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肝臓が太るってどういうこと?「脂肪肝」を招く生活習慣

2017.11.16

肝臓が太るってどういうこと?「脂肪肝」を招く生活習慣


脂肪肝といえば、「お酒をよく飲む、太った人がなるもの」といったイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、脂肪肝になる方はこうしたイメージどおりの人だけではありません。


今回は「脂肪肝」について医師の筆者が解説します。今まで脂肪肝と無関係と思っていた方、症状もないから大丈夫だろうと思っている方……、これを機にご自身の生活を見直していきましょう。

■肝臓トラブルの原因とは?

肝臓は最大の臓器で、成人男性で1200-1400g、成人女性で1000-1200gの大きさがあります。栄養素の代謝、グリコーゲンの貯蔵、有毒物質の解毒・分解、免疫能、胆汁の生成などを行っており、人間にとって重要な臓器です。一方で、こうした色々な役目をしているために「負担がかかりやすい」臓器でもあります。


有名な肝臓トラブルには、『B型肝炎』や『C型肝炎』などがあります。これらはウイルス性の肝疾患ですが、肝臓はウイルスだけでなく、アルコールや食事の大量摂取といった生活習慣によりダメージを受けることがあるのです。後述しますが、『脂肪肝』はメタボリックシンドローム関連疾患が原因であることが多く、生活習慣が大きく関連しています。

■肝臓に悪い生活習慣って?

脂肪肝には、『アルコール性脂肪肝』と『非アルコール性脂肪肝』があります。


アルコール性脂肪肝は「5年以上にわたる過剰な飲酒(エタノール換算60g/日以上)」が主な原因であり、節酒ではなく禁酒を行う必要があります。


一方、非アルコール性脂肪肝は、「肥満」によるものがほとんどで、食生活の乱れや運動不足などが原因として考えられます。そのため生活習慣の改善や、減量、1日3回の食事や運動習慣をつけるなどの規則正しい生活、ドカ食いを避けるなど行っていく必要があります。


日本人の脂肪肝は、後者の「非アルコール性」のほうが多いとされています。ですから、たとえ「お酒をまったく飲まない人」でも、肝疾患を引き起こしてしまう可能性は十分考えられるのです。

■脂肪肝の症状は?

肝臓はよく「沈黙の臓器」といわれます。


これは、肝細胞が再生能力を持っており、たとえば肝臓を1/3切除したとしても再生する能力を持っているためです。ある程度の障害を受けても、代償作用が働き元に戻ります。


しかし、このような予備能力があるために、肝障害が進んでも症状が現れにくいのです。自覚症状が出るほどダメージを受けているのであれば、病気はすでにかなり進行している可能性もあります。


つまり、脂肪肝にはほとんど自覚症状がありません。ですから、健康診断の血液検査などで異常値が示された場合は、きちんと病院で相談するようにしましょう。脂肪肝は「肝臓に脂肪(実際には糖分なども含まれます)が溜まっただけ」と思いがちですが、その状態が進行すれば『肝硬変』となり、命の危険も考えられます。



脂肪肝は、とても身近な疾患です。しかし、上記にも述べたように、肝臓は沈黙の臓器といわれていますから、症状が出てからでは手遅れの恐れもあります。症状がなくても定期検診を受けることで、早期発見、早期治療につながります。生活習慣で思い当たる節がある方、お酒をよく飲む方は一度きちんと検査をしてみてはいかがでしょうか。


(執筆 岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)