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ブラウン、ブルー、グレー…。「瞳の色」に違いがあるのはなぜ?

2017.12.31

ブラウン、ブルー、グレー…。「瞳の色」に違いがあるのはなぜ?


「青い瞳」「グレーの瞳」など、同じ人間でも「瞳の色」は実にさまざまですね。日本人の場合、多くの人がブラウン(褐色)、ダークブラウン(濃褐色)といった茶色系の瞳でしょう。「瞳の色」はなぜそれぞれ異なるのでしょうか?

記事監修



後藤聡 先生


眼科医。東京慈恵会医科大学医学部卒業、東京慈恵会医科大学大学付属病院にて勤務。医師+(いしぷらす)所属。専門は眼科疾患の中でもナミダ目の治療。特に直径1㎜の極小内視鏡を用いた低侵襲手術の発展と開発を行っている。

■瞳の色 = 虹彩の色

人間の目を外側から見ると、眼球の外側を覆っている強膜が白色ですから、ほとんどが白く見えます。中心部分に黒く見える瞳孔、その回りを同心円状に囲む色が付いた部分を一般的に「目の色」「瞳の色」といいますが、これは「虹彩(こうさい)」という組織です。つまり「青い瞳」とか「グレーの瞳」などというのは「虹彩の色」のことなのです。


虹彩は、角膜と水晶体の間にある薄い膜です。瞳孔の大きさを変化させて網膜に入る光の量を調節する役割をしています。カメラでいうと「絞り」の機能を果たしているのです。ちなみに瞳孔が黒く見えるのは、網膜の色素上皮が光を反射しないためです。

■虹彩の色は遺伝子で決まる

虹彩にはメラニン色素が含まれていて、これが有害な紫外線をカットする役割をします。


虹彩にあるメラニン細胞がメラニン色素を作ります。虹彩の色は、虹彩の(外から見える)上皮細胞の色、またメラニン細胞、作り出されたメラニン色素の密度によって決まります。


皮膚や虹彩の色を決定している遺伝子としてHERC2、OCA2(EYCL)、MC1Rなどいくつか知られています。それらの遺伝子が複雑に絡み合って虹彩などの色を規定しているようです。


メラニン色素の量によって瞳の色の見え方も異なります。一般的には、遺伝的ではなく後天的に日光の照射量の多い土地では、光を多くさえぎらないといけないためメラニン色素の量が多くなり、瞳の色は濃くなります。それより少ないと緑色に、さらに少ないと青色になり、ごくまれに「白子症アルビノ」といって、遺伝的にメラニン色素の量が非常に少なく、時に血管が透けて見えるため「赤色」の瞳のケースもあります。



つまり、日光の照射量の少ない土地に行くと、瞳の色が変わることもあるかもしれません。「人間は環境によって変わる」ことの例といえるのではないでしょうか。


(高橋モータース@dcp)