目覚ましが鳴ってもなかなかベッドから出ることができず、もう少しだけと今日も二度寝……。毎日、そんな朝を迎えてはいませんか。理学療法士でプロトレーナー、アース鍼灸整骨院(千葉県市川市)の仲川豊基(なかがわ・とよき)院長は、「目覚めのツボを刺激して軽いストレッチをする習慣を身につけると、やがてすきっと目覚められるようになります。血流が促されて朝のぼうっとした感覚も和らぎます」と話します。そこで、具体的な方法をレクチャーしてもらいました。

取材協力・監修



仲川豊基氏


鍼灸師。理学療法士。パーソナルトレーナー。アース鍼灸整骨院院長。


アース鍼灸整骨院: 千葉県市川市1-24-3パークテラス市川1F

http://earth-seikotsuin.com/

■ツボ押しで目を覚まし、ストレッチで動く体勢を作る

二度寝したい人に向けて仲川さんは、「ベッドから出ることなく寝ている体勢でできるツボの刺激とストレッチを紹介します。目が覚めたら、まずは手を動かすだけのツボ刺激で頭を徐々にすっきりさせて、次にストレッチでスムーズに体が動かせるようにしましょう」と、次の4つの動きを提案します。


  • (1)ツボ・天柱(てんちゅう)を刺激する

首のつけ根から上の頭部を「天」と表し、「柱」は大切な部分を支えるという意味があります。自律神経の働きを調整し、血圧を安定させるツボとして知られ、頭痛や目の疲れ、肩こり、低血圧、高血圧、のぼせ、冷えなどに作用します。頭部の血流を促進するので、頭のぼんやりした感覚が晴れていくでしょう。


位置

首の後ろの中央にあるくぼみの両側に、縦に伸びる2本の太い筋肉があります。その筋肉の上端のやや外側。左右にあります。手の指で刺激して、イタ気持ちいい場所を探しましょう。



刺激法

寝ている状態のまま、頭の下に両手を入れ、おや指の腹でひと押し10~20秒を2・3回繰り返します。その流れで、指の腹で頭のてっぺんをはじめ、あちこちを刺激してみてください。首と頭にはツボが集中しています。


  • (2)ツボ・足臨泣(あしりんきゅう)を刺激する

涙が出る目を「泣」と表し、目の上を臨むところにあるツボを「頭臨泣(あたまりんきゅう)」と呼びます。体の上下で頭臨泣と対応する関係にあるツボが足臨泣です。血流を促進する作用があり、頭痛を改善するツボとして知られます。押すとずんと響く痛みがあり、その刺激でも覚醒することができます。


位置

足の小指とくすり指の骨のつけ根が交差する部分。左右にあります。



刺激法

仰向きに寝たまま、一方の膝(ひざ)を立て、そのふとももにもう一方の足を乗せます。乗せた方の足のツボを手のひとさし指で10~20秒ほど刺激し、2・3回繰り返します。左右の足で交互に行いましょう。同時に、おしりのストレッチも行うことになり、下半身の血流が促されます。


  • (3)ストレッチ・寝たまま腰ひねり

睡眠中は同じ姿勢を続けていることが多く、体重がかかる部分が圧迫を受け、血流が滞りがちになります。特に寝返りが少なかった場合は、目が覚めたときに肩や腰が痛いことがあるでしょう。睡眠中に硬くなった腰と背中とけんこう骨のコリこりをほぐし、次の動作に移りやすい状態を目指しましょう。


方法

仰向きで両手を肩の高さに広げ、できるだけ両方の手と肩をベッドにつけたままで腰を左にひねります。右の足は左の足をまたぎ、首はやや右の方向へ回して10~30秒キープ。右の膝(ひざ)がベッドにつくまでひねることが理想ですが、体が硬い場合は無理をせず、膝が浮いてもかまいません。次に、右側にも同様にひねり、左右交互を1回として、2・3回繰り返します。


  • (4)ストレッチ・腰上げ胸ひらき

寝起きでぼうっとしているとき、胸の筋肉を大きく開くように伸ばすと酸素を多く吸って全身の血流を促すので、頭も体も覚醒します。首や肩、けんこう骨のコリをほぐし、また、背中とおしりの筋肉に力が入って猫背予防にもなるストレッチです。


方法

仰向きに寝たまま、両方の足のひざを骨盤の幅で自然に立てます。次におしりを浮かせて腰を上げ、腰の下で左右の手を組み、胸を開くようにしてけんこう骨を寄せます。腰と背中、おなか、ふとももと、広い範囲の筋肉に力がはいるでしょう。自然呼吸を続けながらその状態を10~30秒ほどキープ。その後、手をほどいてゆっくりと腰を落としましょう。肩や頭部だけでなく、両腕でも体重を支えるようにすると楽にできます。この動作を2・3回繰り返しましょう。




最後に仲川さんは、これらストレッチをしたときに体が硬いと感じる人に次のアドバイスをします。


「(3)と(4)のストレッチは骨盤やけんこう骨を柔軟にする動作です。特に日ごろから運動不足の人は年齢とともに硬くなりやすい部位で、全身の血流と深く関係します。これらを毎朝続けると、10日~2週間で関節の動きや周囲の筋肉が柔軟になることが実感できるでしょう」


寝起きに試してみたところ、じわじわと目覚めていくこと、また体のこわばった感覚が和らぐことを実感しました。自然に起き上がって朝の支度にすんなり入ることもできた次第です。ぜひ継続したいものです。


(取材・文 小山田淳一郎/ユンブル)