身近な目の病気のひとつに「結膜炎」があります。目が腫れたり、充血してしまったりしたときは「結膜炎かな?」と思うこともあるでしょう。しかし、そもそもどうして結膜炎になってしまうのでしょうか?予防することはできる?今回は「結膜炎」について解説します。

記事監修



眼科医。埼玉医科大学卒業。埼玉医科大学病院修了、医学博士。香川大学大学院修了、MBA。香川で開業。現在はカンボジアでの診療も行っている。

医師+(いしぷらす)所属。


http://www.lasiol.com/

■結膜ってどこ?

結膜は、まぶたの内側と眼球の外側の白色の被膜(強膜)を覆っている膜のこと。「白目部分を覆っている薄く透明な膜」と考えると分かりやすいでしょう。結膜は細菌などが目の中に入るのを防ぎ、また粘液を分泌して、目の表面を潤す役目も持っています。


目を正常に働かせるために必要不可欠な結膜ですが、ウイルスや細菌に感染し、炎症を起こすことがあります(アレルギーが原因のこともあります)。これが「結膜炎」です。

■結膜炎には種類がある

結膜炎はその原因によっていくつかに分類されますが、特に多いのが以下の3つ。それぞれの主な原因と特徴をまとめました。


  • 細菌感染による「細菌性結膜炎」

    ・原因は黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌(※)などの細菌

    ・目の違和感と充血。粘性のある黄色の目やにが多く出る

    ・感染力は弱いが体力が低い場合は伝染する可能性がある

    ※インフルエンザウイルスとは別のもの

  • ウイルス感染による「ウイルス性結膜炎」

    ・原因はアデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス

    ・目の違和感と充血、腫れ。目やにが多く出る。一部のウイルスでは発熱や下痢も伴う

    ・感染力が強く、伝染する可能性も高い

  • アレルギー反応による「アレルギー性結膜炎」

    ・原因はハウスダストや花粉、ダニ、カビなどのアレルギー物質

    ・目のかゆみと充血。目やにが多く出る

    ・アレルギー反応によるものなので伝染はしない


それぞれ共通しているのが「白目部分の充血」と「目やにが多く出ること」です。もしこうした症状が出た場合は、いずれかの結膜炎である可能性があります。

■結膜炎の治療法は?

結膜炎の治療は、原因によって変わります。細菌性結膜炎の場合は、抗生物質が含まれる点眼薬による薬物治療が行われます。


ウイルス性結膜炎は、原因となるウイルスに対して有効な薬がないため、炎症を抑える成分が含まれた点眼薬、また細菌感染(二次感染)を防ぐ点眼薬が用いられます。症状が重い場合は抗ウイルス薬も用いられます。またウイルス性結膜炎は伝染力が強いため、ほかの人に感染しないよう会社や学校を休むことも重要です。


アレルギー性結膜炎の場合は、アレルギー反応を抑える「抗アレルギー点眼薬」の処方が主な治療法です。症状が重い場合は、より強い抗アレルギー作用のある「副腎皮質ステロイド薬」が用いられることもあります。

■結膜炎を予防するには?

細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎は、原因となる細菌やウイルスが手に付いた状態で目をこすったり、触れたりすることが主な発症原因とされています。そのため、予防するには手洗いをはじめ、身の回りの消毒を行うことが有効です。またウイルス性結膜炎は二次感染しやすいため、感染した人との接触も避けるべき。症状が治まってから約2週間はウイルスを排出するので、家族が感染した場合は、しばらくの間手洗いや消毒に留意しましょう。


アレルギー性結膜炎は、原因となるアレルギー物質を遠ざけることや、花粉などが原因であるならば、先に抗アレルギー薬を服用することなどが挙げられます。どのアレルギーがあるのかをあらかじめチェックしておくことも大事です。



結膜炎は非常にポピュラーな病気ですので、誰もが発症する可能性があります。重い症状になることはまれですが、それでも感染しないに越したことはありません。普段から手洗いを徹底するなど、予防を心掛けましょう。


(中田ボンベ@dcp)