「生理の前になると、なぜかおなかが張る」という経験をしたことはありませんか?その場合、だいたい生理の一週間前くらいに膨満感を感じるというケースが多いのですが、そもそもこの原因は何なのかご存じでしょうか。今回は、生理前におなかが張る、ぽっこりおなかが気になる場合の原因を解説します。

記事監修



高橋しづこ先生


産婦人科専門医。1995年、米国オレゴン州私立Reed Collegeを卒業。1997年、東海大学医学部へ入学。同大卒業後、東京大学医学部大学院より医学博士。その後は日赤医療センターや山王メディカルセンターで非常勤医師。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/138

■もしかしたら子宮の病気かも…?

生理前におなかが張ってしまう原因のひとつに「月経前症候群(PMS)」が挙げられます。月経前症候群は生理が来る少し前の段階で、意味もなくイライラしたり不安になるなど精神が不安定になったり、だるさや腹痛や頭痛といった症状が出るもの。人によってはおなかが張ってしまうこともあります。


ただ、月経前症候群は生理前にホルモンバランスが変わることで起こる一時的な症状なので、生理が来るとなくなります。それでも症状がひどい場合には低用量ピルを用いた治療などが行われます。

⇒参考:日本産科婦人科学会「月経前症候群」

http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/gekkei.html

月経前症候群以外では、「子宮内膜症」が考えられます。子宮内膜症は、子宮内にある子宮内膜に似た組織が、卵巣や卵管、また腹膜といった、子宮以外の場所にできるもの。その似た組織が増殖・剥離(はくり)を繰り返すため、「痛み」や「出血」を引き起こします。


子宮内膜症は発生した箇所で特徴が異なり、卵巣内で発生した場合は卵巣の中に袋状の嚢胞(のうほう)ができ、その中に血がたまることがあります。その血が時間の経過とともにチョコレートのようにドロドロになるため「チョコレート嚢胞」と呼ばれています。このチョコレート嚢胞が周囲を圧迫するため、おなかの張りを感じることがあるのです。

⇒参考:日本医師会「子宮内膜症とは」

https://www.med.or.jp/chishiki/sikyuu/001.html

■おなかがぽっこりしてしまうのはなぜ?

女性の場合、生理前におなかが張ってしまう以外に、「実際におなかがぽっこりしてしまう」ということもあります。単純に「太った」ということも考えられますが、体重が大幅に増加していないのに、なぜかおなかがぽっこりと膨らむようになった場合、

  • 便秘

  • ガスだまり

  • 胃下垂

が考えられます。


便秘の場合は、適切な排便が行われないため腸内に便がたまり、下腹部がぽっこりと膨らんでしまいます。胃下垂は、胃の下部がさらに下に伸びて縦に長い胃になってしまう病気です。食べたものが胃の下がった部分にたまるので、食後に下腹部がぽっこりとふくらんでしまうのが特徴です。


また、生理前は女性ホルモンの影響で腸の蠕動運動が悪くなることでガスが出にくくなり、「ガスだまり」を引き起こしてしまうことも。ガスを解消する薬もありますが、おなかをマッサージしたり、ストレッチをしたりなど、適度な運動をするのも解消方法のひとつです。


便秘は、冷えやストレスなどが原因となる「過敏性腸症候群」によるものや、生活習慣によるものなどその原因はさまざま。また胃下垂も便秘につながる病気です。便秘によるおなかぽっこりは、生活習慣を改めるか、食物繊維などのお通じに良いとされるものを食べるなどして改善していくといいでしょう。


胃下垂の原因は、「腹筋が弱ること」が挙げられます。腹筋が弱ると胃を支えられなくなってしまい、下方に下がってしまうのです。また暴飲暴食も胃下垂になる原因とされています。こちらは腹筋を鍛えるなどするか、食習慣の改善が効果的とされています。

生理前におなかが張ることは、月経前症候群の症状であることが多いのですが、子宮内膜症という不妊につながることもある病気の可能性もあります。もし症状が重いという場合は念のため診察を受けてみてはいかがでしょうか。


(中田ボンベ@dcp)