発を繰り返しやすい病気なので、手術後に自覚症状がない場合も、定期的に検診することをおすすめします。再発時に、一度目の発症時と同じ痛みに襲われるとも限らないので、痛みの種類が異なる場合も必ず受診するようにしてください。


―ありがとうございました。



「重たい生理痛に長年悩まれている」「なかなか妊娠できない」などの悩みがある人は、まずは病院の受診を検討してはいかがでしょうか? 幸いにも子宮内膜症が見付からなくても、悩みを解決する糸口はきっと見えてくるはず。また、今のところは気になる症状がないという人も、定期的に検診を受けるなどして、ぜひ健康を維持することを心掛けてくださいね。

(取材・文 松本玲子)