検索
若い女性に多い「乳腺線維腺腫」の原因とは?

2018.01.05

若い女性に多い「乳腺線維腺腫」の原因とは?


生理前に乳房が張って痛んだり、しこりができたりすると「乳がんではないか」と心配になってしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、「しこり=がん」とは限りません。今回は胸にしこりができる病気のひとつ「乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)」について解説します。

記事監修



加藤智子 先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■乳腺線維腺腫とは?

乳腺線維腺腫というのは胸にしこりができるという病気ですが、結論からいうと、このしこりは良性のもので「がん」ではないのでご安心ください。早急な手術が必要であるとか、放っておくとがんになるといったこともありません。


乳腺線維腺腫のしこりは、輪郭自体はハッキリしているものの柔らかめです。ほとんどの場合、2-3cmほどの大きさで、まれに5cmほどになることもあります。できる数などは個人により異なり、片側だけに複数できたり、両側に発症することもあります。もちろん、片側にひとつだけできるということもあります。また、多くは触っても痛みを感じません。


乳腺線維腺腫は思春期に発症するケースが多いため、「女性ホルモンであるエストロゲンにより乳腺と繊維組織が増えすぎること」が原因のひとつではないかと考えられています。しかし、ハッキリとした原因は今のところ解明されていません。

■乳腺線維腺腫の症状って?

大きな特徴は、「胸に良性のしこりができること」です。


乳腺線維腺腫でできるしこりは、がんでできるものとは違った特徴があります。がんの場合は進行するにつれてしこりが動かなくなりますが、乳腺線維腺腫の場合は柔らかく、コロコロと動きます。サイズも小さめで急速に大きくなることもありませんし、どこかほかの箇所が痛むということもありません。

■乳腺線維腺腫の治療法とは?

乳腺線維腺腫は良性のものなので、痛みがないようであれば特に治療はせず、定期的な検診で経過を見るというのが一般的です。ただし、しこりが大きくなった場合には手術をして切除することがあります。この場合も、美容的に問題があるほど大きくなった場合や発育が早い「巨大線維腺腫」といった場合に限られます。


切除の手術は局部麻酔をかけて皮膚を切開し、しこりを切除するというものです。時間もそれほどかからず、通院のみで終わります。もちろん、現代の外科技術では目立つ傷もできずに済みます。


もし再発するようなことがあっても、ホルモンの影響で新しいしこりができているだけなので、基本的には定期的に検診を受けていれば問題ないといえるでしょう。

■乳腺線維腺腫は予防できる?

乳腺線維腺腫が発症する原因、メカニズムは現在のところ解明されていませんので、これといった予防法というのも見つかっていないというのが現状です。


しかし、良性のもので安全とはいっても、早期発見を心掛けるのは良いことです。入浴中などに自分で触ってみて違和感があるようなら、乳腺外科や婦人科を受診するようにしましょう。



乳腺線維腺腫は怖い病気ではないかもしれませんが、素人の触診だけでほかの病気と見分けるのは困難です。もし胸に異常を見つけたら、なるべく早めに病院に行くのが良いでしょう。


(藤野晶@dcp)