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アラサー女子でも臭いだす!? 若年性加齢臭ってなに?

2017.12.23

アラサー女子でも臭いだす!? 若年性加齢臭ってなに?


加齢臭といえば、世の中年男性の悩みというイメージがありますよね。父親もしくは、年上の旦那さんや彼氏がいたら臭っていないか心配……なんて女性も多いかも。でも、ちょっと待って。


実はアラサー女子でも臭い出す可能性がある「若年性加齢臭」なるものがあるんだとか。五味クリニックの五味常明院長にお話を伺いました。

取材協力・監修



五味常明(ごみ・つねあき)先生


1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。

■どうして加齢臭は発生してしまうの?


――そもそも加齢臭とは、身体の中でなにが起きて発生してしまうのですか?


五味先生

人の肌には皮脂を分泌する皮脂腺があります。この皮脂腺の中には、皮脂以外にパルミトオレイン酸という脂肪酸と、過酸化脂質という物質が発生します。この2つの物質が結びつき、分化と酸化が行われて生み出されるのがノネナールという物質。これがいわゆる加齢臭の原因物質なんです。一般的に古本や青臭いチーズのような臭いに例えられます。


――パルミトオレイン酸と過酸化脂質が増えると、加齢臭が発生してしまうということですか?


五味先生

そうです。人は年齢を重ねると、パルミトオレイン酸と過酸化脂質が増加するため、40代以降の加齢臭はごく自然な生理現象です。でも、20~30代の人が加齢臭のような臭いに悩むのであれば注意が必要です。

■若年性加齢臭の影に、生活習慣病が隠れている!?


――なぜ20~30代の加齢臭は要注意なのですか?


五味先生

体内の酸化が進んでいる可能性が高いからです。血管の中に悪玉コレステロールがたまり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことも考えられます。若年性加齢臭とは、生活習慣病の前段階、つまりメタボ臭といっても過言ではないのです。実際に、内臓脂肪がたまっている人、高血圧、中性脂肪やコレステロール値が高めの人が相談にくることが多いです。


――若年性加齢臭が気になったら、生活習慣を改めないといけないということですね。


五味先生

そうなんです。もちろん暴飲暴食をしないことや定期的に運動するなども大切ですが、ストレスをためないことが非常に重要です。人がストレスを感じると、体内では活性酸素が増加します。活性酸素は過酸化脂質を増加させてしまいます。


また、20~30代はノネナールの臭いをより強くする、ジアセチルという物質が分泌されやすいのです。ジアセチルは汗の中の乳酸が、皮膚上の常在細菌(ブドウ球菌)に代謝・分解されることによって発生します。乳酸は疲労物質なので、簡単に言うと疲れがたまっている人ほどジアセチルを発生しやすい傾向があります。あと無酸素系運動や、緊張性発汗(ストレスやプレッシャー)などによって短時間にどっと吹き出るような汗ほど、ジアセチルを含んでいます。


それから、飲みすぎで肝機能が低下すると、アンモニアを無臭・無毒化して尿素に変えるオルニチン回路が働かず、分解できなかったアンモニアが血液中にたまり、くさい汗となって出てくることもあります。


――なるほど。仕事のプレッシャーや飲酒の頻度が高い働き盛りの環境が原因になるのですね。具体的にどんなことを意識して生活するとよいですか?


五味先生

まず食事は、動物性脂肪を取りすぎないことを心がけましょう。抗酸化作用が期待できるビタミンC、E、ポリフェノール、イソフラボンなどを摂取するとよいですね。和食メインの食生活で、主食は玄米や胚芽米。そこに、大豆製品、季節の野菜や果物、めかぶやもずくなどの海藻類をバランスよく組み合わせましょう。腸内環境を整える食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌、疲労回復には酢も効果的ですね。また、疲れを持ち越さない規則正しい生活も意識しましょう。


臭いを感じてしまったら、スーパーや薬局で手に入る市販のミョウバン(50グラム)を、1.5リットルの水道水で溶かしたミョウバン水でのケアがオススメです。直接皮膚にスプレーしたり、ガーゼに浸して臭いの気になる部分の皮膚を拭いたりするとよいでしょう。なるべく1~2週間程度で使い切るように。

■働き盛りのアラサー女性だって注意が必要!


――ちなみに女性も、若年性加齢臭が発生してしまうことはありますか?


五味先生

男女ともに発生しますよ。特に今は女性の社会進出もあり、働く女性は疲れていることが多いですからね。臭いはデリケートな問題なので他人からは指摘されにくいですが、もし不安であれば枕の臭いをチェックしてみましょう。皮脂腺は頭皮、耳の裏など首上の部位に多いので、臭いがつきやすいです。


――体臭に悩む人にメッセージをお願いします。


五味先生

体臭を気にするあまり、過剰な無臭嗜好になる必要はありません。体臭は個性なので、否定しすぎることは自己否定に繋がることもあります。ストレスを上手に解消して、健やかな生活を心がけることで、多くの体臭は改善することができますよ。


20~30代のうちから、自分の体臭が気になったら、それは体からのSOSのサインかも。香水に頼ってごまかしたり、自分を責めたりしないで、生活習慣を見直すことが何より大切です。


(取材・文:関紋加 編集:ノオト)