友人と楽しい時間を過ごした帰り道。さっそくSNSをチェックしていたら、アップされていた写真写りの悪さに愕然……。メイクもファッションもそれなりのつもりだけど、写真写りの悪さはどうしたらいいの? と密かに悩む女子は多いはず。そこで写真に上手に写るコツを、たくさんのハッピーフォトを撮ってきたウェディングフォトグラファーの木村麻希さんに伺いました。

取材協力・監修



木村麻希さん


ウェディング&ファミリーフォトグラファー。人物撮影を専門に、年間およそ200件の新郎新婦やファミリー、キッズを撮影。ただ写真を残すだけではなく、「撮影をしている空気感も思い出になるような、楽しい時間をお届けする」を信条とする。


▼Maki Kimura Photography

https://www.makikimura-photography.com/

■写真が苦手な人は緊張しすぎが原因…?


――花嫁さんをはじめ、たくさんの女性を撮影されてきたと思いますが、写真に対してどんな苦手意識を持っている人が多いと感じますか?


木村さん

写真写りが悪い=表情がかたかったり、どこか不自然というか、ぎこちなかったりすることを指すのかなと思います。「自然な笑顔を撮る」が理想ですが、意外にも笑うのが苦手な人が来ることが多いんですよ。最近の人って昔に比べて、普段から喋っていても笑っている人が少ない気がします。それで笑顔がなかなか出しづらいのかも知れませんね。また写真が苦手という人の中に、半目や目をつむってしまう人がいますが、緊張でまばたきが増えてしまうのが理由です。さらにはシャッター音に反応して目をつむっちゃうクセがある人もいます。

■キメ顔より自然な表情! そのときの気持ちを素直に表現して

――笑顔が苦手なら、キメ顔で勝負すればいいのでしょうか?


木村さん

私はあんまり作って欲しくないなって思います。先日、自分の撮影の下のフロアでモデルさんが集まるイベントがあり、ちょっと覗いてみたんですけど、撮影で誰も笑ってなかったのが目についたんですよ。最近写真で笑わない人が多いですが、モデルさんたちが笑っていないのを見て納得したというか。


――ぽや顔(目を強調させて口を半分開けた顔)が今の流行りですもんね。これって流行りが終わってから見たときにどう思うのかなって。笑顔だったらどの時代でも受け入れられる気がするんです。


木村さん

そうですよね。それにそのときの気持ちを表した笑顔のほうが、写真を撮ったときの楽しかった思い出が思い起こしやすいと思います。

■二重アゴも撃退! 写真写りの基本テクは「目と口角を意識すること」

――では、「撮りますよ〜」って言われた後はどういう顔をしていたらいいのでしょうか?


木村さん

頑張って笑おうとするよりも、半目にならないように意識するのと、口角を上げることが大切ですね。20代のうちは目も口角も上がっているんですけど、30代になると垂れて下がってきがちなんですよ。これが疲れて見える原因に。なので、目に力を入れ口角を上に引き上げるように意識してみてください。


――顎は引いたほうがいいですか?


木村さん

引くときはちょっとだけ。引きすぎると首と顎の距離が近くなり首にシワが寄るんです。さらに横から見ると顎と首の境のシワがすごく目立つので、横顔も要注意です。


――「顎が上がっている」って言われることがあるんですけど、どういう状況ですか?


木村さん

小柄な方は目線が上に行くクセがついて顎が上がりがちですね。上を向いていると目が小さく見えるのと、鼻の穴が丸見えになります。また顎が上がると顔が緩んで、口がだらしなく開きがちにも。普段からまっすぐ見る習慣をつけて欲しいですね。


――あと、ありがちなのが二重顎ショットです。改善方法はありますか?


木村さん

やっぱり首を引きすぎないことですね。二重顎って一般的に知られていることだから気をつけている方が多いです。でも、横からのショットや振り向きショットでは首と顎のシワが目立つ方が多いので、その角度から撮るときは気をつけたほうがいいかも。

■集合写真はセンターよりも、光をゲットせよ

――集合写真は、端にいるよりも真ん中にいたほうがいいと聞いたことがあるのですが本当ですか?


木村さん

重要なのは、位置そのものよりしっかりと光が当たる位置なのかどうか。ウェディングでいうと、高砂は新郎新婦にしか光が当たっていないんです。だから端は光が当たっていなくて顔がくすみがちに。20代後半から30代になると肌に悩みが出てくるから、光を当てて肌を明るくしたほうがキレイに写りますよね。たとえばここで撮影するのと奥で撮影するのと全然変わりますよ。撮ってみましょう。


蛍光灯の光しか入らない部屋で撮影しました。


――自然光が射す明るい場所で撮ると、たしかに雰囲気も優しくキレイに見えますね。


■姿勢と服装に気をつければ、細く写ることができる!

――集合写真といえば、立ち方も重要ですよね? 太って見えるからとか、太っているから写真が苦手な人も多いと思います。これに解決策はあるのでしょうか。


木村さん

姿勢でかなり変わります。前傾になると全部お肉が内側に寄っちゃうので、背筋を伸ばして胸を張って、お肉を分散してください。また、背筋を伸ばすと頭身も変わりますよ。それから真正面ではなく体を斜めに向けること。ウェディングでも、斜めに立って体の見える範囲を減らして写します。


斜めに立ち背筋を伸ばすだけで、小顔にもなった気がします。

――これはすぐに実践できるテクニックですね。


木村さん

あと、片足を軽く曲げて脚と脚の間に隙間を作ったり、脚をクロスさせたりすると長く見えますよ。


――痩せて写る服装はありますか?


木村さん

首元は開けたほうがいいですね。タートルネックは首元にお肉が溜まっているように見えるから避け、鎖骨を見せましょう。あとはピタッとした洋服を着ること。全身でなく、上下どちらかを締めるだけでも、メリハリが出て痩せて見えますよ。ゆる×ゆるの服装は絶対にNG。


――あとは二の腕が太く見えてガッカリするのも、女子の死活問題です。


木村さん

これは腕を潰すと必ず起こる現象なので、絶対に脇を締めすぎないこと。できるだけ重力で下に肉を落とすようにしてください。また腕を曲げると前腕の筋肉が張るので、筋肉は出さないようにしたほうがいいですね。ブーケを持つ花嫁さんはみんな腕を浮かせているんですよ。


左が脇をつけた状態で、右が離した状態。かなり細くなった!

■第三者から「写真写りが悪い」と思われている人はほぼいない

この日の楽しかった思い出を写真におさめました。

――写真写りが悪いと思う人は、鏡を見たときの自分やアプリで撮った自分と、他人に撮られた自分の顔が違うって考えている気がするんですよね。


木村さん

鏡を見たときの自分補正ってあると思います。無意識に目をパッチリ開けたいい顔をしているのかなって。だから人から撮られたときは、自分の顔が見えなくて、目が半分くらいしか開いていない自分にショックを受けちゃう。あとは鏡に映った自分って顔の左右が逆になっているじゃないですか。だから写真で見たときに、雰囲気が違うって感じるのかも。


――たしかに逆転していますもんね! 自分の顔が苦手なのは、そんな自分を受け入れられないから。


木村さん

自信がなくてそう思っちゃうだけ。自分ではいつも写真写り悪いなって思っていても「A子ちゃんは写真写りが必ず悪い。だから一緒に撮りたくない」って思っている第三者って聞いたことないですよね? それに自信がないと姿勢が前傾しちゃうし笑えない。悪循環なんですよね。私も自信をつけなさいってよく言われてきた側だからすごくわかりますよ。まずは自分を認めることじゃないでしょうか。


――たとえば、練習をすると写りは変わってきますか?


木村さん

見返して、次はこうしようって変えていくことで写りはよくなりますね。慣れもひとつの自信になります。でもね、ちょっとくらい変な顔をしていても、過ごした時間はすべて楽しい思い出ですよね? 自分と向き合いその場を楽しむことで、うまく写真ともつき合えるんじゃないでしょうか。



筆者もこの取材のために、過去の写りの悪い写真をたくさん見返しました。最初のうちは恥ずかしかったけれど、次第に「私はこういう顔だし、なんだか楽しそうだしいいのかな」と嫌な気持ちが少なくなりました。たくさん自分の顔を見ることで自分と向き合えたのかもしれません。


今はSNS映えに傾倒しがちですが、写真を撮る理由ってもともと思い出の共有です。「不器用でもそのときの気持ちを表情に出したほうが、思い出が蘇る」。そんな楽しい撮影をしていきたいなと感じました。


(取材・文:西田タニシ 編集:ノオト)