昭和の時代には「にきびは青春のシンボル」なんて言い方がありました。たしかに思春期にはにきびができやすいのですが、最近では20-30代で「大人のにきび」に悩まされる人も多いですよね。今回はこの「大人のにきび」について解説します。
記事監修
桑原香織 先生
皮膚科医。東京医科大学卒業。同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積み、その後は都内皮膚科クリニックに勤務。現在は、一般財団法人中小企業衛生管理協会霞ヶ関診療所の産業医として就労者の健康管理に携わっている。
女医+(じょいぷらす)所属。
▼霞ヶ関診療所
■そもそもにきびはなぜできる?
にきびは、酸化した「皮脂」や古い「角質」が毛穴にたまり、それが固まることでできます。アクネ菌(皮膚に常在する菌のひとつです)が繁殖すると炎症を起こすこともあり、これがにきびが赤く腫れたようになる原因。炎症が見られるだけでなく化膿することもあります。
肌の弾力性・うるおいを保つために皮脂は重要な役割を果たしています。ただ、この皮脂が過剰に分泌されると肌トラブルを引き起します。思春期には皮脂の分泌が盛んですから、にきびも多くなるのです。
■「大人のにきび」の原因は!?
20-30代の「大人のにきび」。その主な原因は、
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生活習慣の乱れ
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ストレス
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睡眠不足
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ホルモンバランス
といわれます。特に睡眠不足はにきびができやすくなります。睡眠中には新しい皮膚がつくられますので、これが阻害されると肌の新陳代謝がスムーズにいかなくなりがちです。生活習慣の乱れ、ストレスは睡眠不足に結びつきますから要注意です。
また、「生理の際ににきびができやすい」のは、黄体ホルモンの分泌が増加し、皮脂の分泌が盛んになるからです。女性は間違ったスキンケアにも注意しなければなりません。
そのほか、
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便秘などによって体調が悪くなること
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紫外線を浴びること
も、にきびができやすくなります。特に便秘は、にきびや吹き出物ができやすくなることで知られていますね。
■食生活とも関係がある「にきび」
またにきびは食生活とも密接に関係しています。肌をきれいに、健康的に保つには、体の中が健康でなければなりません。
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油脂分の多い食事
⇒皮脂の分泌を増加させます
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甘いお菓子/スナック類/コーヒー/お酒
⇒にきびを刺激し、悪化させます
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ビタミン不足
⇒肌の新陳代謝が悪くなります
にきび予防に効果がある栄養素・栄養分が多く含まれる食品には以下のようなものがあります。
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ビタミンB2
効果:皮膚の新陳代謝を盛んにする
多く含まれる食品:牛乳、レバー、サバ、サンマ、納豆など
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ビタミンB6
効果:皮膚の抵抗力を増す
多く含まれる食品:カツオ、マグロ、バナナ、サツマイモなど
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ビタミンC
効果:にきび痕の色素沈着を予防します
多く含まれる食品:菜の花、柿、グァバ、オレンジ、イチゴなど
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食物繊維
効果:排便を促し、便秘を防ぎます
多く含まれる食品:ゴボウ、干し柿、芋類、豆類など
にきびに限らず肌トラブルで悩んでいる女性は多いでしょう。ここで紹介した栄養素・食品は「皮膚」の健康にも効果があるものです。ぜひ参考にして、日々の食事に取り入れてみてください。また、睡眠不足にならないよう、生活のリズムをしっかり整えることにも意識してくださいね。
(高橋モータース@dcp)