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生理じゃないのに、出血!?不正出血があった場合、考えられる原因とは?

2017.08.31

生理じゃないのに、出血!?不正出血があった場合、考えられる原因とは?


生理予定日はまだ先なのに性器から出血があったら、とても不安な気持ちになりますよね。なにか病気の可能性はあるのでしょうか……?今回は、不正出血があった場合どのような原因が考えられるのかについて、産婦人科専門医兼医学博士としてご活躍の遠藤周一郎先生に伺ってきました。

取材協力・監修

遠藤周一郎医師


臨床研修医時代、緊急帝王切開によって母児ともに助かったお産を目の当たりにしたことで産婦人科の分野に強い興味を覚え、2008年、産婦人科の門を叩く。大学院では、特に現在臨床的に明らかとなっていない男性不妊症について研究をおこない博士号を取得。順天堂大学附属浦安病院で10年間の臨床経験を積んだ後、自らの育った我孫子で開業。また、大学院時代から続けているブログ「産婦人科医きゅーさんが本当に伝えたい事」でアメブロ公式トップブロガーに認定され、2016年には、『産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと』(KADOKAWA)を上梓している。


遠藤レディースクリニック

http://endoclinic.mamacaremail.info/index.html


産婦人科医きゅーさんが伝えたい事

http://ameblo.jp/kyusan0225/

■不正出血の原因とは?

―生理じゃないのに出血する理由についてお伺いしたいのですが、まず、性行為の際に出血した場合はどんな理由が考えられますか?


遠藤先生 物理的な刺激による出血の可能性もあります。子宮の出口である子宮頸部自体も刺激で出血したりしますが、稀に腟壁が裂けて出血することもあります。この場合、出血量が多いと縫合が必要になることもありますので、鮮血が持続して認められたら、我慢せず病院を受診してください。


―では、月経と月経の間の時期に出血する場合はどんな原因が考えられますか?


遠藤先生 排卵出血であることが多いです。排卵出血とは、エストロゲン(=女性ホルモン)とプロゲステロン(=黄体ホルモン)というふたつのホルモンのバランスが一時的に崩れることによって起こります。


このふたつのホルモンは身体の中でどういう働きをしているかというと、エストロゲンは子宮内膜の厚みを増殖させるために働き、プロゲステロンは厚くなった子宮内膜の構造を保つために働いています。


しかし、排卵期にホルモンバランスが崩れると、子宮内膜が剥がれて出血することがあります。毎回の生理間のおおよそ同じ時期に出血が起こる場合や、排卵痛と並行して出血が起こる場合などは、排卵出血の可能性が高いです。しかし、もちろんそうでない可能性もあるので、定期的に子宮がん検診を受けておくことが大切です。


―月経前に少しずつ出血が始まる場合は、どんな原因が考えられますか?


遠藤先生 排卵出血に関与しているエストロゲンとプロゲステロンは、月経直前に急激に産生量が減ります。そうなると、子宮内膜が剥がれて出血が起こります。そのため、月経による出血が本格的に始まる前に少量の出血が見られるケースもあるのですが、月経周期が規則的であれば問題がないことが多いです。


―出血が何日も続く場合、どのような原因が考えられますか?


遠藤先生 原因は様々ですが、ひとつとして破綻出血の可能性が考えられます。


さきほどお話したように、エストロゲンとプロゲステロンはバランスを保っていることが大切です。しかし、排卵がうまく起こらず、排卵が正常に起こった後に産生されるプロゲステロンが産生されないと、エストロゲンのみ産生される状態が続いて子宮内膜が厚くなる一方になります。そうなると内膜の一部が剥がれて定期的に出血してしまう「破綻出血」が起こります。イメージとしては、ユルユルのプリンの一部が崩れてしまうような状態です。


生理不順のほとんどの方が、このように排卵がうまく起こらず破綻出血を引き起こしているのですが、もともと月経間隔が不定期という方は、破綻出血を生理の出血と勘違いしてしまう場合があるため、月経不順がさらに悪化したり、子宮内膜の細胞に異常が生じる子宮内膜増殖症や子宮体癌を発症したりすることがあるので注意してください。

●破綻出血参考記事

http://ameblo.jp/kyusan0225/entry-11223634638.html

―大量の出血ではなく、おりものが茶色く汚れている程度の場合も不正出血があったということでしょうか?


遠藤先生 基本的には不正出血と考えて構いません。


―ストレスなど精神的な要因が不正出血を引き起こすこともあります?


遠藤先生 月経に関するホルモンのやりとりは、卵巣と脳下垂体の間で起こっています。脳下垂体は自律神経やストレスを感知する視床下部に近い場所にあるため、種々のストレスとも深く関連しています。精神的なストレスはもちろん、睡眠時間や食生活の乱れ、体重の増減など、生活習慣や身体の変化が月経不順や不正出血につながることはとても多くあります。

■不正出血を防ぐには?

―不正出血を防ぐためにはどんなことに気を付ければいいですか?


遠藤先生 先ほど説明した通り、月経の乱れが不正出血につながるケースが非常に多いです。特に近年は生活リズムや食生活、運動不足や運動過多など、様々な要因が身体のストレスにつながって正常な月経ではなくなることも多いので、一度自分の生活習慣とストレスに向き合っておくことが大切です。もちろん、不正出血の原因が癌や前癌病変である可能性もあるので、定期的な子宮がん検診受診は欠かせません。


―ありがとうございました。



出血が少量の場合や一時的な出血の場合も、不正出血であることにはかわりなし! ちょっとだから大丈夫と放っておくことなく病院を受診することに加え、日ごろから、生活習慣の乱れやストレスにもきちんと目を向け、少しずつでも改善することも心掛けてくださいね。


(取材・文 松本玲子)


↑遠藤先生の著作『妊娠・出産を安心して迎えるために 産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと』(KADOKAWA)

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