検索
寒い季節も油断しないで!かくれ脱水症状に要注意

2017.03.14

寒い季節も油断しないで!かくれ脱水症状に要注意


寒い季節は乾燥が気になりますよね。この時期、肌の乾燥を防ぐためのケアをしっかりしている方は多いと思います。しかし、体の中の乾燥にも気を遣っているという方は少ないようです。


体の中が乾燥している状態ということは、脱水状態になっていることと同じ。そして特に冬、注意したいのが「かくれ脱水」と呼ばれる脱水症状です。今回は夏と同じくらい気をつけてほしい「冬の脱水」について、医師の筆者が解説します。

■脱水症状になるとどうなるの?

脱水症状とは、私たちの体に必要不可欠である体液が不足した状態。水だけではなく、体を動かすのに必要不可欠な電解質まで一緒に失われてしまいます。


体から水分が失われると、血液量が減少し血圧も低下し、消化器官や肝臓等を巡っている血液量も減少してしまいます。


そうすると、体の隅々まで栄養分を届けられなくなったり、老廃物を排泄する力が低下したりしてしまいます。また頭が働かず集中力が欠如したり、ボーっとしたりすることも。


さらに電解質も同時に失われるため、筋肉や神経組織に悪影響を及ぼし、体にしびれを感じたり、脚がつりやすくなったりすることもあります。

■どうして冬に脱水症状になるの?

脱水症状というと暑い夏に起こるものと思いがちですが、冬にも起こることがあります。


私たちの体が快適に過ごすことができる湿度は50~60%といわれていますが、冬は湿度が50%以下と低くなることがたびたびあります。気温も湿度も低い冬に脱水症状が起こる原因は以下のようなことです。


(1)乾燥が原因によって不感蒸泄量が増加する

不感蒸泄とは、粘膜、皮膚、呼気等から無意識に失われている水分のこと。外気が乾燥すると不感蒸泄が増えるため、知らないうちに体内から水分が失われてしまいます。


(2)気温の低下から水分補給が億劫になる

冬は気温が低いので、暑い夏のようにのどが渇いて何か飲みたいという気持ちにならない方が多くいます。加えて、水分を飲むと体が冷えると思い、飲み物を飲む回数が減少します。


またトイレに何度も行かないで済むようにという理由で水分摂取を控えるという方も多くいます。


(3)感染症が流行する

冬に流行するインフルエンザやノロウイルス、ロタウイルスに共通する症状は、嘔吐や下痢を伴うことがあります。これらの症状があると、水分と電解質の両方を急激に失っていくため、脱水症状が起きやすくなります。さらに発熱症状も重なると、発汗し、脱水が進行してしまいます。

■「かくれ脱水」の症状は?

「かくれ脱水」の状態に気付かないでそのまま放置してしまうと、冬でも脱水症状を起こすことがあるといいます。特に、ご高齢の方や乳幼児は、自分では脱水状態が分からないことが多いので、周囲の方々が気をつけてみることが大切です。


「かくれ脱水」の前兆の例をご紹介します。


  • 手先等、肌、口の中が乾燥している

  • 口の中に粘り感があり、食べ物を飲み込みづらい

  • 体がだるい、ふらつく、頭痛がする

  • 便秘ぎみになる

  • トイレの回数が減少する

  • 尿の色が黄色くて、出る量が減る

  • 爪を押すと、すぐに元々の爪の色に戻らない 等


これらの症状があるときは「かくれ脱水」が起きている可能性があります。


体内の水分量が減少すると、手先や足先といった末端まで血液がしっかり送られなくなったり、だるさや体調不良が起こる要因にもなります。


これが、冷えを感じる原因でもあります。またトイレに行く回数も減少するため、体内の老廃物がきちんと排泄されずに留まってしまう可能性も。

■「かくれ脱水」を予防する方法はあるの?

冬は汗をかくことがあまりないため、夏のように顕著に脱水症状であると気付くまでに時間がかかりやすくなります。そこで「かくれ脱水」を未然に予防する方法をご紹介します。


(1)こまめに水分を補給する

食事以外から摂取したい水分補給量は1日約1,200mLが目安。コップ1杯分(200mlほど)の水分を、朝起きたとき、午前中、お風呂に入る前後、寝る前、食事中 等、7回くらいに分けて調整しながら水を補給する習慣をつけるのがおすすめです。特に夜中は脱水症状が起きやすいので、寝る前に水をコップ1杯飲むだけでも、脱水予防が期待できます。


(2)乾燥を防ぐために加湿を心掛ける

家の中は50~60%くらいの湿度を維持するようにしましょう。加湿器を使用したり、濡れたバスタオル等を部屋干ししておいたりすると効果が期待できます。また、肌の乾燥を防ぐための保湿もお忘れなく。

■もし「かくれ脱水」を起こしてしまったら?

「かくれ脱水」の症状に気付いた時点で、すぐに水分の補給が必要です。


特に、経口補水液を摂取するのが理想的です。


経口補水液とは、体に必要な糖分、塩分、ナトリウム等の電解質が人の体液のバランスと同じように配合されている飲み物です。電解質濃度が高いので、しょっぱい感じがします。通常時はあまりおいしいとはいえないかもしれませんが、脱水症状時に飲むと飲みやすく感じることもあるといいます。


経口補水液がなければ、水でもお茶でも何でもいいので摂取してください。



寒くて汗をかきにくい冬に脱水?と思う方も多いと思いますが、そんな冬こそ注意が必要です。のどが渇いたなと感じたときには、すでに体は脱水症状を起こしかけています。冬だからと油断せずに、こまめに水を飲むようにして「かくれ脱水」にならないよう、しっかり予防することが大切ですね。



(岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)