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摂食障害とは?原因や治療法を解説―あなたや知り合いは大丈夫?

2017.09.29

摂食障害とは?原因や治療法を解説―あなたや知り合いは大丈夫?


日本人女性の多くが悩んでいるといわれる、拒食症・過食症といった摂食障害。摂食障害とは一体なんなのでしょう。摂食障害の原因や治療法について解説します。あなたや、あなたの身の回りの知り合いはどうでしょうか?

■拒食症、過食症などの「摂食障害」とは

体型やダイエットについての話題に全く興味を示さないという方は、おそらくほぼいないと言えるくらい、現在の日本人女性の間では「ダイエット」「痩せ」が共通のキーワードとして浸透しています。


しかし過度なダイエットの結果、拒食症・過食症などの摂食障害になったという話をよく聞くことも事実。行き過ぎた痩身願望は、かえって健康を損ねてしまいます。


拒食症は正式には「神経性食欲不振症」、また逆の過食症は正式には「神経性過食症」という名前がついており、いずれも摂食障害という疾患に分類されます。摂食障害はこれら以外のものも存在しますが、本稿では拒食症と過食症のふたつのみをまとめて「摂食障害」と呼ぶこととし、解説していきます。

■摂食障害の原因と、それになりやすい人

摂食障害が起こる理由はほとんどの場合、個々人の過度な痩身願望です。「スリムな体は美しい」というメディアからの影響を過度に受け止めてしまい、痩せた体を手に入れることへの、強迫観念にも似た願望を抱くことから摂食障害は起こります。


また、想像に難くないことですが、個々人の心理、パーソナリティーも摂食障害を発症するか否かの重要な要素です。具体的には、自己評価が低い、完璧主義、抑うつや不安傾向などが、摂食障害の原因と考えられるパーソナリティーです。


もっとも、ここには「卵が先か鶏が先か」の問題があります。つまり、性格が原因で摂食障害となるのか、はたまた摂食障害が原因で上記のような性格が増強されてしまうか、という問題です。事実、飢餓状態においては健康な人であっても抑うつ傾向や精神病的兆候、自己評価の低下などが認められたという研究結果もあり、性格が原因で摂食障害を発症する、という結論付けには慎重になるべきです。


このほか、摂食障害に遺伝子の関与があることも指摘されています。少なくとも言えることは、摂食障害とは社会から遺伝子に至るまでの多様な要因が複雑に絡み合って起きる症状であるということです。

■ダイエットが原因で過食症に?

興味深いのは、行き過ぎたダイエットから、過食症も発症しうるという点です。ダイエットを端緒として過食という真逆の行動が起こるのはなぜなのでしょうか。


一切食べないなどの過度なダイエットを行うことは、はじめは我慢できてもいずれ限界が来て、何かを口にします。そうなったときには堰を切ったように一気に大量に食べてしまいます。これを「むちゃ食い」と呼びます。そのとき当人は、ダイエットが失敗したことを悔やみ、体重増加を恐れてその食べたものを吐く、あるいは下剤などを使って排出するような行動に出ることがあります。これを「代償行為」と呼びます。


このようにむちゃ食いと代償行為を繰り返すことが過食症のケースとして目立つそうです。一部の過食症の方は「食べても吐いたらいい」と心のどこかで考え、食べては吐くという過食症から抜け出せないというケースもあるそうです。

■摂食障害の治療法

拒食症によって低栄養状態となった場合は緊急入院を要しますが、それ以外の場合は外来診療により、摂食障害の患者さんの考え方を徐々に変えていくことが治療の主流です。


拒食症においては、家族などの身近な方のサポートのもと、最初は少量の食事から、1日3食バランスよく食べることを訓練づけていきます。その際にも、体重が増えることへの不安などをカウンセリングによって和らげていくことが大切です。過食症においては認知行動療法(カウンセリングやフィールドワークなどの行動を通して、患者さんを悩ます原因となる考え方(認知)を変えていく療法)が有効とされています。いずれのケースも、自分自身を苦しめる考え方からの脱却を図るものといえます。



健康に生きる上でダイエットは必要なことですが、メディアに影響されすぎて自分を追い込み、摂食障害になってしまっては本末転倒。もしあなた自身や、身の回りの方で摂食障害とおぼしき方がいらっしゃるのならば、心療内科へ行くことをおすすめします。ひとりでは摂食障害を克服することは難しいものです。

参考

牧野有可里 2006 社会病理としての摂食障害 風間書房

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 摂食障害

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_eat.html

(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)

『社会病理としての摂食障害―若者を取り巻く痩せ志向文化』牧野 有可里(風間書房)
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『摂食障害から回復するための8つの秘訣 回復者としての個人的な体験と摂食障害治療専門家として学んだ効果的な方法』キャロリン・コスティン(星和書店)
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(マイカラット編集部)