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地図を見るのが苦手な女性が多いのはどうして?男女の脳の違いって?

2017.10.04

地図を見るのが苦手な女性が多いのはどうして?男女の脳の違いって?


男性は空間認識能力に優れ、女性は言語能力に優れている、なんていわれます。男女の脳の働きはどのように違っているのでしょうか? 一般にいわれていることはどこまで本当でしょうか? 『脳が若返る30の方法』『脳を強くする56の習慣』などの著作で知られる米山公啓医師にお話を伺いました。

取材協力・監修


米山公啓医師


1952年5月10日 山梨県甲府市生まれ、東京都福生市育ち。聖マリアンナ医科大学医学部卒。

聖マリアンナ医科大学で超音波を使った脳血流量の測定や、血圧変動から見た自律神経機能の評価などを研究。老人医療・認知症問題にも取り組む。外勤先の天本病院(東京都多摩市)にて在宅医療にも10年以上参加。健康管理部において、ニコチンガムを使った禁煙教室を実施。1998年に内科助教授を退職。本格的な著作活動を開始。現在も週3日、東京都あきる野市にある『米山医院』で診療を続けている。 


⇒米山公啓医師の公式サイト

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⇒米山医院

http://yoneyamaiin.blogspot.jp/


⇒米山先生の最新著作『できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」』(西東社)

http://amzn.asia/ft4HPef

■解剖学的には男女に脳の違いはない!

――男女の「脳の作り」に違いはありますか?


米山先生 今までは左右の脳をつなぐ脳梁(のうりょう)という部分の後ろ側が女性のほうが大きいとされてきました。しかし、最近の研究では、男女の脳に構造的な差はないとするのが正しいようです。つまり見た目では男女の脳に違いはないということです。


――違いがあるとすれば、どんな点が異なるのでしょうか?


米山先生 男女の脳の違いは解剖学的な差ではなく、脳内物質や脳の使い方の差だと思われます。特に性ホルモンによる作用が大きいと考えられています。男性ホルモンであるテストステロンは男性では量が多く、女性ではその1/10ほどです。テストステロンが増えれば攻撃的で独占的になります。


これは個人的な濃度の差もありますし、状況によってテストステロンが増えることもあります。女性ではエストロゲンやオキシトシンといった脳内物質が作用して、協調、共感という感情の作用が強くなります。


  • テストステロン

男性ではその多くが睾丸から、女性では卵巣や副腎から分泌されるホルモン。筋肉や骨格の発達を促し、男性の二次性徴に関わります。


  • エストロゲン

「女性ホルモン」と呼ばれ、卵巣にある卵胞から分泌されます。


  • オキシトシン

下垂体後葉から分泌されるホルモン。「愛情ホルモン」とも呼ばれ、分泌されると幸せな気分をもたらすことが知られています。

■男女で脳の働きに違いはある?

――男性は論理的、女性は直感的といわれていますが、これは本当なのでしょうか? もし本当ならなぜなのでしょうか?


米山先生 逆です。男性は直感的、女性は論理的です。左右の脳の働きの違いでいえば、左脳は論理思考に関係して、右脳は直感や視覚的な刺激に反応します。


男性はおたくが多いですが、これも何かを追求していく右脳の機能がいいからです。右脳は直感的な脳なので、大ざっぱな状況把握に強いのです。女性が言葉を好み会話好きなのも左脳優位だからです。


――女性のほうが地図を見るのが苦手、というのは本当なのでしょうか?


米山先生 男性は空間識別能力が優位で、右脳的です。地図なども方向で認識するので、地図を読むことが得意です。女性は方向の意識がなく、目印で方向を判断していきます。男女の脳の中でもっとも差が出るのが空間認識能力です。


――「本を読むのが苦手」という人がいますが、これは脳の作りが関係しているのでしょうか。また、男性と女性でも差が出ますか? 


米山先生 これは脳の差というより、習慣の差でしょう。本を読む面白さを知らない世代が増えているのは、視覚的な文字認識から想像の世界に入っていく訓練ができていないからです。スマホ世代は映像的な認識のほうが早いので、文字からイメージングする経験が少なく、本を読むことをしないのでしょう。イメージする能力は男性のほうが強いので、むしろ女性は文字を論理的な思考として受け入れているのではないでしょうか。


――ありがとうございました。



解剖学的には男女の脳に違いはありませんが、左右の脳の使い方によって違いが生まれ、またホルモンの分泌などによって感情に差が出るようです。愛し合う男女が時に激しいけんかをするのは、このような差異が生み出すのかもしれませんね。

(高橋モータース@dcp)