乳酸菌について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?「体にいいものだから、ヨーグルトを食べなきゃ」と意識している人もいるかもしれませんね。


乳酸菌は、私たちの体内にもともと棲息しているもので、健康な体づくりには必要不可欠です。今回は、この「乳酸菌」について解説します。

■乳酸菌とは?

乳酸菌とは腸内に存在する善玉菌で、ブドウ糖を原料として大量の乳酸を作り出す細菌の総称です。人間や動物の体の中をはじめ、多くの環境下に存在します。


乳酸菌は、ヨーグルトやチーズ、漬物等の発酵食品の製造に使用されてきました。最近では、乳酸菌のもつ有効なはたらきが科学的に明らかにされたことに伴い、人間の健康に対する効果が期待されています。

■乳酸菌のはたらきとは?

乳酸菌のはたらきは主に、

  • 整腸作用

  • 免疫調節作用

  • 動脈硬化予防

  • 抗腫瘍作用

などがあります。どれも私たちにとって、とても重要なものです。具体的には、以下のようなはたらきをしています。


  • ① 腸の運動を促進し活性化するはたらき

    乳酸は腸の蠕動運動を補助するはたらきがあり、便秘の緩和が期待できます。

  • ② 腸内の腐敗を予防するはたらき

    善玉菌である乳酸菌は乳酸を生成し、私たちが摂取した食品を、腐敗ではなく発酵させて悪玉菌を減らすはたらきがあります。

  • ③ 病原菌等から腸管感染を予防するはたらき

    乳酸菌は乳酸や酢酸を作り、腸内を酸性に保つので、悪玉菌が腸内に留まりにくい環境に整えることができます。

  • ④ ビタミン等を生成するはたらきの補助

    乳酸菌のはたらきで腸内環境を整えることができると、腸内でビタミン類や葉酸等の私たちの体に有効な栄養素を生成しやすくなります。

■乳酸菌の主な種類は?

乳酸菌は200種類以上あるといわれています。なかでも近年、注目を集めている乳酸菌をご紹介します。


  • ① 乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)

    正式名は、ラクトバチルス属カゼイ菌YIT9029株。胃液や胆汁等の消化液に強く、生きたまま腸内に届けられ、腸内ビフィズス菌を増殖させて腸内環境を改善します。

  • ② KW乳酸菌(乳酸菌KW3100株)

    正式名は、ラクトバチルス属パラカゼイ菌KW3100株。アレルギー状態のときに免疫のバランスを調整するはたらきがあり、アレルギーの改善や免疫力向上が期待されています。

  • ③ プラズマ乳酸菌(JCM5805株)

    正式名は、ラクトコッカス属ラクティス菌JCM5805株。免疫細胞を司るプラズマサイトイド樹状細胞を活性化して、インフルエンザ等に負けない免疫力をつけることが期待されています。

  • ④ LG21乳酸菌

    正式名は、ラクトバチス属ガセリ菌OLL2716株。他の乳酸菌より胃での生存力が強いことが特徴です。ピロリ菌の作用を抑制するはたらきが期待されています。

  • ⑤ L-92乳酸菌

    正式名は、ラクトバチス属アシドフェルス菌L-92株。花粉症やアトピー等のアレルギー症状を緩和する効果が期待されています。

  • ⑥ ガセリ菌SP株

    正式名は、ラクトバチルス属ガセリ菌SBT2055株。生きたまま腸まで届けられ、長く留まることが分かっています。

  • ⑦ モラック乳酸菌

    正式名は、ラクトバチルス属パラカゼイ菌MCC1849株。インフルエンザ予防等の効果が期待されています。

  • ⑧ フェカリス菌

    正式名は、エンテロコッカス属フェカリス菌。免疫力向上、アレルギー症状緩和等に効果が期待されています。



乳酸菌は、ゆっくり時間をかけて腸内ではたらきます。ですから、乳酸菌をとれば「すぐ」に腸内環境の改善が望めるというわけではありません。できれば毎日、適切な量を摂取するようにしたいですね。乳酸菌を有効活用して腸内環境を良好に保ち、さらなる健康の維持、増進を目指しましょう。


(執筆 岡村信良/医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-)