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「レバー」だけじゃない!貧血予防につながる食事のポイント

2017.10.19

「レバー」だけじゃない!貧血予防につながる食事のポイント


なんとなく体がだるい、眠っているはずなのに疲れが残っている、顔色もなんだかすぐれない、爪も割れやすい……。これらの症状には、「貧血」が隠れている可能性があります。特に女性は、貧血に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「食事面から貧血を防ぐ方法」を栄養士の筆者が解説します。

監修協力



岡村信良医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■そもそも「貧血」とは?

貧血は血液の赤血球の量(男性410~530,女性380~480)や赤血球中に含まれるヘモグロビンの量(男性13g/dl,女性12g/dl)が基準値より少ない状態のことをいいます。


通常、ヘモグロビンは血液の中でタンパク質と鉄が結合してできていますが、この鉄が酸素をとらえ体のすみずみに運ぶ大切な役割を担っています。しかし、貧血になると体へ十分な酸素を届けることができず、体は酸欠状態となってしまうのです。

■たかが貧血、されど栄養障害の貧血

貧血といってもいくつか種類があります。代表的なのが鉄欠乏性貧血で、書いて字のごとく鉄分が不足して起こります。


そのほかには、巨赤芽球性貧血といって赤血球をつくるために必要なビタミンB12や葉酸が不足して起こる貧血や、血球をつくる骨髄中の造血幹細胞が障害され血球成分が十分に作られなくなるために起こる再生不良性貧血、先天的・後天的に赤血球の寿命が早く尽きてしまうことで生じる溶血性貧血などがあります。

■鉄欠乏性貧血の原因は?

貧血の種類の中で最も多く、全体の7割を占めるのが鉄欠乏性貧血です。鉄が不足する原因には下記があります。

  • 1.鉄を体外に多く喪失してしまう場合

  • 2.鉄を消費する需要が高まる場合

  • 3.鉄を体内に入れる量が少ない場合

1は大量に出血してしまったり、女性では毎月の生理によって鉄分が失われることで起こります。2は思春期、妊娠・出産・授乳期に血液が多く必要となって起こり、3は過度のダイエットや極端な偏食により起こります。


厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査によると、ほとんどの年代の女性が1日に必要な鉄分推奨量を満たしていないという調査結果になっています。

■“鉄欠乏性貧血”の予防につながる食事のポイント

貧血だったら「鉄分」だけをとればよいか、というとそうではありません。鉄を効率よく摂取するポイントを知って、上手に貧血予防をしましょう。


【ポイント1】2種類の鉄分がある

食品に含まれる鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。ヘム鉄はレバーや赤身の肉・魚などに多く含まれるもので吸収率は15~25%です。一方、非ヘム鉄はほうれん草やひじきなどに含まれ吸収率は2~5%しかありません。鉄不足の方は積極的にヘム鉄から摂取することが望ましいです。


【ポイント2】鉄分の吸収率をアップさせる食品をとる

鉄分はポイント1で示したように吸収しにくいミネラルですが、この鉄分の吸収率を高めるお助け栄養素があります。それが、ビタミンC。


しかし、ビタミンCは熱に弱いという特徴があるので、加熱せず食べられる果物や加熱しても壊れにくい性質を持つイモ類からの摂取がおすすめです。もうひとつ大事な栄養素がたんぱく質。たんぱく質は鉄と結び付き吸収を促進します。肉・魚・卵などに含まれる良質のたんぱく質は欠かさずとってくださいね。


【ポイント3】とりすぎ注意!の栄養素

食品には鉄分の吸収率をダウンさせる栄養素もあります。それは緑茶・紅茶などに含まれるタンニン、玄米などに含まれるフィチン酸・リン酸塩、野菜に多く含まれる食物繊維、牛乳などに含まれるカゼインなどがあります。


通常の食事なら問題ないといわれていますが、とりすぎには注意してくださいね。



貧血は気づかないうちに進行している場合が多いです。自覚症状がなくても、偏った食生活をしている人や、過度なダイエットをしている人は注意が必要です。


月経があり妊娠・出産を経験する女性は特に鉄欠乏貧血の状態にある可能性が高いので、今一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか?また、貧血には食生活では改善が難しい種類も存在するので、食生活を見直しても症状が改善しない場合は一度お医者さんに診てもらうことも忘れないでくださいね。


(執筆 大賀早希/管理栄養士-健康検定協会-)