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女性の水虫、コレが原因!臨床内科専門医が教える自分対策とは

2017.10.24

女性の水虫、コレが原因!臨床内科専門医が教える自分対策とは


足の指がむずがゆくて、皮ふがカサついている……。これはまさか水虫!? 臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は「水虫は男性がなるものと思いがちですが、女性の水虫患者は増えています。ハイヒールやブーツなど女性の足元のファッションも影響しています」と話します。詳しいお話を聞いてみました。

取材協力・監修



正木初美氏


日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。内科、リハビリテーション科とともに、漢方治療、更年期外来、禁煙外来を行っている。


正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9

http://www.masaki-clinic.info/

■カビの一種が皮ふの角質層に寄生する

女性にとって水虫とは、ショッキングな症状でもあります。まず、どうして水虫になったのかが気になるところです。正木医師はその原因と症状について、次のように説明します。


「水虫は厳密には、カビの一種の白癬菌(はくせんきん)が皮ふの角質から検出されるかどうかを顕微鏡で調べて診断します。白癬菌は皮ふの角質層に寄生して、角質に含まれるケラチンというタンパク質を栄養源とする水虫の原因です。


感染すると、かかとがガサガサして粉をふく、指の間の皮ふがカサついてめくれる、または皮ふが湿ってジュクジュクする、足の裏、ふち、指のつけ根などに小さな水ぶくれができるといった症状を引き起こし、『足水虫』とも呼ばれます。


治療せずに放置すると、やがて白癬菌はツメの中にも侵入し、ツメの表面が白濁して厚くなる『ツメ水虫』になります」


女性は自分が水虫になると想定していないことが多いと思いますが、さらに正木医師は、「菌を排除するには一定の時間がかかり、簡単には治りません」と警告します。

■水虫の菌は高温多湿な靴の中が大好き

では、若い女性に水虫が増えていることには、何か理由があるのでしょうか。正木医師は、女性のファッションと水虫の関係についてこう話します。


「白癬菌は手や体にも感染しますが、多くは足に寄生すると言われます。これは、靴を履いている足の環境が、菌にとって過ごしやすい高温多湿だからです。


特に、ストッキングを履いている場合、ストッキングには吸水性がないので、足が蒸れやすくなるでしょう。


また、ハイヒールやミュールにありがちなつま先が細いデザインの靴では、足の指先がくっつくために湿りやすく、菌が繁殖する原因になります。


それに、夏にサンダルやミュールを素足で履いた場合、通気性がいいからと油断しがちですが、実は足は汗をかきやすいためにかなり蒸れています。


さらに、ブーツや合成皮革の靴は通気性が悪いために非常に蒸れやすく、靴の中の湿度が高くなって水虫の好む環境になっています」

■水虫は感染症。菌に対抗する薬でのケアが必要

女性は自分の水虫に気づかない場合が多いと聞きます。正木医師はそれについて、次の説明を続けます。


「水虫を見慣れていなくて、軽症の場合は気づかないことがあります。足のどこかにかゆみがあった場合は水虫を疑い、先ほどお話した症状を目で見て確認してください。また、気づいたとしても、当初は『皮ふがむけた傷だ、すぐに治る』と勘違いしている人もいます。


水虫は感染症であり、切り傷や擦り傷とは違うので、注意深くケアする必要があります」


すると、水虫になったらどうすればいいのでしょうか。


「できるだけ早い段階で、抗真菌薬を患部に塗布して白癬菌を死滅させます。初期では市販の薬も有用でしょう。しかし、2週間使用しても改善しないようであれば、重い水虫か別の皮ふの病気であることも考えられるので、皮ふ科か内科を受診しましょう。


放置すれば菌が増えるだけで治療期間も長くなり、ツメ水虫になると病院で治療しても半年~1年近くかかるケースがあります。また、水虫は治っても再発率がとても高いという特徴があるので、治っても予防する必要があります」と正木医師。


病院での水虫治療はどのような内容になるのでしょうか。


「症状を診て、足水虫の場合は先ほどお話しした塗り薬の抗真菌薬を処方します。しかし、ツメ水虫がある場合は、塗り薬では有効成分がツメの中まで届きにくいため、内服薬が第一の選択になります。内服薬は副作用やほかの薬との相互作用を慎重に見るため、定期的な血液検査が必要です」と正木医師。水虫は予想以上に手ごわいようです。

■人の水虫に注意し、靴下を履き替えて乾燥を保つ

では次に、「水虫の対策には足を清潔に保ち、白癬菌が好む多湿な環境を作らないことが何よりも重要」と話す正木医師に、自分でできる具体的なケアと予防法を5つ、教えてもらいました。


  • (1)家族やパートナーの水虫に注意する

水虫は他人からも感染するので、家族やパートナーに水虫患者がいる場合は、スリッパを履いてもらい、風呂上がりに同じマットを使わないようにします。また、入浴施設などでも他人のスリッパを履かない、共用のマットを避けるなどしてください。


  • (2)1日1回は足を洗う

白癬菌は、足についても角質に入り込むまでに24時間程度かかるので、最低、1日1回は足をきれいに洗います。石鹸を泡立てて指の間まで、手で軽く洗いましょう。


  • (3)足に汗をかいたらすぐ乾燥させ、靴下を履き替える

靴の中で足が蒸れていると感じたら、靴と靴下を脱ぎ、速やかに足を乾燥させてください。そして、替えの靴下を持ち歩き、頃合いを見て履き替えましょう。これは水虫だけでなく、靴や足の臭いを防ぐ上でも効果があります。


  • (4)同じ靴を毎日履かない

1日履いた靴は湿気を多く含み白癬菌が繁殖しやすくなります。3~5日は履かずに乾燥させましょう。


  • (5)靴下の素材は木綿か麻

靴下はナイロン製を避け、吸水性の高い木綿や麻素材を用いましょう。足の指がくっつかない五本指ソックスも予防に有用です。



水虫はすぐそこにある危機であることがよく分かりました。ストッキングやハイヒール、ブーツを履かない生活は難しいので、まずは足を清潔にしてマイソックスを持ち歩き、できるだけ足を乾燥させ、また少しでも水虫を疑う場合はすぐにケアを開始しましょう。


(取材・文 小山田遥/ユンブル)