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緊張すると下痢になる…。過敏性腸症候群の症状と治療法

2017.12.08

緊張すると下痢になる…。過敏性腸症候群の症状と治療法


食生活の乱れや食中毒胃腸炎といった心当たりはないのに、何日も下痢や便秘が続いている。また、緊張する場面ではいつも腹痛・下痢が起こる。こうした症状は、「過敏性腸症候群」の可能性があります。日本人のおよそ10人に1人が罹患していると推定されており、特に若い世代に多い疾患です。この今回は、この過敏性腸症候群について解説します。

記事監修

古川真依子先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。

 

▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

■過敏性腸症候群はこんな病気!

「過敏性腸症候群」は、下痢や便秘が慢性的に続いてしまう病気です。「IBS(Irritable Bowel Syndrome)」とも呼ばれています。下痢と便秘のどちから一方だけでなく、それぞれを何日か置きに繰り返す、といったケースも見られます。


過敏性腸症候群で特に多く見られるのが「慢性的な下痢」の症状です。過敏性腸症候群では、何か悪いものを食べたり、おなかが冷えたりしているわけではないのに腹痛が起こり、トイレに行きたくなってしまいます。それが一日に何回も、しかもどんなタイミングでも起こり得るため、ひどい場合は日常生活に支障を来すほどとなります。

■過敏性腸症候群の原因は?

この過敏性腸症候群を原因とする下痢は「機能性下痢」と呼ばれるもの。一方の便秘は「けいれん性便秘」と呼ばれています。どちらの疾患も、精神的なストレスが原因で、腸の運動を促す副交感神経が過剰に刺激されてしまうことで起こります。つまり、「過敏性腸症候群の原因は緊張や不安といったストレス」なのです。

■過敏性腸症候群かどうかセルフチェック!

「一日に何回も下痢の症状が起こる」という人は、過敏性腸症候群かどうか、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 1.下痢の症状が1週間以上続いている

  • 2.下痢と便秘の症状が繰り返し起こる

  • 3.出すと楽になる

  • 4.おなかにガスがたまっていると感じることが多い

  • 5.会社や学校に向かう途中で腹痛が起こることが多い

  • 6.人前に立つなど緊張や不安を感じたときに腹痛が起こる

  • 7.神経質、またはデリケートな性格だ

  • 8.転職や引っ越しなど環境の変化があった

  • 9.食生活が不規則

  • 10.暴飲暴食が多い

このうち複数に当てはまる場合は、過敏性腸症候群の可能性がありますので、医療機関で診察を受けてみるといいかもしれません。

■過敏性腸症候群を治療するには?

医療機関を受診した場合、まずは「問診」で症状や生活習慣などを詳しく聞き、過敏性腸症候群の特徴に当てはまるか確認します。下痢が続く症状は、過敏性腸症候群以外にも大腸がんや潰瘍などの病気でも見られます。そのため、問診でも判断がつかない場合は血液検査、あるいは内視鏡検査でそうした病気の可能性を調べます。


「過敏性腸症候群」と診断された場合は治療を行うことになります。過敏性腸症候群を改善するためには、主に以下の4つが用いられます。

  • 食事療法

  • 運動療法

  • 薬物療法

  • 心理療法

まずは、過敏性腸症候群を引き起こす原因のひとつである食生活の乱れを改善することです。栄養バランスが偏っていたり、食べる時間が不規則だったりすると、腸に大きく負担を掛けてしまいます。そのため、朝昼晩1日3食しっかり食べて腸の動きを適切にする、また食事の内容や食事を取る時間を見直すことが重要です。


運動療法は、運動不足を解消して腸の動きを整えるだけでなく、過敏性腸症候群の大きな原因であるストレスの解消にもつながります。また、睡眠をしっかり取るなど、生活習慣を改善することも、心と体のケアには大切なことです。


食事療法、運動療法以外に、薬を用いて症状を軽減させるという方法もあります。処方される薬は、「消化管の動きを抑えるもの」や「便の水分量を調整するもの」、また「腸の運動異常を改善するもの」などさまざまです。


過敏性腸症候群の原因が多大なストレスであり、生活習慣の改善や薬物療法でも改善が見られない場合は「心理療法」が用いられます。カウンセリングを受け、精神的な緊張やストレスを軽減する方法を探ります。



食事や生活の改善は自分でも行うことができますが、やはり病院で診察を受け、適切な処置を受けるのが良いでしょう。過敏性腸症候群ではなく、がんなどの大きな病気である可能性もあるので、下痢が慢性的に続くようであれば、早めに病院に行くようにしましょう。

⇒参照記事:

『公益社団法人 日本医師会』「過敏性腸症候群とは…」

https://www.med.or.jp/forest/check/kabinsei/

(中田ボンベ@dcp)