検索
内臓の病気が隠れている可能性も…?腰痛の原因

2017.09.12

内臓の病気が隠れている可能性も…?腰痛の原因


「腰が痛い」という症状を経験したことがある人は多いのではないでしょうか。しかし「腰痛」と一口に言っても痛みのある部分はそれぞれ違いますし、また漠然と「腰の辺りが痛い」ということもあるでしょう。ありふれた症状だと思うかもしれませんが、腰痛を症状とする病気もさまざまあります。今回は「腰痛の原因」について解説します。

記事監修



眞鍋憲正先生


スポーツ医学・整形外科・救急科。信州大学医学部卒業、市中病院で臨床をしながら信州大学大学院スポーツ医科学講座にて研究を行う。医師+(いしぷらす)所属。

■腰痛の原因は「約85%」が特定できない!

『日本整形外科学会』『日本腰痛学会』の監修による『腰痛診療ガイドライン2012』では、腰痛とは

一般的には、触知可能な最下端の肋骨と殿溝の間の領域に位置する疼痛と定義される.

⇒データ引用元:『腰痛診療ガイドライン2012』「第1章 定義」P.12

http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/LBP/02_Ch1_LowBackPain.pdf


となっています。つまり背中から触れられる肋骨の一番下からお尻の一番下(殿溝とはお尻と太ももの間にある溝のことです)までの間を「腰」として、その間で感じる疼痛(とうつう:ずきずきとうずくような痛み)を腰痛と定義しているわけです。


また腰痛は病気ではなく、あくまでも腰が痛いという症状です。腰痛という症状を引き起こしているのが、たとえば背骨由来の疾患である「腰椎椎間板ヘルニア」であったり、なかには婦人科系の疾患である「子宮内膜症」であったりするわけです。ですので、こういった場合の腰痛の原因は「腰椎椎間板ヘルニア」「子宮内膜症」といった病気ということになります。


ただし、実は腰痛の大部分はその原因が特定できないのです。これを非特異的腰痛(non-specific low back pain)と呼びます。非特異的腰痛とは「医師の診察および画像の検査(X線やMRIなど)で厳密な原因が特定できないもの」を指します。厚生労働省の公開しているデータによれば、この原因の特定できない非特異的腰痛は腰痛全体の約85%にも及びます。


⇒データ引用元:『厚生労働省』「第2章 腰痛対策」P.25

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf

■腰痛の原因は「由来」によって5つに分けられる!

「腰痛症状」を引き起こす原因はさまざまありますが、上記ガイドラインによれば「脊椎由来」「神経由来」「内臓由来」「血管由来」「心因性」の5つに分けられます。どんな病気がそれぞれの由来に属し、腰痛の原因になっているかは、

●脊椎由来

 腰椎椎間板ヘルニア

 腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症

 分離性脊椎すべり症

 変性脊椎すべり症

 代謝性疾患(骨粗しょう症、骨軟化症など)

 脊椎腫瘍(原発性または転移性腫瘍など)

 脊椎感染症(化膿(かのう)性脊椎炎、脊椎カリエスなど)

 脊椎外傷(椎体骨折など)

 筋筋膜性腰痛

 腰椎椎間板症

 脊柱靱帯(じんたい)骨化症

 脊柱変形など


●神経由来

 脊髄腫瘍、馬尾腫瘍など


●内臓由来

 腎尿路系疾患(腎結石、尿路結石、腎盂(じんう)腎炎など)

 婦人科系疾患(子宮内膜症など)、妊娠

 その他(腹腔(ふくくう)内病変、後腹膜病変など)


●血管由来

 腹部大動脈瘤、解離性大動脈瘤など


●心因性

 うつ病、ヒステリーなど

⇒データ引用元:『腰痛診療ガイドライン2012』「第1章 定義」P.13

http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/LBP/02_Ch1_LowBackPain.pdf



と挙げられています。


これからも分かるとおり、腰痛といっても原因となる病気はさまざまです。そのため、腰痛がある場合にはまず病院で検査を受けて、腰痛症状を引き起こしている原因を可能な限り特定しなければなりません。特定して初めて適切な治療を始めることができるのです。



女性の皆さんは、「子宮内膜症」などの婦人科系の内臓疾患が腰痛を引き起こすことがある、ということも覚えておいてくださいね。


(高橋モータース@dcp)