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本当にダイエットの敵?コレステロールについて知ろう!

2017.03.31

本当にダイエットの敵?コレステロールについて知ろう!


『コレステロール』と聞くと、良いイメージが浮かばないという人もいるのでは?それは、健康診断や婦人科検診の結果等で「コレステロール値が高いので要観察」とか、「コレステロールはダイエットの“敵”」と言われることが多いからではないでしょうか。


悪者のイメージが強いコレステロールですが、本来は私たちの体に必要不可欠な成分なのです。今回は、コレステロールの基礎知識と数値を改善するためのポイントを、栄養士の筆者が解説します。

■コレステロールって悪者?

コレステロールとは脂質の一種。私たちの体は約60兆個の細胞からできているのですが、その細胞の膜を作るために必須で、生きていくために欠かすことができない成分でもあります。


コレステロールは“肝臓”で作られ、血液にのって体中に送られます。これをLDL、いわゆる“悪玉コレステロール”です。


そして、体内で使われず余ったコレステロールは肝臓に戻されるのですが、その戻す働きをするのがHDL“善玉コレステロール”と呼ばれるものになります。


「悪玉」というと体に悪さばかりしそうですが、体にコレステロールを配るのが悪玉、お掃除役が善玉、どちらも重要な働きをする物質で悪者というわけではありません。

■コレステロールは体に必須!

体に運ばれたコレステロールは、細胞膜の成分になる以外にも、骨や免疫に関係する“ビタミンD”の合成に使われたり、心身の活動力を高めてくれる副腎皮質ホルモンの原料になったりします。


また脂質の消化を助けてくれる胆汁酸の原料にもなり、食事からの脂質の消化吸収を促進してくれます。さらに、体の細胞の動きを調節したり、摂取した栄養分の吸収等にも関わっていたりします。

■LDL値が正常でも病気リスクあり!?

このように、悪玉コレステロール(LDL)は、体の各部分に必要なコレステロールを運ぶ重要な役割を担っていますが、体内にLDLが多くなりすぎると、HDLがお掃除しきれず、LDLが血管壁にこびり付いてしまいます。


そうすると血管内が狭くなり、血液が流れにくく動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等の病気リスクを高めてしまいます。


特にお掃除役のHDL値が低く、配達役のLDL値が高い人は、血管内にコレステロールが沈着しやすいので要注意です。LDL値が正常であっても、HDL値が低いと、病気リスクが上がります。


「LDL値÷HDL値」を計算した際に、1.5以下であれば、血管内が健康、もし2.0以上の場合は動脈硬化、それ以上の数値は血栓ができている場合もあるので、早めに専門医に診てもらいましょう。

■数値を改善するためのポイント

では、コレステロール値はどう調整すればよいのでしょうか。「卵を食べない」「イクラを食べない」という人も多くいますが、摂取を制限することでコレステロール値が下がるわけではありません。


というのも、体内のコレステロールは食事から摂取したものと、肝臓で合成されたものがあり、体で使われるコレステロールの約70%は肝臓で合成されているからです。


食事からコレステロールを多く摂ると肝臓での合成量は減り、逆に少なく摂ると合成量は増えるように調整されるので、コレステロールの多いものを食べたからといって、血液中のコレステロールが急激に上がるということはありませんし、逆に食事での摂取を制限したからといって、血液中のコレステロール値が顕著に下がるわけでもありません。


そのため、現在のところ「食事から摂るコレステロールの摂取目標量」の設定はされていません。ただ、体内のコレステロール値を低くする効果が期待できる食べ物はありますので、それらをご紹介します。

  • 大豆製品:納豆、おから、豆腐 等

  • 魚介類:さんま、いわし、さば、たこ、いか 等

  • 野菜類:緑黄色野菜、玉ねぎ、しいたけ、大根 等

  • 果物類:グレープフルーツ、りんご、レモン、桃、梨 等

  • 海藻類:こんぶ、わかめ、めかぶ 等

  • そのほか:こんにゃく、ごま、オリーブ油、ナッツ類 等

数値が気になる方は、上記の食品を日々の食事に取り入れていくといいですね。


また、ほかにも糖質を減らす、運動不足を解消する、禁煙をする、禁酒をする、ストレスを軽減することは、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールが減る要因にもなります。


暴飲暴食によって摂取カロリーが増えすぎると、体内でのコレステロール合成を促進してしまうので、食べ過ぎにも気をつけたいですね。



悪者のイメージが強いコレステロールですが、私たちの体にとって必要不可欠な成分であることに間違いありません。


イメージに捉われ過ぎて完全に除去しようとするのではなく、正しい知識を持って、適切な量をしっかり摂取していくことが大切。万が一、婦人科検診等で適正値を超えてしまっていた場合は、自己判断で薬を服用したりせず、医師と相談して、現状の生活習慣や食生活を見直したり、糖尿病や高血圧など、ほかの病気因子がないかも確認してもらうと安心ですね。



(相川香/栄養士-健康検定協会-)