「プチ断食」という健康・ダイエット法をご存じでしょうか。「固形の食べ物を取るのを一日我慢するだけ」という手軽さから、チャレンジしたことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、このプチ断食について解説します。

取材協力・監修


岡田明子 先生


管理栄養士。ヘルスケア事業をサポートする一般社団法人NS Labo代表。

テレビ出演、コラム執筆など各メディアで活躍中。

著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』など。



⇒一般社団法人NS LaboのHP

https://ns-labo.jp/

●プチ断食ってどういうもの?

「断食」というと宗教の修行を思い浮かべるのではないでしょうか。何日も食事を抜くのはつらそうですが「プチ」と付くと苦しいイメージが軽くなりますね。「プチ断食」とは、ごく短い間だけ食事制限を設けるという方法です。以下のような手順が一般的です。

  • 1日目(準備日):

    朝・昼食は普通に食べても構いません。夕食は普段の半分くらいまでに抑えましょう。また、この日はなるべく多めに水分を取ります。

  • 2日目(断食日):

    プチ断食本番です。固形物は一切食べません。水を多めに飲みましょう。

    ※野菜ジュース、豆乳、酵素ドリンクなどを飲むのは構わないとするスタイルもあります。

  • 3日目(回復日):

    朝は消化の良いおかゆなどを1杯食べます。昼・夜はいつもの半分くらいの量をゆっくり時間をかけて食べて、胃腸を慣らしていきます。揚げ物などは避けましょう。

実質3日かけて行うため「3日間断食」とも呼ばれています。


食事を抜いている日は固形物を取らないのですが、水分は補給します。飲んでいいものは酵素ドリンクや野菜ジュースであったり、ハーブティーなど諸説があります。ただし、カフェインやアルコール、飲食ではありませんが喫煙はNGとするのが一般的です。


プチ断食の目的は、内臓を休ませることです。内臓、特に消化器官は通常の食事を取り続けている状態では休む時間がなく、疲労しています。食事を抜くことにより胃腸を休ませ、消化・吸収に使うエネルギーを排泄に回すのです。

●プチ断食のメリットは?

プチ断食には、個人差はあるものの以下のような効果が期待できるといわれています。


・内臓を休ませる

人間の内臓は眠っているときでも働いています。プチ断食では消化を必要とする食事をストップさせて、消化器官を休ませます。これにより、消化器官の疲労が和らぎ、働きが活性化します。


・老廃物を排泄する

プチ断食中は消化器官が「排泄」に集中できます。胃や小腸は空腹時に激しく収縮し、老廃物を排泄させるように動きます。


・ダイエット

ダイエットには、脂肪の燃焼やカロリー制限が必要です。プチ断食では摂取するカロリーを抑えること、摂取カロリー不足から脂肪の燃焼を促すことでダイエット効果が期待できます。ただし、断食をした翌日に食べ過ぎてしまうと逆効果です。胃腸にも負担をかけますので、気を付けましょう。

●プチ断食を実践する上での注意点

プチ断食には、以下のようなデメリットもあると考えられます。


・活動エネルギーが不足する

食事を取らないということは、活動のためのエネルギーも不足するということです。特にダイエット目的でプチ断食をするような人は、激しい運動と一緒に行うのは危険です。プチ断食を実践している間は、運動も散歩程度に抑えておきましょう。


・回復日に食べ過ぎてしまう

1日完全に食事を抜いた後、翌日は「回復日」として消化の良い食事を少量取るのが一般的です。ただし、空腹を満たすために食べ過ぎてしまうのはいけません。胃腸にも負担をかけることになり、逆効果になってしまいます。


・栄養が不足する

ダイエットに効果があるからと、プチ断食から本格的な断食にエスカレートしてしまうという人もいらっしゃるようです。こうなると、本来体が必要とする栄養分まで不足してしまいます。このような厳しい食事制限は医師や専門家の指導の下で行うべきです。


・薬の服用に影響する

病気の治療に処方される薬品は、多くが食事の時間に合わせて服用するものです。プチ断食では食事を取らないため、こうした薬の服用に影響します。プチ断食をやってみたいのであれば、かかりつけの医師や薬剤師に相談してからにしましょう。

■プチ断食について、栄養学の観点では?

プチ断食は、専門家からの視点ではどうなのでしょうか?


岡田先生

「本来、人間の体は食事を1日3回取るのが健康に良いとされています。無理に、また過剰にプチ断食をするのはおすすめできません。また生理中、疲労困憊、ストレス過多など、体が健康ではないときにプチ断食を行えば、思わぬ健康害も起こります。実行するには、まずはご自身の体調が万全なのか、本当にやるべきなのかを考えてから行いましょう」



プチ断食をすることで内臓を休ませることができ、また便秘解消などの効果があると一般にはいわれていますが、デメリットも多くあるようです。岡田先生が指摘するように、体調が芳しくない場合にも、用いるべきではありません。もし行う場合は、細心の注意を払うようにしましょう。


(中田ボンベ@dcp)