スポーツをしているとき、また、何か「物を取る」など日常的な動作のなかで、「突き指」をしてしまった経験がある方も多いはず。頻繁に起こる「けが」ではありますが、そもそも突き指の原因とはいったい何なのでしょうか?今回は突き指について、理学療法士の亀澤康明氏にお話を伺いました。

取材協力・監修



亀澤康明氏


理学療法士。社会福祉士。保育士。平成14年大学卒業後、保育園、医療機関での勤務を経て、6年前に現在の会社(主に訪問看護リハビリ事業)へ転職。平成29年6月より同社の児童発達支援及び放課後等デイサービスの所長として、子ども療育に従事。専門分野は関節運動学・小児発達運動学。

■突き指の原因とは?

突き指はその名のごとく、指を突いたときに指先から力が加わり(外力)、関節やじん帯などへ痛みが生じたり、曲げ伸ばしが一時的に難しくなったりすることを指します。子どもは特に、スポーツ外傷(バレーボールやバスケットボール)や遊び(ドッジボールなどの玉遊び等)を通して突き指になることが多く、一般的にも球技に伴う原因が一番多いのではないかと思います。


そのほか日常生活の不注意が原因で起こることも多々あり、不意にバランスを崩して指を強く突いた、ドアや壁などの固いものに指先を強くぶつけた、といったことでも起こります。


また、突き指といえば「手」を連想するかと思いますが「足」にも指がありますので、足の突き指ももちろん存在します。足の骨、関節は構造上、手よりは短く集約されており、靴や靴下で保護されやすいため突き指の頻度は低いものの、受傷すれば手の突き指よりは重症化しやすいと言われています。原因は手と同様、サッカーやダンスなどのスポーツ外傷が多く、そのほかには「タンスの角に足の指をぶつけた」際に生じる突き指も多く見られます。ぶつけた箇所や強さによっては骨折のリスクもありますので十分注意が必要です。

■突き指の症状って?

突き方や強さなどによって、症状もさまざまです。ねん挫や打撲等の比較的軽度な症状から、脱臼や骨折、じん帯損傷などの重症ケースも多く見受けられます。変形や曲げ伸ばしに制限が出る等の後遺症を出さないためにも、症状の理解と正しい処置が必要です。以下に段階的な症状について解説いたします。


  • 感覚的な症状:痛みやそれに伴う炎症(熱感)

炎症には4つの特徴があります。発赤、熱感、腫脹、そして疼痛です。これを「炎症の4徴」と言い、身体を正常に維持させるために脳が指令を出しているのです。痛みの症状は、炎症の代表例です。突き指をした瞬間からズキズキ、ジンジンと痛みがあらわれます。患部を修復させるため血液が集中し発赤も見られます。血管の壁を通過しないタンパク質を含んだ血しょう成分は、通常は血管の壁を通過しないのですが、炎症により血管の外に漏れ出すため、細胞の機能が働かず、膨張して患部は腫れ、熱を帯びることになります。


  • 見た目の症状:腫れや内出血

感覚的な症状による腫れは2~3日もすれば治まりますが、大きく腫れ上がる場合には、脱臼や骨折している可能性もあるので注意しましょう。また突き指したときの衝撃により毛細血管が切れて血液が漏れ、皮膚や粘膜が破れなければ、内出血になります。内出血部分は、赤い色から始まり、徐々に紫色から青や黒っぽい色に変化していきます。およそ1週間で治りますが、見た目で内出血が引かなかったり、腫れが普段の倍以上だったりすると骨折等の可能性がありますので、すぐに整形外科を受診しましょう。


  • そのほかの症状:骨折やじん帯損傷

骨折やじん帯損傷は、感覚的な症状や見た目の症状より見分けがしづらいのですが、実は一番注意しなくてはならない症状です。骨折の可能性が高いのは、指でトントンと叩いた時に骨に響く感じがしたり、指関節が力を入れても曲がらないくらい固く、パンパンに腫れあがって触ると激痛を感じたりする場合です。そのほか、指がぐらぐらと横方向に曲がったり、変形したりしている場合は、靭帯損傷の可能性が高いです。どちらにしても、変形したまま戻らない等の後遺症にならないためにも、早期治療が必要です。



以上、これらの症状は、けがの度合いを判断するひとつの目安になりますが、軽い程度の突き指と思っていたら実は骨折していた、ということのないように十分注意しましょう。


(取材・文 市川弘美)