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症状によって使い分けよう。冷え性のタイプ別・漢方薬の選び方

2017.11.20

症状によって使い分けよう。冷え性のタイプ別・漢方薬の選び方


冷え性は、西洋医学的には「改善させるのは難しい」といわれています。大半の場合には、それぞれの生活習慣や体の筋肉量、精神的なものも関係すると考えられているためです。ですから、まずは自分の状態を知ることが大切になります。


今回は、東洋医学の視点から「冷え性を和らげる漢方処方」をお伝えいたします。

■「冷えは万病の元」といわれる理由

冷え性は、季節を問わず見られやすい不調のひとつです。特に女性は筋肉量が少ない傾向にあるため不調の原因となりやすく、冬の季節的な冷えから夏の冷房による冷えまで様々です。冷え性の症状はひとりひとり原因が違う場合が多く、「個人的な感覚」である場合もあります。


特に手足の末端、下半身、お腹などが冷えやすい傾向にあります。冷えは肩こり、頭痛、生理痛、腰痛、不眠症、下痢、慢性疲労などの不調にもつながる可能性があります。これが「冷えは万病の元」といわれる理由なのです。

■冷え性のタイプ別・おすすめ漢方処方

冷え性には3つのタイプがあります。それぞれ冷えが起きる場所にも違いがありますので、自分の症状と比較しながらどれに当てはますか考えて対策をしてみましょう。

1.体で熱を生み出せない冷え性

筋肉が少ない女性に多い傾向がある冷え性のひとつです。虚弱体質・胃腸が弱い・無理なダイエットなどが原因になることもあります。このタイプの人は、全身性の寒がりの傾向があります。また、エネルギーを作る力が足りなくなってしまって疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりしてしまうことも。


漢方は体からしっかりと熱を作れるように促してあげるものを選びます。これによって疲れやすさや、食欲不振、頭痛などの症状が和らいでいきます。

【おすすめ漢方処方】

人参湯、十全大捕湯、真武湯など

2.血液の流れが悪くなって起こる冷え性

血流の流れが悪くなることで、熱が全体に運ばれなくなってしまいます。このタイプの人は、手足の末端冷え性の傾向があります。血液の栄養も手足の末端に行き渡らなくなってしまうので注意が必要です。漢方は、しっかりと全身の血液を巡らせて熱を末端まで行き届かせるものを選びます。

【おすすめ漢方処方】

当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯、加味逍遥散、桂枝茯苓丸など

3.水分が体に留まりすぎて起こる冷え性

体の水分量が多すぎたり、偏っていたりすると、水分がたまっている場所で冷えが起きる場合もあります。頭痛やむくみ、耳鳴り、頻尿などの症状が現れます。

漢方は、体の水分のバランスを整えてくれるようなものを選びます。

【おすすめ漢方処方】

当帰芍薬散、苓姜朮甘湯など

■ストレスが冷え性の原因になることも…?

上記で説明した以外に、「ストレス」による冷えが最近増え始めています。働く女性に多く、ストレス発散がうまくできないことから自律神経が乱れ、体全体が冷えてしまうと考えられます。漢方は、ストレス緩和につながるようなものを用いるといいでしょう。

【おすすめ漢方処方】

半夏厚朴湯、香蘇散、抑肝散加陳皮半夏、柴胡加竜骨牡蛎湯など


手軽にできる冷え性対策としては、やはり「体を温めること」がおすすめです。漢方だけにたよるのではなく、しっかりと湯船につかる、氷が入った冷たい飲み物は控える、羽織れるものを持ち歩く、なども意識してみてくださいね。


(執筆 宮本知明/薬剤師-健康検定協会-)