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ヒトは「水がないと生きていけない」!?人体における水の働きって?

2017.12.29

ヒトは「水がないと生きていけない」!?人体における水の働きって?


人間は水がないと生きてはいけません。体内に最も多く含まれる成分は水で、その補給が数日滞るだけで人間は死んでしまいます。しかし、そもそも「水」は体内でいったいどんな働きをしているのでしょうか?今回は、人体における「水の働き」について解説します。

記事監修



岡村信良 医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■人体は水でいっぱい!

血液、皮膚、筋肉、臓器、骨など、人間の体を構成するあらゆる組織に水が含まれています。それぞれの水分量は、

  • 組織の水分含有量

    皮膚:72%

    筋肉:75.6%

    骨:22%

    血液:83%

    肝臓※:68%

※肝臓は最大の臓器ですが、このように多くの水分量を保持しています。

また、人体全体での水分量は下のようになります。

  • 人体の水分量

    乳児:80%

    成人男子:65%

    成人女子:55%

    高齢者:50%

赤ちゃんがぷくぷくでみずみずしい肌なのは、体内の水分量が非常に多いことの表れでもあります。そして成人女性が男性に比べて水分量が少ないのは、女性のほうが体に脂肪が付いていて、その分水の割合が減るからです。


また、高齢者になると体内の水分量がぐっと減りますが、これは加齢とともに細胞内の水分量が減少するため。「高齢者は脱水症に気を付けなければならない」といわれますが、それは若い頃と比較して体内の水分量が少なく、そのため水が不足したときにリカバリーしにくいのが理由のひとつなのです。

■水がないと栄養素の吸収ができない!

人体にある水分(体内水分量)は、細胞に含まれる「細胞内液」と細胞の外にある「細胞外液」に分けられます。細胞内液は体内水分量の2/3、細胞外液は1/3を占めます。


こうした「水」がなければ、人体は栄養素の消化吸収・運搬ができません。


まず消化吸収の過程です。糖質、脂質、タンパク質は、消化液に含まれる水に溶けて消化酵素の作用を受けます。中性脂肪は水に溶けないのですが、いわば洗剤(界面活性剤)の作用を持つ胆汁によって水と親和させています。デンプンを麦芽糖やブドウ糖に分解するには、やはり水が必要になるのです(加水分解といいます)。


そして、細胞外液のひとつである血液によって、吸収された栄養素は肝臓に運ばれます。すぐに使用するもの、貯蔵しておくものに分類し、必要な組織に栄養素を送る肝臓は、多量の水分を消費します。肝臓に多くの水分が保持されているのは、消費量が多いからなのです。

■水分が不足するとどうなる?

人体を健康に保つためには水分量を適正な量だけ保つことが必要です。体内水分量の何パーセントが失われるとどのような症状になるかを見てみましょう。

  • 2%:喉の渇きを覚える、運動能力の低下

  • 3%:口渇、唇の乾燥

  • 5%:頭痛、体のほてり

  • 6-7%:めまい、チアノーゼ、口渇(高度)、口内乾燥、乏尿

  • 8-10%:身体動揺、けいれん

  • 11-14%:皮膚の乾燥、舌の膨化、嚥下困難

  • 15-19%:排尿痛、目のかすみ、難聴、舌の縮小

  • 20%以上:無尿、死亡

4-5%の体内水分量を失うと脱水症状が表れ始め、(上記では20%以上で死亡となっていますが)10%以上になると死に至ることもあります。

⇒データ出典:

大塚製薬「もしも身体の水分がなくなったら」

https://www.otsuka.co.jp/company/business/rehydration/bodywaterlost/


水がないと人間は生きていけないといわれますが、必要な水分量は実にシビアで、わずかな水分の減少でもその影響はすぐに体に表れます。激しい運動をするときには脱水症にならないよう十分に気を付けてください。


(高橋モータース@dcp)