• タートルネックやハイネックで首がかゆくなったことがある。

  • 袖付近のチクチクが気になったことがある。

  • 乾燥ケアはしているはずなのに、肌トラブルが治らない。


こんな肌トラブル、もしかすると身に着けている衣類が原因かもしれません。


保湿に気をつかったり、お部屋を加湿したりと工夫しているのに、肌がカサカサしたり、湿疹が出ることはありませんか?そんなお肌の不調は、身に着けている衣類が原因かもしれません。


衣類に使われている素材そのものはもちろんですが、染めたり、使いやすくしたりするためのいろいろな加工が、肌に影響する可能性もあります。


今回は衣類による肌トラブルの例と原因を、テキスタイルアドバイザー(衣料管理士)の筆者がお伝えします。

■衣類による肌トラブルの種類

衣類を含む繊維製品による肌トラブルは、刺激性皮膚炎アレルギー性皮膚炎に分けることができます。


刺激性皮膚炎は字の通り、肌がなんらかの刺激を受けることで起こり、アレルギー性皮膚炎は、一般的なアレルギー症状同様、アレルゲンを排除するための過剰な免疫反応により、ある日突然に起こることが多いです。実際に症状からこのふたつを区別することは難しいですが、いずれにしても湿疹など目に見える症状が出たら、原因物質を取り除き、専門医の診察を受けるのがおすすめです。


縫い目が当たる、ウールのチクチクでこすれる、などによって、赤くなる、かゆみが出るなどの症状が見られることがあります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方は、これらの刺激によって症状が悪化する場合があるので要注意です。

■トラブルが起こりやすい衣類

肌トラブルが起こることが多い衣類はセーターやカーディガン、ブラジャー、靴下など。また衣類の素材別にみると、化学繊維が最も多く、次に多いのが毛というデータがあります。


ちなみに化学繊維とはポリエステル、ナイロン、アクリルなどのこと。石油などを原料として化学的に合成された繊維で、「カタカナで書かれたもの」のほとんどが化学繊維です。


これに対して綿、麻、毛、絹は天然繊維といい、原料が自然の中にあるものをいいます。一例を紹介すると、綿、麻は綿花や苧麻(ちょま)などの植物から、毛は動物の毛からできています。よく使われる「ウール」は羊毛(羊の毛)のこと。高級品としても有名な絹(シルク)は蚕の作る繭からできています。

■肌トラブルの原因と対処法

肌トラブルを発生させてしまう原因を見極めて、しっかり対処することが大切です。以下に、代表的な原因をご紹介します。


・繊維の水分量

衣類に必ずついているタグには、綿、毛、絹、ポリエステル、ナイロンなどと書かれていますが、これが繊維の名前です。


繊維の性質はそれぞれ異なりますが、肌トラブルにおいては「水分をどのくらい含むか」、「静電気の起こりやすさ」が重要になります。繊維の水分が少ないと肌の水分を奪い乾燥させ、カサカサやかゆみの原因になりますし、同時に静電気も起こりやすくなるためです。


基本的に化学繊維よりも天然繊維のほうが水分量は多いのですが、レーヨンは絹と同じくらいの水分量をもちます。肌が乾燥しやすい人は、水分量の多い天然繊維やレーヨンでできた衣類を身に着けるといいでしょう。


・布の表面状態

でこぼこや毛羽があると、肌触りがよくありませんし、トラブルの原因になりますね。これは、繊維そのもの性質より、糸や布の滑らかさによる影響です。


繊維には短いものと長いものがあり、短い繊維から作られる糸と長い繊維から作られる糸では触ったときの滑らかさが異なります。綿や毛は短い繊維なので、糸にすると表面に毛羽(チクチク)ができますが、絹や化学繊維は長い繊維なので、毛羽がなく滑らかな糸になるため、当然布としての滑らかさにも差が出てくるのです。


織り方や編み方でも違いが出てきますから一概には言えませんが、水分量と滑らかさという点からすると、水分を多く含んでいて表面が滑らかな絹やレーヨンは肌に優しいといえるでしょう。


・施されている加工

衣類を鮮やかに彩るための染色や、しわになりにくくアイロンがけの手間が省ける加工、紫外線をカットする加工、汗の臭いが抑えられる加工など……。これらの加工は多くの場合、化学物質によって行われます。


ここで誤解のないように書きますが、化学物質が危険というわけではありません。加工に使われる成分が表示されることはありませんから、私たち消費者が直接知ることはできませんが、使用される物質や量は法的に規制され、その安全性は保障されているもの。ただ、肌の状態には個人差がありますので、人によってはトラブルになることもあるのです。加工された衣類を着て何か不調を感じたら着るのをやめたり、1度洗ってから着るたりするといいでしょう。


・洗剤、柔軟剤

衣類に特別な加工がされていなくても、私たちが日常的に使っている洗剤や柔軟剤が衣類に残っていれば、肌トラブルの原因になる可能性も。これを防ぐためには、使用量と使用法を守ることが大切です。香りを残したいからといって、適量より多く投入するのはやめましょう。洗剤を多く入れても汚れ落ちがよくなるわけではありませんし、柔軟剤を多く入れると、吸水性が悪くなることもありますよ。



衣類は直接、肌に接触するものですから、素材も含めてよく理解し、自分の肌の状態にあったものを上手にチョイスしていただきたいと思います。



(Yukie Karube/テキスタイルアドバイザー)