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「女性の薄毛」の原因と治療法

2017.09.07

「女性の薄毛」の原因と治療法


「薄毛」は男性だけではなく、もちろん女性にも起こりうる問題です。ところで、そもそも毛が薄くなるのはどうしてなのでしょうか?また、最近は専門のクリニックも見かけるようになりましたが、どのような治療をするのかも気になりますよね。今回は、植毛・育毛AGAなど毛髪医療を行っている『親和クリニック』の音田正光総院長に、女性の薄毛治療について聞いてみました!

取材協力・監修


親和クリニック 音田正光総院長


大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は約1,000例超、その後もっぱらFUE手術を行う。FUE手術の症例数は約2,000例に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。得意な自毛植毛手術は、ハイスピードメガセッション、Super Dense Packingによる高密度移植、女性型脱毛症の治療、フェイスリフト傷跡への毛髪移植手術、フェイスリフト後のもみあげ変形の修正術。


親和クリニックのHP

https://shinwa-clinic.jp/

■髪の毛が薄くなってしまう原因は?


まず「髪の毛が薄くなってしまう原因」について聞いてみたところ、薄毛の原因となるのは「男性ホルモン」なのだそう。男性ホルモンは「ジヒドロテストステロン」という物質に変化するのですが、このジヒドロテストステロンが毛を作る毛乳頭細胞に影響すると「毛が成長しなくなってしまう」のです。


健康な髪だと6~7年は伸び続けるのですが、ジヒドロテストステロンの影響を受けると、数週間から数カ月という短いサイクルで寿命を迎えてしまいます。そうした早いサイクルで生え変わることで、最後は見えないくらいに薄く細くなってしまうのです。髪の毛がたくさん抜けて薄毛になってしまうと思っている人も多くいますが、正確には「ジヒドロテストステロンによって髪の成長が止められ、十分に発達しないまま生え変わり、次第に細く薄くなっていく」ことで薄毛になるのです。これが薄毛になるプロセスです。


男性の場合、ほとんどがこのジヒドロテストステロンの作用によるAGA(男性型脱毛症)。しかし女性でも、ストレスや加齢などによって体内のホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが増え、ジヒドロテストステロンに変化します。その結果、男性と同じように薄毛になってしまう人が多いのだそうです。このように、女性が男性ホルモンによって薄毛になることをFAGA(Female AGA:女性男性型脱毛症)といいます。


また、薄毛は遺伝的要因が強く、ジヒドロテストステロンに対する感受性が高い人は薄毛になりやすく、そうでない人は薄毛になりにくかったりします。人によって薄くなる、ならないの差がありますが、それはこうした理由からなのです。

■FAGAの見分け方


では、薄くなってしまった髪の毛を治療したい場合、クリニックではどんな処置が行われるのでしょうか?音田先生によると、「まず大事なのは薄くなってしまった原因を特定すること」なのだそうです。女性の薄毛の多くはジヒドロテストステロンによって髪の毛が薄くなってしまうFAGAですが、まれに別の原因で薄毛になることがあり、その原因というのはまだ解明されていません。


FAGAかそうでないかを見分ける方法として、後頭部と側頭部の毛に注目する方法があります。実はFAGAの場合は、この2カ所の毛は影響を受けないのです。つまり後頭部と側頭部の毛は薄くなっていないのに、頭頂部など、ほかの部分の毛が薄くなっている場合はFAGA。後頭部と側頭部の毛も薄くなっていたら、それ以外の理由と推測されます。


FAGAであるならば、男性と同じ薄毛治療を行うことで、薄毛の改善が期待されるとのことでした。もしFAGAではないと判断された場合は、皮膚科などを紹介してまた別の治療を受けてもらう、あるいは薬を何カ月か飲んでもらって、改善するかどうかを見るなどの方法があるようです。

■薄毛の治療法1:薬の処方

FAGAと判断され、まだ地肌が見えていない程度の場合は、薬の処方での治療が行われることが多いそうです。薬は飲み薬と塗り薬の2種類があり、可能ならばどちらも併用するのが良いとのこと。少しずつ毛が太くなり、ハリも出てくることが期待されるとのことです。


ただし、飲み薬の効果は飲んでいる間は続きますが、飲むのをやめて数カ月すればまた元の薄い状態に戻ってしまいます。ですので、薬での治療は「継続すること」が重要です。

■薄毛の治療法2:植毛


薄毛がかなり進行している場合は、「植毛」という方法もあります。植毛と聞くと人工の毛を埋め込んだりするイメージがありますが、「髪の毛を作る組織を移植する」という方法もあるのだそうです。


移植する組織は、AGA・FAGAの影響を受けない後頭部から採取した「毛包」という部分で、それを薄毛になった部分に移植します。「自分の体から採取した組織」を移植するのが実は大事なことで、他人のものでは体が拒否反応を起こし、適合しないのだとか。「移植した部分がまた薄毛になったら……」と思うかもしれませんが、移植した組織はジヒドロテストステロンの影響を受けない後頭部のものなので、その部分が薄毛になることはないそうです。



さて、気になる植毛の費用ですが、おおよそ100~200万円ほどとのこと。(もちろん、クリニックや施術法によって異なります。)高額ではありますが、一生涯に渡り失ったものを取り戻すという意味では、安いといえるのではないでしょうか。


抜け毛が多くて気になる……、という人は、まずは専門の医療機関で診察を受けてみるといいかもしれませんね。

(中田ボンベ@dcp)