検索
花粉だけじゃない!春先は「PM2.5」「黄砂」に注意

2017.03.17

花粉だけじゃない!春先は「PM2.5」「黄砂」に注意


冬の間は「北京の大気汚染がひどい」などと大陸の大都市の様子が紹介されたりします。冬は汚染物質が大気にとどまりやすいからです。問題なのは、春になるとこれが海を越えて日本にまで飛来すること。春先といえば花粉症が注目されますが、スギ花粉などのアレルギー抗原だけでなく、PM2.5や黄砂にも注意しないといけません。

■春先は大陸から飛来する物質に注意!

大陸からの越境大気汚染の影響を特に受けるのは主に大陸に近い「九州地方」「日本海側の地域」です。この地域に住む人は、春先に大陸からやって来るPM2.5や黄砂について注意しましょう。


近年有名になっている「PM2.5」は大気汚染物質を意味しています。これらは「人体にも有害である」と指摘されています。また、昔は「黄砂が今年も飛来した」なんて季節の風物詩でしたが、最近では「黄砂の中にも汚染物質が含まれていることがある」といったことが分かってきているのです。

■PM2.5は人にどんな影響を与える?

では、このような大陸から飛来する大気汚染物質は人体にどのような影響を与えるのでしょうか?『独立行政法人 国立病院機構 福岡病院』アレルギー科医長の岸川禮子先生にお話を伺いました。

取材協力・監修


岸川禮子医師


1979年、弘前大学卒。アレルギー・呼吸器内科。日本内科学会認定医。 日本アレルギー学会指導医・専門医。 日本呼吸器学会指導医・専門医。日本医師会認定産業医。現『独立行政法人 国立病院機構 福岡病院』アレルギー科医長。


⇒『独立行政法人 国立病院機構 福岡病院』公式サイト

http://www.fukuoka-nh.jp/

岸川先生は、アレルギー治療の専門家であり、また九州にあってPM2.5問題に取り組んでこられた経験をお持ちです。


――春は越境大気汚染の本番シーズンですが、大陸から飛来するPM2.5は人の体にどんな影響を与えるのでしょうか?


岸川先生 PM2.5といってもさまざまな物質があり※(記事末を参照)、細かく言えばその物質ごとに人体への影響は違っています。ですが、ひとことで言えば、


「ただちに命にかかわるようなことはないですが、アレルギー性鼻炎や花粉症がひどくなるといった、軽度の健康被害が起こる」


のです。私たちの調査によれば、特にアレルギー疾患や気管支喘息(ぜんそく)などの慢性呼吸器疾患を持っている人などが4人に1人の割合ぐらいで、影響を受けて症状が悪化することが分かりました。


――4人に1人というのは多いように思いますが。アレルギー疾患のある人が増加しているといわれていますし。


岸川先生 そうですね。もともとアレルギー・呼吸器疾患のある人だけではなく、健康な一般の方々で、特に敏感な人もいます。


  • 目がゴロゴロする

  • 咳き込む

  • 鼻水が出る

  • 上気道・下気道にかけて炎症を起こす

  • 皮膚がかゆくなる


などの症状を起こすことがあります。


――「喘息患者が増えている」といったリポートもあるようですが?


岸川先生 小児では強い黄砂が飛来した数日後に喘息発作で入院例が増えることが報告されています。成人でも黄砂やPM2.5で喘息悪化の報告が私共の調査を含めて複数見られています。


PM2.5と病気についての因果関係はさらに継続的な調査が必要です。将来的に何かの病気を発症するのかといったことについても同様です。長い間の研究が必要になるでしょう。ただ、現段階で言える人の体への影響は先ほど言ったとおりになります。


――春先は花粉症で悩む人が多いですし、それがPM2.5の影響でひどくなるのは困りますね。


■とにかく避けることが大事!

――自分の身を守るためにどのようにすれば良いでしょうか?


岸川先生 簡単に言えば「避けること」ですね。PM2.5や黄砂は空気の流れによってやって来ます。大気汚染物質を運ぶ空気が流れ去れば、症状は緩和される傾向が強いので、たとえば福岡市では「遠くの山がかすんで見えないときには外出を控える、マスクを準備する」といった対応をします。


また、最近では確実性の高いPM2.5の予報も行われるようになってきました。さらに九州大学の竹村俊彦教授の開発された『SPRINTARS(スプリンターズ)』などを見れば、早めにPM2.5の飛来を確認できます。こういった情報を用いて外出を控えるなどしてみましょう。


また、福岡市では全国に先駆けてテレビ・ラジオで、天気予報のように「PM2.5・黄砂予報」を放送しています。この予報もぜひ参考にしてください。


⇒参考:『SPRINTARS』公式サイト 「PM2.5予測・黄砂予測」があります。

http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/


――日常生活でできる防衛手段はありますか?


岸川先生 どうしても外出しなければならないときは「帽子」「眼鏡」「マスク」を着用するのが良いでしょう。


●髪の毛にPM2.5や黄砂が付かないようにするために帽子をかぶりましょう。


●眼鏡を掛けることで目に入るPM2.5や黄砂を少なくすることができます。最近は目と顔の間に隙間がないようなタイプの眼鏡も販売されています。


●マスクを着けるとPM2.5や黄砂を吸い込むことをある程度防げます。ただし、PM2.5は煙のようなものですから、マスク装着が完全ではないのも知っておくことが大事です。


また、


●外出先から帰ったら、家の玄関で帽子やコートを脱いで置き、家の奥に外で付いたPM2.5や黄砂を持ち込まないようにするのが良いでしょう。


●症状が強く、つらい人にとって室内に空気清浄機を置くことも効果的です。


洗濯をして洗い物を干すときにも注意してください。


●予報を見聞きして、PM2.5や黄砂が多いときは外に洗濯物を干さないようにしましょう。


洗濯物に付着してしまいますので。


――ありがとうございました。



「春は花粉症のシーズンで、ただでさえうっとうしいのに」と思う人が多いでしょう。毎年アレルギー性鼻炎で悩まされている人は、PM2.5や黄砂の影響でそれが悪化しないように、たとえばマスクを着用するなどの対策を忘れないようにしてください。とにもかくにも、対策を万全にしてこの面倒くさい季節を乗り切りましょう!



※近年は「大気汚染物質の総称」のように使われていますが、もともと「PM2.5」は大気中に存在する「粒子状物質」(エアロゾルと呼ばれます)の大きさを指す言葉です。本来は、直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の微小微粒子のことを「PM2.5」と呼びます。


大気汚染の原因となる物質はだいたいこの大きさのものが多いため、「PM2.5」は「大気汚染の原因となる粒子状物質」の代名詞のように使われています。硫黄酸化物、窒素酸化物、有機炭素化合物のうち、粒子になったものは大気汚染物質として知られ、「PM2.5」と呼ぶ際にはこれらを指すことが多いのです。



(高橋モータース@dcp)

●編集部おすすめPM2.5対策グッズ



「99%カットフィルタ」で、空気中のウイルス飛沫・花粉の侵入をしっかりブロックします。全方位フィット構造でPM2.5にも安心なんだとか。

Amazonで見る

おしゃれなメガネブランドJINSの『花粉Cut』。自然な見た目のスリムデザインが素敵です。

Amazonで見る

おうちの中では、シャープ独自の空気浄化技術「プラズマクラスター7000」を搭載した話題の空気清浄機で対策。

Amazonで見る

(マイカラット編集部)