「白湯(さゆ)健康法」「白湯ダイエット」というものが静かなブームになっているそう。水を沸かしただけの「白湯」が、体に良いとされているのはどうしてなのでしょうか。今回は「白湯」について、アーユルヴェーダと栄養学のふたつの観点から解説します。

取材協力・監修


岡田明子先生


管理栄養士。ヘルスケア事業をサポートする『一般社団法人NS Labo』代表。

テレビ出演、コラム執筆など各メディアで活躍中。

著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』など。


⇒一般社団法人NS Labo

http://ns-labo.jp/

●「白湯」ってどんなもの?

「白湯」というのは、水を沸かしただけで何も入れていないお湯のことで、「さゆ」のほか「しらゆ」ともいいます。お湯をぬるくなるまで冷ましたものは「湯冷まし」といいます。


インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」では白湯を毎日飲むことを推奨しており、作り方にも言及しています。アーユルヴェーダによると、正しい方法で作った白湯は火、水、風の3つの要素を完璧に満たした飲み物なのだそう。

●アーユルヴェーダ式「白湯」の作り方

アーユルヴェーダにおける白湯の作り方の手順をご紹介します。

①やかんにきれいな水を入れ、強火で熱する

1日に飲む分の白湯は一度に作ります。大きなやかんでたっぷり沸かしましょう。火のエネルギーを取り入れるためには電気コンロや電子レンジではなく、ガスレンジを使います。ガスが使えなければ電気でも構いません。また、換気扇を回して風のエネルギーも取り込みます。


②沸騰したらやかんのふたを取る

やかんのふたを取ることで、お湯に風のエネルギーを取り込みます。少し火を弱め、大きい泡が立つぐらいの火加減でさらに10-15分ほど沸かします。水が減った分はつぎ足します。


③飲める温度まで冷ます

カップに入れ、50度ほどになるまで冷まします。飲むときはすすりながら、時間をかけてゆっくり飲みます。急いで飲んではいけませんが、冷まし過ぎても効果が薄くなりますので、保温性の高いカップに入れると良いでしょう。残りの白湯はポットに保存します。

●白湯の働きについて一般ではこういわれている!

家庭で簡単に作れる白湯には、次のような働きがあるとされています。働きには個人差があるので、結果が現れないからといって飲み過ぎないように注意してください。



・代謝を高める

白湯を飲むと、胃腸などの内臓を温めることができるとされています。内臓の温度が上がると基礎代謝を高めることになり、ダイエットにもつながると考えられます。


・体を温め冷え性を改善

寒いときに温かい飲み物を飲むと、体が温まりますね。白湯は水を沸かしただけのものですが、ちゃんとその働きをします。

・白湯はとても経済的

白湯による健康法はお金を掛けずに取り組めます。高額なサプリメントやダイエットフードには手が出ないという人でも、水道水とガス(または電気)だけで済むので経済的です。

●白湯の飲み方は?

白湯を飲む上で特に重要なのは、タイミングと量です。



・目覚めの1杯として

朝起きたらお茶やコーヒーではなく、白湯を飲みます。寝ている間に失われた水分を補給し、胃腸を活発にします。ゴクゴクと一気に飲むのではなく、少しずつすすって飲むようにしましょう。1杯飲むのに10分ほどの時間をかけます。朝食は白湯を飲んでから30分ほどたってから食べましょう。


・食事のときに

食事中にも1杯程度の白湯を飲みましょう。食事をしながら白湯を飲むことで、消化を助ける働きがあるそう。ただし、一度にたくさん飲んでしまうと胃酸を薄めて消化が悪くなってしまいます。食後すぐに白湯を飲むのも、同様の理由からおすすめできません。食後に飲む場合には、30分ほどたって胃腸が落ち着いてからにしましょう。


・就寝前に

寝る前に白湯を飲むとダイエット効果が期待できるとされています。また、体を温めるので寝付きも良くなります。ただし、寝る前に水分を取り過ぎるとトイレが近くなるので気を付けましょう。


・1日に飲むのは800mlまで

厳格な決まりはありませんが、1日に飲む白湯の量は800mlまでに抑えるのが良いそうです。白湯を飲み過ぎてしまうと水分過多になったり、必要な栄養分まで流れてしまうという悪影響が出る可能性もあります。

■白湯の働きについて専門家からの意見【栄養学の観点では?】

白湯は手軽で健康的なのだとすると、いいことずくめのように思えますが、専門家からの視点ではどうなのでしょうか?


岡田先生によると、


「アーユルヴェーダ式のように、日本の栄養学では『火、水、風の3つの要素』や『換気扇で風のエネルギーも取り込む』などの考え方やそれによって得られる働きの考え方はほとんどありません。しかし、体温に近い温度の白湯をこまめにゆっくり飲むことは、消化管を温め、体に負担が少なく飲める飲料ですので、日常に取り入れるのは健康法のひとつでもあります」


とのことです。



アーユルヴェーダ式の考え方は科学的な裏付けがあるものではないので、白湯の働きについてあまり期待しすぎるのは良くないのかもしれません。あくまでもひとつの健康法と考えるのが良いのではないでしょうか。


(中田ボンベ@dcp)