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トイレが遠いとむくみやすいって本当?排尿が少ないとどうなる?

2017.12.24

トイレが遠いとむくみやすいって本当?排尿が少ないとどうなる?


みなさんは、1日にどれくらいトイレに行きますか?極端に多い場合は「トイレが近い」、少ない場合は「トイレが遠い」なんて表現をしますが、この多い・少ないの基準はどれくらいなのでしょうか?今回は排尿回数が少ない、「トイレが遠い」ときに考えられる原因について解説します。

記事監修



伊藤友梨香 先生


泌尿器科医。東海大学医学部卒業、東邦大学医療センター大森病院勤務、石心会川崎幸病院勤務。

女医+(じょいぷらす)所属。

■1日の排尿回数は「5-7回」が平均!

1日の飲水量にもよりますが、1日に作られる尿の量は1-1.5リットル(体重(kg)×20-25mlとも ※1)といわれています。ぼうこうに150-250ミリリットル(※2)の尿がたまると、尿意を感じるようになっていますので、これを1回のおしっこで出す(排尿)量とすると、


  • 1.5リットル ÷ 250ミリリットル = 6


ですから、1日の排尿回数は「6回」となります。平均的な排尿回数は「5-7回」といわれていますが、それは上記の計算からも分かります。


おしっこの回数が多いことを「頻尿(ひんにょう)」といいますが、この定義はけっこう難しいのです。『日本泌尿器科学会』によると、頻尿とは

一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます

となっています。


一応「8回以上行くと頻尿」ですが、これにはもちろん個人差があります。たとえば、回数は6回と平均的なものであっても本人が「おしっこの回数が多くて困る」と悩んでいるのであれば、頻尿と診断される可能性があるのです。


1回当たりの飲水量および排尿量には当然個人差がありますから、それによって1日当たりのおしっこの回数は変わってきますね。

⇒参照:

『日本泌尿器科学会』「尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~」

https://www.urol.or.jp/public/symptom/02.html

■トイレが遠すぎると……!? 乏尿に要注意!

では「トイレが遠い」場合はどうでしょうか? 頻尿の反対の言葉は「乏尿(ぼうにょう)」です。「1日当たりの排尿量が400ミリリットル以下」の場合は乏尿とされます。ちなみに「1日当たりの排尿量が50ミリリットル以下」になると「無尿」です。


乏尿では、尿が少なくなりますので、本来は(尿によって)排出されるべき老廃物が体内に残ってしまうことになります。そのため、

  • 不整脈

  • 顔や足などがむくむ

  • 全身の倦怠(けんたい)感、だるさ

  • 吐き気、嘔吐(おうと)

などの症状が現れることがあります。乏尿、無尿の場合には、「急性腎障害」などの疾患が疑われます。もし尿の量が極端に少ない場合には専門医の診察を受けましょう。

■トイレが遠くても病気じゃないこともある!

上記の乏尿は健康を損なう可能性の高い病気ですが、たとえトイレが遠くても病気ではないこともあります。1日に作られる尿の量は上記のとおりかなり個人差があります。


1-1.5リットルが普通としても、1リットルと1.5リットルでは5割も違いますからね。たとえば1日の尿の量が1リットルの人がいて、それがその人にとって正常な場合、1回当たりの排尿量が250ミリリットルであれば、


  • 1リットル ÷ 250ミリリットル = 4


ですので、1日当たりのおしっこの回数は「4回」となります。一般平均が6回だとすると、この人は「トイレが遠い」ですが、本人にとっては至って普通、また健康なら正常といえます。


このように、一般には「おしっこは1日に『5-7回』が平均」といわれますが、これには個人差があるわけです。「人より少ないな」と思っても、それがあなたにとって「普通のこと」で、また健康を害していないのであれば、問題ないでしょう。


ただし、上記の「乏尿」のように尿の量が400ミリリットル以下(そうなると排尿回数も1-2回)となると問題です。繰り返しになりますが、乏尿の症状があったら、速やかに専門医を受診してください。


なお、伊藤先生によると「自分の排尿量を知るためには、排尿日誌をつけるのも有効」だそう。


「毎回の排尿時刻や排尿量、飲水量などを記録するものを排尿日誌といいます。これは泌尿器科診療でよく活用されるものです。記録をつけるのに根気がいりますが、排尿状態の客観的なデータをとることができるので、問題があるかどうかの評価にとても有用です」


とのこと。一度きちんと自分の排尿量をチェックしておくと、異変が起きたときにも早く気付くことができるはず。ぜひお試しください。


(高橋モータース@dcp)

※1:高齢者の夜間頻尿(菅谷公男;Geriat.Med.55(4):381-384,2017)より参照いたしました。

※2:女性下部尿路症状診療ガイドライン より参照いたしました。