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加工食品の食べ過ぎに注意!「リン」を多く取る弊害とは?

2018.01.04

加工食品の食べ過ぎに注意!「リン」を多く取る弊害とは?


生命維持に欠かせないミネラルを「必須ミネラル」といいます。必須ミネラルはカルシウムやナトリウムなど全部で16種類あり、その中のひとつに「リン」があります。リンには、骨の形成を促す働きがあります。しかし多量に摂取すると、良くない症状につながることもあるそう。今回は、「リンの過剰摂取の危険性」について解説します。

記事監修



松田明子 先生


専門は内科、腎臓内科、泌尿器科、美容皮膚科。東京女子医科大学卒業。東京女子医大病院 腎臓内科、同 泌尿器科を経て、2017年よりサイエンスクリニック院長就任。女医+(じょいぷらす)所属。


▼ブログ

https://ameblo.jp/pikuminmizuakko/

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/134

■リンはどんなミネラル?

リンは、

  • カルシウムと結び付いて骨を形成する「リン酸カルシウム」になる

  • 体を動かすエネルギーを発生させるATP(アデノシン三リン酸)を構成する

  • ビタミンB1と結合して糖質の代謝を促す

  • 生理機能を維持する

などの働きをします。


そのため、体内のリンが足りなくなるとエネルギー不足で疲労しやすくなったり、体重減少が起こります。また骨が弱くなったり、筋肉の障害が起こるなど、体にさまざまな悪い影響が出てしまいます。


厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」を定めています。これは「国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準」です。「日本人の食事摂取基準」によるとリンの摂取基準は、

●リン(1日当たりの目安量)

男性:1,000ミリグラム、女性:800ミリグラム

※18歳~70歳以上のデータ

となっています。リンは私たちが普段口にする多くの食品に含まれているので、不足することはほとんどありません。たとえばタンパク質の中にも、1グラム当たり15ミリグラムのリンが含まれています。そのため、単純に食べる量が少なすぎたり、よほど偏食でない限り不足はしないのです。

参考資料:

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(15年版)」

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

■不足よりも「過剰摂取」のほうが問題!

不足することがほとんどないリンですが、問題は「過剰摂取」です。リンは食材そのものだけでなく、食品添加物としても使われています。加工食品を食べることの多い現代社会では、食材に含まれるリンだけでなく、そこに加えられた添加物分のリンも摂取するため、目安量を超える量を摂取している可能性が高いのです。


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」には、摂取目安量だけでなく、「耐容上限量」も記載されています。耐容上限量とは、

・この値を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクがゼロではなくなることを示す値

です。日本人の食事摂取基準によるとリンの耐容上限量は3,000ミリグラム(18歳~70歳以上のデータ)です。目安量の3倍の数値ですが、食品添加物が多く使われている清涼飲料水や加工食品を多く摂取している人は、この数値を超える可能性があります。

■リンの過剰摂取でどんなことが起こる?

もし、慢性的にリンを過剰摂取した場合はどんなことが起こるのでしょうか? リンの過剰摂取で起こる可能性があるのは、まずは「腎臓の病気」です。


体内に取り込まれたリンは腎臓で吸収され、一部は尿として排出されます。もしリンの摂取量が多ければ、排泄を促進する「副甲状腺ホルモン」を分泌し、血液中のリン濃度を調整します。しかしリンの過剰摂取が慢性的に続くと、リンの処理をする腎臓の機能が低下。腎不全や腎臓結石といった病気になる可能性が高まります。


腎機能が低下すると、腎臓の病気以外に血中のリン濃度が高まる「高リン血症」を引き起こします。高リン血症になると、リンとカルシウムが結合して骨以外のところに沈着する「異所性石灰化」を起こしたり、血液中のカルシウム濃度が下がる「低カルシウム血症」にもつながります。


また、血中のリンとカルシウムの濃度バランスを調整するために、骨の中のカルシウムを血中に放出します。その結果、骨がもろくなったりします。生命活動を維持するために必要なリンですが、過剰摂取することで「マイナスの働き」をしてしまうのです。



高リン血症などの大きな病気にならないためにも、加工食品の摂取を減らすなど食事内容を改めてみるといいですね。特にインスタント・レトルト食品はリンが多く含まれているので、普段からよく食べるという人は要注意です!


(中田ボンベ@dcp)