友だちや会社の方と食事に行ったとき、「どうしてあの人はあんなにたくさん食べているのに太っていないの?」「どうして私はそんなに食べていないのに痩せないの?」と不思議に思ったことはありませんか?


一見、同じ食生活のようでも「太ってしまう人」と「痩せている人」には、大きな違いがあるのです。今回は、痩せる食生活と太る食生活について栄養士の筆者が解説いたします。

■「カロリー」の摂取量が違う?

ダイエットしている人なら “カロリー” を気にしたことがあるのではないでしょうか。なるべくカロリー表示が高いものは避け、低いものを選ぶようにしますよね。


そもそもこのカロリーとは、厳密にいうと“エネルギーの単位”のことです。1リットルの水の温度を1度上昇させるために必要なエネルギーが1キロカロリーで、私たちの体を動かすためのガソリンのようなもの。


食べることで摂り入れるエネルギーを“摂取カロリー”、運動したり、動いたりして消費するエネルギーを“消費カロリー”といい、このバランスが崩れると体重の増減が起こります。


「摂取カロリーが消費カロリーを上回ると太る」と一度は聞いたことがあると思いますが、その理由は「私たちが食べたものを消化する能力には限界がある」ことにあります。摂取カロリーがオーバーしている状態が続くと、慢性的な消化不良を引き起こしやすくなり、少量食べるだけでも太りやすくなってしまいます。


特に動物性食品等の高タンパク質で加工生成された食べ物を摂取する食生活が続くと、太りやすいだけでなく、頭痛、肩こり、アレルギー発症、糖尿病といった症状を誘発する危険性が高まることもあります。

■「食生活」にも違いがある?

冒頭でも述べたように、なぜあの人は痩せているのに、私は痩せないの?という疑問ですが、その答えは「痩せている人と太っている人は食への考え方の違い」にあります。それぞれの食生活を比較してみましょう。



【痩せている人の食生活】

(1)食事は腹八分目

「お腹いっぱいになってから食事を終える」のではなく、「食事を終えるとお腹いっぱいだと感じる」ので、3食しっかり食べているけれど腹八分目で食事を終えることができる。


(2)お腹が空いたと感じたら食べる

お昼の時間、おやつの時間というように、時間だからといって食べるのではなく、お腹が空いたと感じたら食べる。前食で食べ過ぎた場合は、次の食事で量を調整する。


(3)バランスを考えた食事をする

朝は魚だったからお昼は肉、野菜をあまり食べなかったから次はたくさん摂る等、偏りの少ない食事内容にしている。


(4)ノンカロリーの飲料を好んで飲む

飲み物は基本的に水かお茶、糖分不使用のコーヒーや紅茶にしている。



【太りやすい人の食生活】

(1)お腹いっぱいまで食べてしまう

自分が食べた量を把握しておらず、お腹いっぱいになってから食べ終えるので、腹八分目を超えて食べ続けてしまいがち。


(2)お腹が空いていなくても食べてしまう

お昼の時間、おやつの時間だといって、食べる時間を決めているため、お腹がそんなに空いていなくてもしっかり食べる。


(3)脂っこい食べ物を好む傾向がある

栄養バランスを考えず、食べたいものを食べたいだけ食べてしまいがち。調味料を多めに使うことで食欲も増し、摂取カロリーUPの原因に。


(4)炭水化物やスイーツを好んで食べる

ごはんやパン、麺類を好み、食後のおやつは当たり前になっている。


このような「太っている人に多い食生活」を続けていると、糖分や油分の摂取量に比例してエネルギー過剰となり、残ったものが脂肪として蓄積されてしまうのです。

■痩せるために必要なことは?

痩せている人の食生活を参考にすると、いま自分が何を変えるべきかが見えてきます。


まず、食事は量より質や内容を重視することが大切です。肉や油もの、炭水化物中心の食事から、野菜もしっかり摂取できる食事内容にシフトしましょう。


ビタミン、ミネラル、酵素等を豊富に含有している生野菜や果物を積極的に取り入れることで消化不良の改善につながります。


また、「口さみしいから」「時間だから」といって食べるのではなく、「お腹が空いたら食べる」という考えにしていくことも必要です。


食事の仕方にも目を向けてみましょう。野菜から食べ始めると食物繊維が胃の中で大きくなり満腹感を得られるので、食べ過ぎを防ぐことができます。


また、味噌汁を食事前にゆっくり飲むこともコツです。出汁に使われている旨味成分は満腹感を得やすいことがわかっています。


さらに、「早食い」や「ながら食い」をやめて、食材の風味や食感を楽しみ、五感を使ってゆっくりよく噛みながら食べると、自然と食事量が少なくても満足できます。



すぐにこれまでの食生活や食への思いを変えることは難しいと思いますので、まずは自分の食生活を振り返り、見直すだけでも「どうして自分が太ってしまったのか?」の理由が見えてきます。


なぜ痩せないの?と考えるのではなく、なぜ太ってしまったかを考えることが重要な第一歩です。食事を楽しむ気持ちを忘れずに、健康的な食生活を目指したいですね。



(相川香/栄養士-健康検定協会-)