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視界がチカチカする……。閃輝暗点の原因と治療法

2017.12.12

視界がチカチカする……。閃輝暗点の原因と治療法


片頭痛に悩まされている人には「閃輝暗点(せんきあんてん)」という一種の視覚障害が現れることがあります。閃輝暗点は「ギザギザした幾何学模様がチカチカと点滅しながら視界に現れる」というもの。気持ち悪い症状ですが、これは「目」自体が病気なのではありません。今回は「閃輝暗点」についてご紹介します。

記事監修



伊藤たえ先生


脳神経外科医。都内病院勤務、脳神経外科専門医、脳卒中専門医。女医+(じょいぷらす)所属。

■「閃輝暗点」とは?

多くの場合、閃輝暗点は片頭痛の前兆として起こります。


形状は人によって違うのですが、多くの場合キラキラと輝くギザギザの幾何学模様が視界に現れます。幾何学模様は回転するなどして動き、ひどいときには視界を覆うほどにもなります。この視覚障害を閃輝暗点といいます。


閃輝暗点が治まると、激しい頭痛が起こります。頭痛は数時間続きますが、ひどい吐き気や嘔吐(おうと)を伴うことが多いのです。


この閃輝暗点は「目」自体が悪くなったのではありません。閃輝暗点および片頭痛については現在も研究が続けられていますが、その発生の仕組みについては明確には分かっていません。これまでは、閃輝暗点は「脳の視覚野の血管が収縮することによって引き起こされる」と考えられていたのですが、現在では、


「大脳皮質神経細胞の活動性異常によって引き起こされるもの」


という説が有力です。

■閃輝暗点の治療法は?

閃輝暗点のような視覚的な前兆のある片頭痛(発作)では、大脳の後頭葉の部分で「脳血流の低下」があることが分かっています。ただし、脳の血流が低下しているときにも片頭痛発作が見られることから、これまでの「何らかの原因で血管が収縮して、それが拡張するときに頭痛が発生する」という説では、その仕組みを説明できません。脳の血管拡張のみが頭痛の原因とはいえないわけです。


ただ、閃輝暗点のような視覚異常の前兆を伴う片頭痛の場合には、一様に「脳の血流低下」が見られることから、これが何らかのキーファクターになっていることは確かです。


ですので、閃輝暗点を治療するには脳の血流の低下を元に戻すことが大事で、脳の血流を低下させないことが予防になります。しかし、閃輝暗点は片頭痛の前兆として現れることが多いですから、片頭痛の治療の一環として行うことが求められます。


閃輝暗点が現れたときには、

  • 横になるなどして安静にする

  • 鎮痛剤を飲む

  • 吐き気があるときは「制吐薬」を飲むことも効果的

という対症療法があります。まず何といっても安静にすることです。片頭痛の前兆となることが多いですので片頭痛にも備えなければなりません。


まれにですが、閃輝暗点は頭痛だけではなく脳梗塞・脳腫瘍といった重篤な病気のサインとなることもあります。ですので、閃輝暗点が現れた場合には脳外科などの専門医で精密検査を受けることをお勧めします。CT、MRIなどで脳に異常がないかを確認しておきましょう。



頭痛は誰にでも起こるものです。しかし、閃輝暗点を伴う片頭痛に悩まされることがあったら迷わず専門医を受診するようにしてください。

⇒参照記事:『一般社団法人 日本頭痛学会』「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」

http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/gl2013_main.pdf

(高橋モータース@dcp)