酒は百薬の長といわれる一方、百毒の長ともいわれます。適量の摂取であれば健康に嬉しい働きも期待できるのですが、これは飲み方次第でしょう。お酒の都市伝説を信じて毎日大量に飲んでいては、健康面でのリスクは高まります。


できればおいしく、健康的に飲みたいものですよね。今回はお酒にまつわるウワサの真偽について、医師の筆者が解説します。

■お酒は飲めば飲むほど強くなる!?

これは「強くなる」のではなく、「肝臓を酷使して肝臓が耐えているだけ」です。


そもそも、お酒が飲めるor飲めないは、アルコールを分解する酵素の働きによる差であり、遺伝的要因が強く影響しています。 


日本人は、諸外国に比べ遺伝的に飲めない人が多く、約40%の方は酵素の働きが弱くお酒に弱い体質、約8%の方は分解酵素を全く持たないためお酒をまったく飲めない体質です。飲酒ですぐ顔が赤くなったり、頭痛がひどくなったりするような方は、そのような体質なのです。 


それでもお酒を飲み続ければ、肝臓や食道、喉には大ダメージ。しかし肝臓は“沈黙の臓器”、“サイレントキラー”ともいわれるほど、大きなダメージを受けても体に異変が起こりにくい臓器です。症状が出たときには、命が危険な状態にまで陥ってしまうこともあります。


また食道がんや喉頭がんなども引き起こすといわれていますから、飲めない人が無理に飲むのは健康を害する、最悪の場合は命の危険もあるので、絶対に強要したり、自ら練習して飲んだりすることは避けましょう。

■二日酔いには迎え酒!?

「お酒に酔ってしまったら、お酒で治す」なんてことはできません。迎え酒をしても酔っている状態をさらに延長させるだけで、まったく二日酔いの対処法にはなりませんよ。


酔ってしまったときは、たっぷりのお水をとることが大切。お水をとることで、利尿作用が働き、体内のアルコールを早く体の外へ排出することができます。

■二日酔いは汗をかいて解消!?

酔い覚ましにサウナや運動などで「汗をかく!」という人も多いのではないでしょうか。しかし、これは危険な行為なので、絶対NG。


体から汗で水分が出てもアルコールは排出されませんし、脱水により余計に体内でのアルコール濃度が高くなってしまうのです。


二日酔いのときは、水分をとり、酔いが覚めるまで安静にしているのが解消への近道です。

■すきっ腹に酒は酔いやすい!?

空腹でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早くなり、酔いやすくなります。


お酒を飲むなら、肝臓の働きを助け、アルコール分解をサポートする奴や枝豆、卵焼き などを胃に入れてからにしましょう。また、イカ、タコ、貝類も、肝機能を助けるタウリンが豊富なので、おつまみとしておすすめです。


飲んだあと、「シメにラーメン!」なんて人も多いと思いますが、塩分の高いものは体内から水分を奪い脱水を促し、アルコールが排出されにくくなってしまいますので要注意。



ちなみに、もし二日酔いになってしまった場合は、薄味のもので、胃に負担のかからない「おかゆ」や「うどん」を食べるといいでしょう。


とはいえ無理に食べると余計に具合が悪くなりますから、食欲がない場合は薄味の味噌汁や野菜ジュース、フルーツジュースなどをお腹に入れるようにしてください。


お酒にまつわるウワサに惑わされず、体を労わって、いつまでもおいしく飲むようにしましょう。



(岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)