芸能人も実践しているというニュースが出るなど、ここ数年注目されている「湯シャン」。シャンプーなどの洗剤を使わずにお湯だけで頭を洗う、という洗髪方法ですが、実際にどのような効果があるのでしょうか? また反対にどんなデメリットがあるのかも気になりますね。今回は、「湯シャン」について解説します。

取材協力・監修


親和クリニック 音田正光総院長


大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事した後、植毛手術を開始。最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメーンに執刀。症例数は約1,000例超、その後もっぱらFUE手術を行う。FUE手術の症例数は約2,000例に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。得意な自毛植毛手術は、ハイスピードメガセッション、Super Dense Packingによる高密度移植、女性型脱毛症の治療、フェースリフト傷痕への毛髪移植手術、フェースリフト後のもみ上げ変形の修正術。


▼親和クリニックのHP

https://shinwa-clinic.jp/

●皮脂を取り過ぎないことは「頭皮に良い」?

シャンプーを使わずお湯だけで頭を洗うことのメリットとして一般的に挙げられているのが、「頭皮に良い」ということ。



市販のシャンプーは洗浄力が高すぎるため、頭皮を守っている「皮脂」が必要以上に取り除かれてしまいます。そうすると、汚れや雑菌への耐性が低下してしまい、頭皮トラブルを起こす可能性が高まるのです。しかし洗剤を使わずにお湯だけで頭を洗う場合は、頭皮を守る皮脂を取り除くことがないため、一定量の皮脂を保つことができます。このため、湯シャンは頭皮に良いとされているのです。

●湯シャンのデメリットは?

皮脂を取り過ぎないというメリットのある湯シャンですが、一方でデメリットも指摘されています。たとえば「におい」です。湯シャンはシャンプーと違って皮脂をごっそりと取り除くことはないため、皮脂の分泌量が多い人の場合は、皮脂のにおいが気になる場合もあります。また、髪の毛にさまざまな効果を与える成分が入っているシャンプーと比べて、洗った後の髪の質感も大きく異なります。これが気になるという人もいるようです。


ほかにも、お湯だけなので強力な整髪力を持つ整髪料を使っている人は、洗い切れなかったり、汚れが残ることもあります。そこで汚れをしっかりと落とそうと強い力で頭皮を洗うことで、頭皮を傷つけてしまうことがあるなど、湯シャンにマイナスとなる要素もあるのです。

■湯シャンについて、専門家の観点では?

こうしたメリット、デメリットのある湯シャンですが、専門家の視点ではどうなのでしょうか。薄毛治療を行っている親和クリニックによると……。



「ここ数年、湯シャンという言葉がはやり始めているようです。シャンプーなどの刺激から頭皮や毛髪を守りながら洗髪をすることで、抜け毛や薄毛を防ぐ効果があるという説があります。しかしながら、医学的にはそのような説は立証されておりません。


そもそもシャンプーの刺激で脱毛を起こすようなことがあるとすれば、よほど質の悪いシャンプーを大量に使い、しかもそれをしっかり洗い流さずに放置した時などは可能性としてはあるかもしれません。


しかし普通のシャンプーを普通に使い、しっかり洗い流していれば、それが脱毛や薄毛につながることはまずありません。人間の頭髪は全部で約10万本と言われており、そのうちの15%くらいは抜けていく時期に入っていると言われています。また季節によって脱毛が多い時期もあります。シャンプーを使い方が即、脱毛量の大小につながるという医学的な説はありません。


湯シャンでもシャンプーを使っても結構ですが、シャンプーを使う時は成分が髪に残らないようしっかりと洗い流すようにして下さい」



とのこと。湯シャンは「抜け毛や薄毛を防ぐ効果があるという説」もあるそうですが、実際科学的な根拠はないようです。近年は頭皮だけでなく抜け毛など薄毛を気にする女性も増えているそうですが、その対策として湯シャンを用いるのはあまり意味がないかもしれないということですね。


(中田ボンベ@dcp)