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親知らずが生えてきた…。やっぱり抜くべき?抜かなくてもいい?

2017.11.22

親知らずが生えてきた…。やっぱり抜くべき?抜かなくてもいい?


「昔の人は親知らずを抜いていたけど、今って抜かないほうがいいんですよね?」とよく質問されます。結論から言いますと、親知らずは抜く必要がない場合もありますが、結果的に抜いたほうがいい場合もあります。


親知らずとは、第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)、智歯(ちし)とも呼ばれ、18歳頃から20代にかけて生えてくる、前歯から数えて8番目の奥歯のこと。上下合わせて4本すべて生えてくる人もいれば、もともと親知らずが形成されず、生えないままの人もいます。


今回はそんな「親知らず」について、歯科医の筆者が解説いたします。

■親知らずはなぜ生えるの?


多くの方が、生えてきても抜いてしまう親知らず。結果的に「抜く」ことになるのに、なぜ生えてくるのでしょうか。


それは、「昔は硬いものを毎日食べ、今よりも歯を酷使していたため」です。小さい頃から硬いものを食べていると、大人になるまでに歯を磨耗してしまうので、新しく生えてくる親知らずは大変重宝されていました。


しかし、現代はそこまで硬いものを噛むことも歯が磨耗することもなくなり、親知らずの必要性はなくなってしまったと考えられています。そもそも親知らずが形成されない方や、顎の小ささから親知らずが横向きに生えてしまう方が多くなりました。


では、現代の私たちは親知らずとどのように付き合っていけばよいのでしょうか。

■「抜かなくてもいい」親知らずとは?

親知らずが縦にまっすぐ、ほかの歯と同じようにきれいに生えてきた場合には抜く必要がありません。そのときに上下の歯で噛み合っているのが理想です。このような場合には食事でも親知らずが役に立ち、ほかの歯の負担軽減にもなるので、抜かずに大事に使っていきましょう。


また、親知らず以外の歯が虫歯になって、神経をとり歯としての寿命が短かくなっている場合、今後ほかに抜くことになりそうな歯がある場合は、親知らずを移植することができます。親知らずの手前の歯を抜いた場合は矯正して全体を動かすことも可能なので、抜かずに保存しておくといいでしょう。


そのほか、顎の中に歯が完全に中に埋まっていて生えてこない親知らずは、無理に抜く必要はありません。

■親知らずが生えてきたら、どうしたらいい?


親知らずが生えてきたら、ていねいにケアしましょう。


親知らずは一番奥の歯なので、大きな頭の歯ブラシでは毛先が当たらず、磨き残しが起こってしまいます。意識して歯磨きをしないと汚れがたまりやすいので、あっという間に虫歯になってしまうでしょう。


せっかくきれいに生えてきた親知らずでも、虫歯になると結果的に抜いてしまったほうがよくなります。そうならないためにも、ていねいに歯磨きを行うようにしてください。

■やっぱり「抜いたほうがいい」親知らずとは?

もし親知らずが「斜め」や「横」に生えてきて、歯茎を被っている状態なら、抜くことをおすすめします。親知らずと手前の奥歯との間にポケットができ、汚れがたまりやすくなってしまうからです。歯茎の中にたまった汚れは、すべて歯ブラシで取り除くのは不可能になります。


そうなると親知らずだけでなく、ほかの歯を虫歯にしたり、歯周病・歯肉炎になったりしてしまいます。歯茎の炎症が悪化すると顔半分が腫れたり、顎から喉のほうまで痛みがでて、眠れないほど悪化してしまうことがあります。


親知らずの手前の奥歯は、おいしく食事をしていくためにはとても大切な歯。大事な歯の寿命を延ばすためにも、何度も歯茎の炎症を起こしたり、斜めや横に生えてしまったりしている親知らずは抜いたほうがいいでしょう。

■親知らずを抜くタイミングって?


怖くてなかなか親知らずを抜く決心がつかない方はたくさんいると思います。親知らずを抜いた方の体験談を聞くこともあるかと思いますが、親知らずの生えている向きや歯の大きさ、根の形などで、抜歯の難易度はかなり変わってきます。


麻酔をしてから10分もかからずに抜ける歯もあれば、歯をいくつかに削り分けてとったり、骨を削ったりしないと抜けない歯もあります。


たとえば、急性の炎症が起こっている場合。「痛いので早く抜いてください!!」という患者様もいらっしゃいますが、炎症が起きている間は麻酔も効きにくく、治りも悪くなってしまうので、どんなにすぐ抜いてほしいと訴えられても消炎してからではないと抜くことはできません。


また、虫歯が酷い場合は歯が柔らかくなっており、力をかけると歯が砕けてしまうため、簡単に抜けないこともあります。


そのほか、年齢を重ねるほど老化現象で骨は硬くなるので、歯が抜きづらくなってしまいます。


親知らずは抜く必要があるなら後回しにせず、なるべく早く抜いてしまうことをおすすめします。恐怖心が強い方には、静脈内鎮静法といって、点滴をしながら半分眠っているような状態で抜歯をするという方法もあります。これであれば、全身麻酔のように大がかりではないものの、気づいたら抜歯が終わっているので安心して抜歯ができるのではないでしょうか。かかりつけの歯科で相談してみてくださいね。



妊娠中や旅行中、出張中など、抗生物質や鎮痛剤などの薬を使えない状態や、クリニックにすぐ行けない状態のときに親知らずが痛むと、本当につらい思いをしなければいけません。抜歯が必要であればタイミングが重要となりますので、早めに検討していきましょう。


(執筆 菊地由利佳/歯科医師-健康検定協会-)

●毎日の歯磨きも丁寧に!

親知らずの近くは、歯茎の肉が盛り上がっていて磨きにくくなっているから、虫歯の原因に。

毎日の丁寧な歯磨きを習慣づけましょう。

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(マイカラット編集部)