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「口で息をしちゃだめ」なのはどうして?鼻呼吸と口呼吸の違い

2018.01.04

「口で息をしちゃだめ」なのはどうして?鼻呼吸と口呼吸の違い


「呼吸」は、酸素を体の中に取り込むとともに、体内の不要な二酸化炭素を排出する行為です。私たちが生きるために必ず行うもので、1日の呼吸回数は2万回にも上ります。さてこの呼吸ですが、鼻で行う「鼻呼吸」と、口で行う「口呼吸」があります。どちらも同じ呼吸ですが、どんな「違い」があるのかご存じですか?

記事監修

稲葉岳也 先生


耳鼻咽喉科医。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。医師+(いしぷらす)所属。


▼いなばクリニック

http://www.inabaclinic.jp/

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/200

■鼻呼吸のメリットはどんなものがある?

一般的に、口呼吸よりも鼻呼吸のほうが望ましいとされています。その理由は、鼻呼吸には以下のようなポジティブな要素があるからです。


  • 1.細菌やウイルスの侵入を防ぐ

    鼻呼吸の場合は、空気中の細菌やウイルスが鼻の中にある「線毛」に絡めとられます。その後鼻水などと一緒に外に排出されるので、細菌やウイルスが体内に入る可能性が低くなります。

  • 2.冷たい外気を温めて取り込める

    冷たい外気は、鼻の中を通る過程で温められます。そのため、体内に入っても体温を下げたり、肺に必要以上の負担を掛けることがないのです。

  • 3.歯並び、虫歯、口臭などの口のトラブルを軽減

    鼻呼吸をすることで舌や口の筋肉が鍛えられます。そのため歯並びが悪くなることを防ぎます。また、口腔(こうくう)内が唾液で湿った状態が続くので、虫歯の原因となる菌の繁殖を抑えることができますし、乾燥によって口臭が強くなることも防げます。

  • 4.睡眠の質の向上

    鼻呼吸はいびきを防いだり、睡眠障害を防ぐことができます。そのため、質の高い睡眠を取るためにも重要なのです。


鼻呼吸にはこうしたメリットが挙げられますが、デメリットとされるものはありません。つまり、鼻呼吸にすることはプラスになることばかりなのです。

■口呼吸はマイナス要素だらけ!?

一方の口呼吸は、鼻呼吸と違いネガティブな要素ばかり。たとえばネガティブな要素として以下のようなことが挙げられます。


  • 1.風邪などをひきやすくなる

    線毛によって細菌やウイルスが取り除かれる鼻呼吸と違い、口呼吸は細菌などをダイレクトに取り込んでしまいます。そのため、喉の粘膜が細菌やウイルスの影響を受けやすくなり、風邪などの病気にかかる可能性が高まるのです。

  • 2.冷たい外気を直接取り込むために体温が下がる

    口呼吸は冷たい外気を直接取り込むことで体温が下がってしまいます。また、免疫力の低下にもつながるため、これも病気になりやすくなる要因です。

  • 3.歯並びが悪くなる

    口が開きっぱなしだと、顎を成長させるために重要な舌や口の筋肉が鍛えられません。そのため、口呼吸の人は細い顎になってしまいます。細い顎には永久歯がきれいに生えそろうスペースがないので、ガタガタの歯並びになってしまうのです。

  • 4.口臭の原因となる

    口呼吸をすることで口の中が乾燥します。口の中が乾燥すると口臭がひどくなったり、虫歯ができやすくなるなどの悪影響があります。

  • 5.睡眠の質が低下する

    睡眠時に口呼吸を行う場合、舌が喉をふさいだり、圧迫してしまいます。そうなるといびきをかいたり、ひどい場合は睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を起こすこともあります。


口呼吸にはこうしたデメリットがありますが、メリットと呼ばれるものはありません。鼻呼吸と違い、口呼吸でプラスになることはほぼないといえるでしょう。

■鼻呼吸ができない場合は耳鼻科に相談!

「鼻呼吸ができずに常に口で呼吸している」という人は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔(びくう)炎などの「鼻の病気」である可能性があります。その場合は、鼻が詰まって鼻呼吸ができませんから、まずはその病気を治療することが重要です。鼻炎は慢性化することもあり、重症の場合は手術を行う必要があるなど、侮ってはいけない症状です。早めに専門医の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。


また、鼻炎などで鼻が詰まっていないのに口呼吸をしてしまう人も多くいます。なかには起きている間は鼻呼吸なのに、寝ている間は口呼吸という人もいます。もし寝ている間の口呼吸を直したいという人は、たとえば上唇と下唇の間に貼って口呼吸を抑えるテープなどを用いて、鼻呼吸を促してみるといいでしょう。



鼻呼吸と口呼吸は同じ呼吸でもメリット・デメリットが大きく違い、特に口呼吸は良いことが全くありません。ですので、口呼吸を行っているのであれば、できるだけ早く鼻呼吸に切り替えることが望ましいのです。


(中田ボンベ@dcp)