髪の生え際からぴょんぴょん跳ねてしまう「アホ毛」。普段はあまり気にしていなくても、写真を撮ったときなどに意外と目立つものなんですよね……。定期的に美容室でトリートメントをしているし、ホームケアも怠っていないのに一体どうして? 気になるアホ毛の対策について、美髪アドバイザーの寺村優太さんに聞いてきました。

取材協力・監修



寺村 優太 さん


美容師・美髪アドバイザー。表参道のサロン「Lily」に所属。2016年12月に初の著書『前からも後ろからもキレイがあふれる 美髪のルール』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版。


▼Lily

https://beauty-architect.com/lily/

■アホ毛が目立ちやすい人は「クセ毛体質」

――そもそもアホ毛の正体とは一体なんなのでしょうか?


寺村さん

髪の表面に飛び出てしまう短い毛のことです。髪の毛は一日に50〜100本ほど抜けて、同時に新しい毛が生えてきて、常に一定量が保たれています。人間の髪の毛は、平均10万本が生えていると言われているんですが、この10万本の中に50〜100本の短い毛が毎日生えてきているということなんです。これが少しずつ伸びてきて、髪の表面に出てくると、アホ毛に見えるんですよ。


――アホ毛は、枝毛や切れ毛ではなく、成長途中の毛のことなのですね。


寺村さん

枝毛や切れ毛は、生え際ではなく、毛先が傷んだときに発生するものです。一般的にアホ毛と呼ばれるものは、頭部に飛び出ている毛を指すので、枝毛や切れ毛とは別物ですね。


――アホ毛が極端に多いという人は、一体何が原因なのですか?


寺村さん

多少の個人差はありますが、女性の髪は、4〜7年は成長し続けると言われています。アホ毛が多い原因としては、ストレスや栄養不足などで、髪の成長に時間がかかってしまうことが挙げられますね。でも毛は毎日抜けてしまうもの。薄毛に悩む方も、抜ける本数は変わらずに、毛が生えるのに時間がかかってしまうことが原因だと言われます。


あと、女性の場合は、妊娠出産などホルモンバランスが変わる時期に、抜け毛が増えることがあるので、アホ毛ができやすくなりますね。


――誰しも成長途中の毛は一定数あるとのことですが、アホ毛が目立ちやすい人と目立ちにくい人の違いってなんですか?



寺村さん

目立つ人は、クセ毛体質の場合が多いです。基本的にどんな人でも何かしら髪のクセを持っているものなのですが、髪の毛が長いとクセは落ち着くんです。バネも、下に重りを付けると真っすぐ伸びますよね。これと同じ原理で、髪も伸びれば伸びるほど重力を受けてクセが緩やかになります。逆に、髪が短いとそれだけクセが出やすいので、毛が立ち上がりやすくなるんですよ。だから直毛体質の方は、髪がまとまりやすくて、アホ毛が目立ちにくいですね。


あとは毛の硬さにもよります。毛質が硬い方も毛が立ち上がりやすくなり、柔らかい方は毛が立たずに落ち着きやすいです。

■アホ毛が増える原因は美容室でのオーダーに問題があった!?

――定期的に美容室に行っているのにアホ毛の悩みが解消されないと悩む人もいると思うのですが、その原因ってなんですか?


寺村さん

カットの仕方にあります。「毛量が多いから髪をすいてほしい」というオーダーをしてしまう人って少なくないんですよね。美容師からしても、髪をすいて一時的に量を減らして形を作るというのは正直手っ取り早いんです。でも、髪をすくことによって、せっかく伸びてきた髪の毛を短くしてしまっていて、それが飛び出てアホ毛になっているんです。


――それでは、毛量が多い人はどうしたらよいのですか?


寺村さん

そもそも髪の量は、みなさんあまり変わらないんですよ。もちろん多少の個人差はあれど、髪が生える面積も、毛穴の数もみんなほとんど変わりません。中には、1つの毛穴から2~3本毛が生えていて髪の量が多い人もいますが、美容師を長年してきて、このケースで髪の量が多く見えている人は極めて少ないです。髪が多く見える原因は、日本人の場合、髪が太いか、クセがあるか、傷んでいるか、の3つ。あるいはこれらの混合で髪が膨らんで見えるだけなんです。とはいえ、髪が太いというのは、解決できないので、多少すいてあげるというのも一つの手だとは思います。


――クセ毛の人がアホ毛を解消するためにできることはなんですか?



寺村さん

髪をむやみにカットしたり、すいたりするのをやめること。多少のアホ毛であれば、ヘアアイロンを通すことで抑えられます。あまりにアホ毛の量が多い場合は、縮毛強制をオススメします。もちろん、信頼できる美容師さんに相談の上、判断してくださいね。


――髪が傷んでいる人は、トリートメントなどをして髪をケアすればアホ毛が少なくなりますか?


寺村さん

トリートメントは、メイクに例えるとファンデーションです。あくまで誤魔化すためのものなんですよ。髪はもともと再生機能を持っていなくて、トリートメントをしたからといって、髪質がよくなるものではありません。だから、一時的に髪をキレイに見せたい場合に、トリートメントを使うのはいいと思います。でも、「なぜあなたの髪がトリートメントをしなくてはいけなくなったのか」を考えるのが重要ですよ。髪が傷んでいてアホ毛の悩みを持っている人が根本的な解決を目指すには、いい美容師さんを見つけて、的確なアドバイスをもらって、1年はかかると思います。

■アホ毛を減らすために今からできること

――ホームケアでできるアホ毛対策はありますか?



寺村さん

髪の乾かし方は、すぐにでも実践できます。アホ毛が立ちやすい部分を上から抑えるように乾かしましょう。あと、髪質とシャンプーが合っていないと乾燥してアホ毛が立ちやすくなります。髪がごわつく人はシャンプーを見直しましょう。


乾燥や湿気が多いシーズンでも髪が広がってアホ毛が目立ちやすくなるので、ヘアアイロンで髪を整えて、ワックスなどを使ってキープするといいですね。


――アホ毛が目立ちやすい人にオススメのヘアアレンジなどがあれば教えてください。



寺村さん

アホ毛は表面の毛が出ているだけなので、ハーフアップにして、手グシで整えて、ワックスで毛を抑えてあげれば見えなくなりますよ。ボブヘアの方は難しいですが、ミディアムやロングの方はぜひ試してみてください。毛先を軽く巻くだけでかわいいし、きちんとしているように見えるので、オフィスにも合います。


まずは、悩みに的確なアドバイスをくれる信頼できる美容師を探すことが大事だと話す寺村さん。髪質や毛周期は変えようがないですが、カットの仕方を変えたり、髪へのストレスを減らしたりすることでアホ毛は解決できます。もし、今回寺村さんが指摘したことを実践してしまっているならば、今すぐ改善しましょう!


(取材・文:阿部綾奈 編集:ノオト)